大バズリの『欲望おせち』 アドバイスのもと実際に作ってみたら幸せの時間が待っていた
「タンのしいことがギュウギュウな一年に」「苺一会で幸せいっパイン」。
なんともユニークな謳い文句が並ぶこちらのおせちチラシ。一見、何の変哲もないチラシに見えるがよくよく見ると何かがおかしい…。そう実はコレ、Twitterユーザーがチラシ風に自作したものなのだ。
去年の年の瀬に友達と作った欲望のクソおせち https://t.co/M3Oobz6uxk
— 潮井エムコ (@m_emko) 2022年12月7日
投稿したのは潮井エムコ(@m_emko)さん。
「去年の年の瀬に友達と作った欲望のクソおせち」
のコメントとともに、実際に作ったおせちとチラシ風に加工された画像が投稿された。
おせち料理と言えば、「栗きんとん」「黒豆」「伊達巻」などが一般的。
しかし潮井エムコさんのおせちには「味噌漬けクリームチーズ」に「干し芋」、「ハーゲンダッツ」、「フルーツ盛り合わせ」と、これまでのおせちの常識を覆すような料理がこれでもかと並んでいるのだ。
料理のチョイスも興味深いが注目してほしいのがチラシ風の画像。見る人が見れば分かるが、相当手が込んでいる。
おせち全体像に加えて料理一品一品も撮影し、すべてに切り抜き加工を施したのち見映えよくレイアウト。もちろん色調補正もぬかりない。
背景にはさまざまな素材を組み合わせ、「我々の考える最高のおせち」「今私はこれが食べたい」と絶妙なキャッチコピーを適所に配置。
世に出る広告ばりのクオリティにあっぱれの一言だが、何よりTwitterをザワつかせたのは、一品一品に添えられた謳い文句だ。
【牛タン】・・・タンのしいことがギュウギュウな一年になる。非常に縁起が良い
【タルト】・・・和名では足りる時と書く。満ち足りた一年になりますように This is ENGI
【フルーツ盛り合わせ】・・・苺一会で幸せいっパイン あなたにメロメロンなサンシャイーン…マス…カット…イェェェェエエェェエンギイ!!!!!!!
【ハーゲンダッツ】・・・みんなでハゲるまでつつがなく共に歳を重ねられますように よくわからんけど縁起
※他、画像参照
これにはTwitterユーザーから「説明書き、ばかおもろい」「サーモンで腹筋が震え始め、フルーツで堪えきれず爆笑」「ハーゲンダッツの説明よwww私はこのおせち食べたいwww」などの声が相次いでいる。
「令和三年、年の瀬に作った欲望のクソおせち」のキャプションが深夜テンションでトンでて素敵
完成した時は大興奮!しかし…
この『欲望おせち』そもそもどんな経緯で生まれたのか?まずは潮井エムコさんに話を聞いた。
『欲望おせち』制作に至った経緯を教えてください。
人生で一度くらいはちゃんとおせちを作ってみたいと思っていたので、毎年年越しをともに過ごす友人達に「今年こそはおせち作りを!」と提案したのですが、見事に却下されてしまいました。
そこで「みんなの好きなものしか入れないおせちを作ろう」と食い下がったところ、そちらが採用されたんです。
おせちは12/31の夕方くらいに作ったと思います。
調理と並行して写真撮影・編集をし、できあがったおせちを食べて騒いで落ち着いたころ、友人は再び編集に取り掛かっておりました。
メニュー選びとそれぞれの謳い文句の制作は、皆さん共同で行ったのですか?
事前にグループLINEで入れたい料理を挙げていったのですが、皆好きな食べ物が共通しているので選抜作業は楽でした。
その際に料理のキャッチフレーズも大まかには決めていましたが、実際にチラシに落とし込んだのはおせちを食べた後。写真をレイアウトする段階で疲労のピークを迎えていたので、回らない頭で一つひとつに文句をつけた結果あのような文言になってしまいました。
盛りつけでこだわったところは?
はじめはアルミのカップに料理を入れてお重に詰めようと思っていました。しかしビジュアルがあまりにも悪かったため「こんなんじゃだめだ!」と駄々をこねていたら、友人の夫くんが来客用の華やかな「湯呑み」を段ボールから引っ張り出してくれて…。
料理を盛りつけているのは、器ではなく「湯呑み」なんです。
チラシの制作にはどれくらいの時間を費やしましたか?
友人のひとりに、長年培ってきたAdobe(画像編集に特化したソフトウェア)スキルを悪ふざけに活用する事に執念を燃やしている子がいるのですが、彼女がすべて担当しました。
所用時間は、おせち作り&写真撮りに1時間、写真切り抜き&色調補正に1時間、デザイン構成&文作成に1時間の計3時間くらいだったと思います。昨年のことなので、やや記憶があいまいですが…
『欲望おせち』を実食した感想を教えてください。
好物しか入っていないので完成した時は大興奮でした。
ただ、本能のままにむさぼった結果、塩分過多で体がギシギシになってしまったので、何事も加減が必要だということが新年早々の学びになりました。
Togetter編集部でも『欲望おせち』を作りたいと考えています。アドバイスや注意点などお伺いしたいです。
由来から考えず、本当に大好きなものを挙げることが大切だと思います。
大好きな食べ物を先に挙げ、存在しない理由をひねり出すところに『欲望おせち』の趣きがあるかと。Togetter編集部のみなさまのむき出しの欲望、楽しみにしています!
実際に作ってみた
という訳でTogetter編集部員に意見を募り、完成した『欲望おせち』がこちら、ドン。
【一の重】
びっくりドンキーのチーズハンバーグ・・・チーズの配置が末広がり(もはや原型をとどめていないが…)
【二の重】
たこやき・・・足八本 縁起よし
きざみこんぶのみ・・・よろこんぶ
いくら・・・やっぱりはずせない子だくさん
琥珀糖(っぽいお菓子)・・・きれい
ピノ(アーモンド)・・・イタリア語で「松」 ザ・正月
【三の重】
メンマ・・・竹はまっすぐすくすく伸びるため縁起よし
茹でほうれん草・・・花言葉は「活力」「健康」
つけ麺・・・長くのびて延命長寿
三の重、家系ラーメンをただばらしただけじゃ…。
ともあれ無事完成。筆者ひとりで食べるのもアレなので、前回のお正月はおせちにまったく目もくれなかった娘の反応を見てみることに。
おぉ、食いついている。
左手に琥珀糖(っぽいお菓子)を握りしめ、右手はさらに何かを物色。おせちに夢中になるその姿が見れただけでも、母の『欲望』は満たされたってものだ。
実際に作ってみて分かったが、この『欲望おせち』、食べる瞬間はもちろんのこと、何を入れようか考える時、お重に詰める時、すべてのタイミングでいちいち楽しい。
おせちの概念からやや外れてしまう部分もあるが、幸せな気分になれることは間違いない。皆さんもこのお正月はぜひ自分だけの『欲望おせち』にもトライしてみてほしい。
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