サブウェイのモーニング「朝サブ」。サンドイッチとドリンクSのセットで税込360円から(写真:著者撮影)

喫茶店やレストランが、朝の時間帯にドリンクやトーストなどのメニューを割安価格で提供するモーニングサービス。名古屋の喫茶店が始めた文化とされていますが、最近では大手外食チェーンも数多く提供しています。

そんなチェーン店の外食モーニングをこよなく愛するブロガー、大木奈ハル子さんがお届けする本連載。第9回となる今回、訪れたのは「サブウェイ」です。

飲食チェーンが密かにしのぎを削っているジャンル、それが「モーニング」です。集客の弱い時間帯である午前中の売り上げを強化すべく、朝の数時間だけ提供される限定メニューは、コスパ抜群かつ店の特色が強く表れ、どれも魅力にあふれています。

今回はサンドイッチのファストフードチェーン「サブウェイ」の朝メニュー「朝サブ」のなかから、「たまご&ベーコン ドリンクSセット」をレポートします。

サブウェイの朝メニュー「たまご&ベーコン ドリンクSセット」360円


サブウェイの朝メニュー「たまご&ベーコン ドリンクSセット」360円。朝食にぴったりの小さめが嬉しいハーフサイズのサンドイッチ(写真:著者撮影)

サブウェイの朝メニュー「朝サブ」を提供しているのは。公式サイトによると日本国内で45店舗。提供時間はオープンから10時30分までです。

「たまご&ベーコン ドリンクSセット」の価格は税込360円で、セット内容は、

・たまご&ベーコンのサンドイッチ(ハーフサイズ)
・ドリンクS

です。

レギュラーサイズのサンドイッチの長さは15センチですが、「たまご&ベーコン ドリンクSセット」のサンドイッチはその半分の約7.5センチのハーフサイズで提供されます。

基本のサンドイッチは、たまごサラダとベーコン1枚、レタスとトマトをはさんだホワイトブレッドにシーザードレッシングをかけたもの。


具材がぎっしりで、ボリュームは相当なもの。どこをかじっても具が出てきます(写真:著者撮影)

注文後、ショーケースの前でスタッフがサンドイッチを作ってくれるのをぼんやり眺めていると「パンは通常はホワイトブレッドですが別のパンにも変更できますよ」「シーザードレッシングをかけて大丈夫ですか?」と細やかに確認してくれます。

このスタッフ、30代と思しき男性なのですが、黒ぶちメガネで大村崑を彷彿とさせる風貌で、失礼にならない程度にフレンドリーな接客をしてもらい、ほっこりした気持ちになりました。


ドリンクはなんと17種類から選べます。サブウェイならではの選ぶ楽しみにあふれたメニュー展開です(写真:著者撮影)

ドリンクはカフェラテやハーブティー、ココアも選べる

Sサイズドリンクは17種類から選べます。

・アイスコーヒー
・アイスカフェオレ
・ペプシコーラ
・メロンソーダ
・ジンジャーエール
・アイスウーロン茶
・ペプシゼロ
・オレンジジュース100%
・アイスティー
・アイスミルク
・アイスココア
・ホットコーヒー
・ホットカフェラテ
・ホットティー
・ホットミルクティー
・ホットハーブティー
・ホットココア

コーヒー、紅茶、コーラだけでなく、カフェラテやハーブティー、ココアなど、普通だと追加料金がかかるようなドリンクも選べるのが嬉しいところ。

私はホットカフェラテをチョイス。ホットカフェラテはふわふわに泡立ったフォームミルクの、本格的なカフェラテです。ホットコーヒーよりも、ひとまわり小さめの紙コップで提供されました。


ドリンクセットのカフェラテはフォームミルクの本格派。まろやかな味わいでした(写真:著者撮影)

サンドイッチのトッピングを選んだりドリンクを選んだり、「サブウェイ」の朝メニューは小さなワクワクにあふれています。

ドリンクは単品価格の税込260円、サンドイッチはレギュラーサイズだと550円なのでその半値の275円とすると、合計535円を360円で販売していることになります。最大で32%オフ、175円値引きで販売されている計算ですね。

チェーン店の朝メニューはお得なものが多いですが、「サブウェイ」の「たまご&ベーコン ドリンクSセット」は、そのなかでもかなりバリュー感がある価格設定です。

朝にこそ食べたいサブウェイのサンドイッチ

どちらかと言えばランチタイムに利用する人が多いイメージのサブウェイ。ですが今回、「たまご&ベーコン ドリンクSセット」を食べて思ったのは、「サブウェイ」のサンドイッチは、朝にこそピッタリなのではないかということでした。

たまごサラダの黄色に、レタスの緑、トマトの赤。あふれ出んばかりに詰め込まれたトッピングは、いろどりも鮮やかで食欲をそそります。


目においしそうな、黄色緑赤といろどりもよいグッドルッキングなサンドイッチ(写真:著者撮影)

味付けはシンプルイズベスト。優しい味付けのたまごサラダに、シャキシャキのレタス、みずみずしいトマトの輪切りに、少しだけシーザードレッシングがかかっていて、甘すぎたり辛すぎたりスパイシーすぎたりしない、ほどよいそっけなさが素材そのものの味を引き立てます。

ここまでの組み合わせは定番のたまごサンドなのですが、ベーコンが加わることで味が格上げされ、見た目もぐっとアメリカナイズドされます。


ベーコンはスーパーで売っているスライスベーコンよりはるかに薄いけれど、旨味がすごい(写真:著者撮影)

ベーコンはしっかり乾燥させた極薄のカリカリタイプで、噛むほどに口内に旨味が広がり、たまごサラダとの相性も抜群。野菜たっぷりのヘルシーなメニューなので、40代のセンシティブな朝のからっぽの胃袋にダメージを与えることなくほどよく満たしてくれます。

パンは小さめサイズながら厚みがあり、しっとりとした食感ながらほどよくハードな噛みごたえで、腹持ちも上々。食べ応えはマクドナルドのハンバーガーと同じかそれ以上あるように感じました。

大口を開けてよく噛んで食べれば、寝ぼけた頭が覚醒していきます。食べ終わったあとに、まろやかな苦味のホットカフェラテをひとくち飲んでホッと一息。窓からは朝日が差し込み、なんともすがすがしい朝のひとときです。

常連客以外にも利用しやすくなっている

サブウェイ」は、パンの種類や具材など自分流にアレンジしながらオーダーできるのが魅力ですが、たまにしか利用しない筆者にとってはハードルが高いお店でした。


サンドイッチのブレッドは4種類。私はホワイトをハニーオーツに無料で変更しました(写真:著者撮影)

そもそもどんな味かわからないのでいきあたりばったりで注文することになり、思わぬ高値になってしまったり、個性的すぎる組み合わせになってしまったりすることもあり、なんとなく苦手意識を持っていたんです。

しかし「朝サブ」は、パンや具材を自分で考えなくてもOK。朝は野菜の増量が可能なメニューがBLTだけになっていて、固定メニューとしてサンドイッチのおいしい組み合わせが決められているんです。


ドレッシングは9種類。こちらも無料でお好きな味に変更可能です(写真:著者撮影)

あらかじめ決められた状態から、ブレッドやドレッシングを自分好みに変更することもできるので、「サブウェイ」ならではの自由度はそのままに、常連客でなくても気負わず利用できるようになりました。

サブウェイの「朝サブ」はほかもお得


サブウェイのモーニング「朝サブ」のメニュー表。360円〜550円の4種類を提供しています(写真:著者撮影)

サブウェイのモーニング「朝サブ」は全部で4種類。

・プレーンドッグ ドリンクSセット 税込430円
・BLT ドリンクSセット 税込550円
・たまご&ベーコン ドリンクSセット 税込360円
・ツナ&チーズ ドリンクSセット 税込360円

全てのメニューは単品でも注文が可能で、セットより100円値引きとなります。


「ツナ&チーズ ドリンクSセット」360円。しっとりツナ&チーズにシャキシャキレタスとスライス玉ねぎの食感コントラストが楽しい(写真:著者撮影)

この日つれあいは「ツナ&チーズ ドリンクSセット」を注文しました。

こちらはツナに、スライスチーズ、レタス、トマトにスライス玉ねぎが入ったセットで、玉ねぎのシャキシャキとレタスのシャキシャキのコントラストが爽やかです。

商品は魅力的な一方で、悲しい気持ちになった訳

もし近所に「サブウェイ」があるなら、そしてその店舗がモーニングメニューを提供しているなら「1回朝サブ行ってみて」と、おすすめしたくなるほど気に入った今回のモーニング探訪ですが、ひとつ悲しかった出来事が。訪れた店舗にいた客が、なんと私(と連れ合い)だけだったのです。

訪れたのは駅から徒歩10分ほどのコンビニに併設する店舗で、20席ほどのイートインスペースを共有しています。席は半分以上埋まっているものの、全員がコンビニの利用客で、テーブルに「サブウェイ」のトレイを乗せている人はゼロでした。


サンドイッチのパンは幅は7.5センチのハーフサイズですが厚みがあり、想像以上にお腹にずっしりきます(写真:著者撮影)

「コンビニと比べると単価が高いからかな?」と納得しようとしたのですが、この店の向かいにある「スターバックス」は店の外まで行列が伸びています(先週取材した店舗です)。

その光景を見て、「どうやら誰も『朝サブ』を知らないんだろうな」と思いました。マクドナルドの「朝マック」のように知名度さえ上がれば利用客も増えそうな、グッと満足度の高い魅力的なモーニングなのに、この現状は残念無念。

もちろん、筆者が訪れた店舗、時間帯が偶然ガラガラだった可能性もありますが、知名度の低さを想像したのには理由があります。サブウェイは現在国内に約170店舗あるのですが、朝サブは一部店舗限定で、公式サイトで紹介されているのが2023年1月現在で45店舗。全体の4分の1程度でしか実施されていない計算になるんです。

アメリカのサブウェイは、身売り検討の報道も

また、昨今の状況を見てみると、サブウェイの調子がそもそも良くないのも影響していそうです。

実は世界的にみると、サブウェイはマクドナルドより店舗数が多い、世界最大のファストフードチェーンです。しかしながら、日本では2018年頃からは閉店が相次ぎ、ピーク時には400店以上あった店舗数はその半分以下の約170店舗まで減少しています。また今般、アメリカのほうのサブウェイが、身売りを検討していることがニュースになっていたりも。

たしかにコンビニと比べると、かかるお金も高いかもしれませんし、スタバに比べると利用している時の気持ちの高揚感も薄いかもしれません(そこはスタバのブランディングの巧みさを褒めるべきでしょう)。

ですが、筆者としては今回ご紹介した朝メニューは、逆風のなか踏ん張る「サブウェイ」を思わず応援したくなるような、値段もボリュームもおいしさも満足いくものでした。

がんばれ「サブウェイ」。みんなの街に再び店舗がオープンし、誰もが「朝サブ」を楽しめるようになる、大復活を期待しています。


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(大木奈 ハル子 : ブロガー)