三重大学などによって構成された合同研究チームが、豪雪をもたらす原因とされるJPCZ日本海寒帯気団収束帯の構造とメカニズムを明らかにしたと発表しました。

JPCZは、冬型の気圧配置が強まり冷たい北西の季節風が日本海に流れ込む際に収束帯ができ、発達した雪雲を形成するため、大雪をもたらす原因となっています。

JPCZについては遠隔からの観測に留まり、その実態の多くは解明されていませんでしたが、三重大学の立花義裕教授をはじめとした合同研究チームが今年1月、初めて日本海で気球による観測に成功していました。

その調査を元にした研究結果がまとまり、23日に合同研究チームはJPCZの構造とメカニズムを明らかにしたと発表しました。

立花教授などによりますと、JPCZは「大気の川」のような構造を持ち、帯状に伸びることからいわば「線状の降雪帯」と位置付けています。そして、水蒸気の集中量を雪に換算すると、7時間で1メートルの降雪に相当するとしています。

さらに、一旦発生すると持続するメカニズムを持っていることがわかったということです。

立花教授は「気象を理解するには海を理解することが重要だということがわかった。この研究成果で気象の予測精度向上につながれば」と話しています。