前イタリアサッカー連盟会長のカルロ・タヴェッキオ氏が逝去…

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かつてイタリアサッカー連盟(FIGC)の会長を務めたカルロ・タヴェッキオ氏(享年79)が28日、肺の病気で入院中だったブリアンツァの病院で逝去した。

イタリアの政財界に幅広い人脈を持つタヴェッキオ氏は、1999年から15年間に渡りレーガ・ナツィオナーレ・ディレッタンティ(アマチュアリーグ)の会長を務めてきた実績を生かして、2014年8月からFIGCの新会長に就任。

しかし、人種差別や女性蔑視といった舌禍事件に加え、自身を支持する一部クラブへの便宜や保守的すぎる姿勢など、在任期間に多くの批判に晒されていた。

そして、ロシア・ワールドカップ(W杯)欧州予選ではプレーオフでスウェーデン代表に敗れ、1962年大会から14大会連続で継続していた本大会出場を逃し、60年ぶりの大失態を演じた。

その後、当時の指揮官であるジャンピエロ・ヴェントゥーラ監督を解任した一方、任命責任として辞任を求められたタヴェッキオ氏は、「すべてはヴェントゥーラのミス」と自身に責任はないと主張。最終的に自身の非を認めて2018年に辞任を決断したが、当時は“イタリアサッカー界の老害”とも揶揄されていた。

在任期間に多くの批判に晒された一方、同氏の後任としてFIGCの会長を務めるガブリエーレ・グラヴィーナ氏は、故人を偲ぶと共にその功績を称えている。

「カルロ・タヴェッキオのような真のフットボールファンが亡くなったことに、深く悲しんでいます。 彼は、素晴らしい人間性を持ち、社会事業に非常に熱心で、アマチュアクラブに声と尊厳を与えることができ、革新することを決して諦めなかった」

「イタリアの女子フットボールが男子プロクラブとの提携によって発展するきっかけとなったこと、ゴールライン・テクノロジーやVARがイタリアで導入されたこと、そして国際的な分野でUEFAやFIFAの現トップマネジメントをサポートするという選択をしたことは、彼の優れた直感によるものでした」

なお、タヴェッキオ氏の訃報を受け、今週末にイタリア国内で開催されるすべての試合前には同氏への1分間の黙とうが実施される。