サヨナラ! 40年の歴史にも幕? 2022年に生産終了したクルマ3選

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サヨナラ! 2022年に生産終了となったクルマたち

 2022年は、レクサス「RX」やマツダ「CX-60」など多くのSUVや、ホンダ「ステップワゴン」、トヨタ「ノア/ヴォクシー」などのミニバンを中心にさまざまな新型車が誕生しました。

 一方で、さまざまな事情で惜しまれつつも生産終了となったクルマも存在します。今回はそんな2022年に生産終了となったクルマを3台紹介します。

エントリーモデルとして長く販売されたレクサス「CT」

2022年に生産終了となったホンダ「NSX」

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 レクサスのエントリーモデルという立ち位置だった「CT200h(以下CT)」は2022年10月をもって生産終了となりました。

 CTは、クラストップの燃費性能や環境性能、俊敏な走行性能とダイナミックでスポーティなスタイリングで世界各国のユーザーから根強い支持を集めたコンパクトハッチバック。

 デビューは2011年。その後2014年の改良ではスピンドルグリルの採用などエクステリアデザインを刷新し、より洗練された個性が際立つスタイリングを表現。さらにボディ剛性の強化などにより静粛性や乗り心地、俊敏な走りを磨き上げています。

 2017年にはスピンドルグリルにメッシュグリル形状を採用するとともに「Lexus Safety System+」を標準装備することで、予防安全性能の向上など進化を続けてきました。

 2011年から、過去11年間で約65の国や地域で販売され、累計約38万台を販売したといいます。

 編集部にて独自に収集したアンケートで、「レクサス CTが2022年10月をもって生産終了することになりました。これについてどのように思いますか?」という質問をしたところ、「生産終了はやむを得ない」がもっとも多く、全体の47.1%を占めました。

 次いで「生産終了は悲しい」(41.7%)、「生産終了と聞いて驚いた」(8.8%)という結果に。

「生産終了はやむを得ない」を選択した回答者からは、「流石に設計が古い」「発売から11年と年数が経ちすぎている」といった声もあがり、11年間というロングセラーモデルとしてその役目を全うしたといえそうです。

 CTがなくなってしまった今、レクサスのエントリーモデルはコンパクトSUVの「UX」となり400万3000円からです。

唯一無二の和製スーパーカーホンダ「NSX」

  ホンダのスーパースポーツカー「NSX」(2代目)は2022年11月17日にファイナルモデルとなる「NSX タイプS」の最終号車がラインオフし、生産終了となりました。

 初代NSXは1990年9月13日に発表され、北米ではホンダの高級車ブランドであるアキュラNSXとして展開されました。

 初代NSXは量産車世界初となるオールアルミ・モノコックシャシに、自然吸気ながら最高出力280馬力(MT車)を誇る3リッターV型6気筒VTECエンジンをリアミッドシップに搭載。優れた動力性能と運動性能、さらに実用性も考慮された新時代の和製スーパーカーとして、世界的にも注目を集めました。

 2002年に惜しまれつつ初代NSXは生産終了となり、その後13年ぶりとなる2015年に2代目NSXがアメリカ・デトロイトショーで登場、翌年の2016年より生産が開始されています。

 2代目では、ミッドシップレイアウトは変えずに、パワートレインは3.5リッターV型6気筒ツインターボエンジンを搭載。これに加えて、フロントに駆動用モーターを備えた四輪駆動で、システム最高出力581馬力・システム最大トルク646Nmを発揮します。

 2代目登場から6年目となる2022年1月、NSXの生産終了がアナウンスされると同時に、前述の限定車「NSX タイプS」の350台限定生産が発表。日本には30台が割り当てられました。

 SNSなどでは、生産終了について「間違いなくHONDAの企業価値を高めていたクルマだった」「フラッグシップモデルがNSXであってほしかった」など、その終了を惜しむ声が聞かれました。

40年の歴史にも幕、日産「マーチ

 日産のコンパクトカー「マーチ」の日本仕様が2022年8月をもって生産終了となりました。

40年の歴史にも幕をおろした日産「マーチ

 マーチは、1982年に初代モデルが登場した同社のエントリーモデルです。

その後、1992年に2代目モデル、2002年に3代目モデル、そして2010年現行モデルとなる4代目モデル(K13型)が登場しています。生産終了がアナウンスされた2022年は、1982年からカウントすると奇しくも40周年となる節目の年でした。

 マーチは発売当初から「誰でも乗りこなせるコンパクトさ」や「コスパがいい乗用車」として長年人気を博しました。軽自動車を除けば日産車のラインナップのボトムラインを担い続けてきたクルマでもあります。

 そんなマーチですが、実は、海外(欧州)では2017年の春から5世代目となる「K14型(海外名:マイクラ)」が登場しており、現在も発売中。

 しかしK14型の日本での販売は、2022年12月時点では明示されておらず、このまま“マーチ”は終了となりそうです。これにはタイで生産されていたK13型とは異なり、欧州のみで生産されるK14型が、全幅が大きく3ナンバーサイズとなってしまうほか、さらに欧州ではすでに後継モデルがEVとなることも発表済みで、モデルチェンジがそう遠くないことも影響しているかもしれません。

 マーチの生産終了についてSNSなどでは、「新型はあるとしてもEVかなぁ」「悲しい」「名車がどんどん消えていく」などさまざまなコメントが集まっています。

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 前述のクルマ以外にも、ホンダ「CR-V」、ホンダ「シャトル」、ダイハツ「ウェイク」、日産「シーマ」などさまざまなクルマが生産終了となっています。シーマもマーチと同じく34年という長い歴史を持つクルマでした。

 惜しまれつつ消えていったクルマがある一方で、CX-60やクラウン クロスオーバー、トヨタ新型「プリウス」など新たなコンセプトを取り込んだ新型車が登場しています。

 また2023年もさまざまな魅力をもった新たな新型車が登場することでしょう。去ってしまった車種を惜しみつつも新たなクルマにも期待がかかります。