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新型コロナウイルスの流行、北朝鮮によるミサイル発射、ロシアによるウクライナ侵攻など、激動の年となった昨年。今後も続くと考えられる不安定な相場環境のなか、自らの資産を守っていくためにはどのような方法が有効なのでしょうか。株式会社ソーシャルインベストメントの川合一啓氏が解説します。

株式以外に資産を配分することも検討

まず、投資先は株式以外にもたくさんあるということを忘れないことです。

株式市場が壊滅的になろうとも日本国家がそうなることはないと判断し、国債を買うのも1つの手です。社債などその他の債権もありますし、国内株式だけでなく外国株という選択肢もあります。たとえば世界最強国家・米国の株ならば、地政学リスクも小さいでしょう。

不動産、高級時計、高級車、貴金属などもまた投資の対象になります。それから、現金すなわち日本円の保有割合を増やすことも、「現金への投資」といえるのではないでしょうか。そして、外貨もまた選択肢となります。

それぞれメリットとデメリット、リスクとリターンに違いがありますが、株式一辺倒になる必要はありません。株式のほうがよいと判断すれば株式に、そうでなければ別の資産に、投資をすればよいのです。

単純に、株式投資をメインとしながら、現金の保有割合を増やす、という選択もあります。激動の相場環境でも、いろいろな対処法があるのです。

そもそも世界や相場の動向を予想するのは難しい

しかしながら、それを踏まえたうえで、考えてほしいことがあります。それは、「そもそも世界や相場の動向を予想するのは難しい」ということです。

新型コロナウイルスは今後、どうなるのでしょうか? 中国・ロシア・北朝鮮は今後、日本とどのような関係になっていくのでしょうか? そしてそのうえで、相場はどう変化するのでしょうか?

予想をする専門家やコメンテーターは存在します。しかし、完璧にそれらを的中させられる人はいないのではないでしょうか。世界の人々は、いろいろな考えをもって行動しています。投資家もそうです。ですから、その結果がどうなるかというのは、なかなか予想が難しいと思うのです。

「自分のスタイル」を崩さないことが重要

ではそんななかで、どうやって投資をしていけば安定した利益を保てるでしょうか? 結局それは、いままで高い確率で成功してきた「自分のスタイル」を崩さないことではないでしょうか。

前述のとおり、そもそも世界や相場の動向を予想するのは難しいものです。そしてそれゆえに、株式投資には常に一定のリスクがつきまとっています。それは、いまだけでなく、以前からずっとそうなのです。ですから、どんな相場環境でも、負ける人は負けていて、勝つ人は勝っているといえます。

現在の相場環境を、考慮するのはかまわないでしょう。しかしそれに振り回されるのは賢明ではありません。不確実な部分は不確実だと認めたうえで、それでも勝てる自分のスタイルを崩さないことが、重要なのです。なお、現時点でそれが確立していない人は、その確立に力を注ぐとよいのではないでしょうか。

ちなみに、有名なウォーレン・バフェット氏も次のようにいっています。

「FRBのアラン・グリーンスパン議長が私のところにやってきて、向こう2年間の金融政策を教えてくれたとしても、私の行動に何ら影響することはありません」

「私たちは今後も政治的あるいは経済的な予想などは気にとめません」

(桑原晃弥『ウォーレン・バフェット成功の名語録 世界が尊敬する実業家、103の言葉』より)

自分のスタイルを確立していれば利益は安定する

まず、投資先は株式以外にもたくさんあるということを忘れず、株式のほうがいいと判断すれば株式に、そうでなければ別の資産に投資をする、という対処法があります。

しかし、そもそも世界や相場の動向を予想するのは難しいものです。それは、いまだけでなく、以前からずっとそうなのです。

ですから、不確実な部分は不確実だと認めたうえで、それでも勝てる自分のスタイルを崩さないことが、重要です。なお、現時点でそれが確立していない人は、その確立に力を注ぐとよいのではないでしょうか。

株式会社ソーシャルインベストメント 取締役CTO

川合 一啓