CBS MarketWatchによると、米自動車2位のフォード・モーターが、北米工場の全従業員を対象に早期退職案を提示する方向で検討を進めていることが21日、分かった。これは、米経済通信社ブルームバーグが同日報じたもので、フォードが先週末に発表した大幅減産に伴う北米事業の追加リストラ策の一環だとしている。

  フォードは18日、ピックアップ・トラックやSUV(多目的スポーツ車)の販売不振を受けて、10−12月期の北米での自動車生産を前年同期比21%減、2006年の生産台数も前年比9%減に大幅削減すると発表した。このため、同社が1月に発表した2012年までの北米の14工場閉鎖と最大3万人の人員削減のリストラ策では十分ではないことから、これらの規模を拡大させることをすでに明らかにしていた。

  フォード取締役会が9月14日に開催される見通しで、追加リストラ策は取締役会終了後に発表されるとの観測が出ている。同リストラ策では、ホワイトカラー従業員の削減や工場の追加削減も含まれる可能性がある。

  米自動車リサーチセンターのデビッド・コール所長は、フォードによる工場労働者を対象とした早期退職制度導入は不可避としながらも、定年退職を控えた工場労働者が多かったGM(ゼネラル・モーターズ)とは違い、同社の工場労働者は比較的若いため、早期退職に容易に応じるとは考えにくく、難航する可能性は高いと指摘している。

  21日のニューヨーク証券取引所で、フォードの株価は前週末比0.53ドル(6.63%)安の7.47ドルと大幅安だった。【了】