コーヒーの店が売る「絶対に美味しくない」激安豆が意外な使いみちで売れている

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名古屋のコーヒーと鳩雑貨のお店【珈琲と鳩時計の店ロンドベル】を営む鳩村ひろし(@Wahoo_Wahoo_164)さんがお店のコーヒー豆の選別作業中に出た「飲めないコーヒー豆」についてTwitterに投稿し、話題になっている。

「デラ・マ・ズーイブレンド」。価格は驚きの120gで83円
ちょっと欠けたり虫食いっぽい穴があったりする豆が選別されている

「デラ・マ・ズーイブレンド」とは鳩村ひろしさんによると「虫食いや発酵した”欠点豆”をハンドピック(手作業)で取り除いて集めたもの」ということだ。

「飲用ではない」「ゼッタイに美味しくない」とのお墨付き(?)である。

投稿を見たユーザーからは「これ数粒と塩パックにして喫茶店の塩で売って欲しいかも」「そういえばデラマズーイ買うのを忘れてました…」というコメントがあったことから「飲めないコーヒー豆」にも一定のニーズがあることがわかる。

「飲めないコーヒー豆」を販売している理由や命名した経緯について、鳩村さんに詳しい話を聞いた。

「すごくまずい豆」という意味の名前

商品名はどなたが考案されたのでしょうか?

私です。名前の「デラ」は名古屋弁(「すごく・とても」の意)からつけました。

欠点豆でも、飲むことは可能なのでしょうか?

飲めないことはないですが、決してお勧めできるものではありません。

販売する際のパッケージには「飲用不可」としっかり明記しています。

「欠点豆」の使い方として「芳香剤」は業界では一般的な使い方でしょうか?

少なくとも「一般的」ではないのだろうなとは思います。

当店は、コーヒー以外の要素(鳩時計や雑貨販売)もあるので、コーヒー以外の目的のお客様も多数いらっしゃいます。

その中で「コーヒーの味が苦手で一切飲めないんだけど、香りだけはむしろ好き」という声が多かったため、豆をテーブルにでも置いて、香りだけ楽しめばいいのではないか、と思い、はじめました。私単独の思いつきです。

購入されたお客さんの「芳香剤」としての感想を教えてください。

「香りは市販の激安豆よりはよほど良い」とのことでした。

確かに飲めないクズ豆ではありますが、それでも当店の通常の商品と同じく、焼き置きは一切せず「ご注文ごとに生豆を焙煎し、煎りたてをお渡し」方式ですので「香りだけは最高の状態」です。

香りは最高!

芳香剤以外の、おすすめの使い方はありますか?

実際のお客様からお聞きした例では

「抽出したコーヒーを絵の具として使用し、イラストを描く」

「豆を布袋に詰めて香りの出るお手玉に」

「紙パックに詰めて浴槽へ…コーヒー風呂に」

「畑に撒いて虫除けに」などがありました。

鳩村さんによると「コーヒー風呂に関しては、お肌との相性もあり肌荒れしてしまうことがあるため、万人にお勧めできるものではありません」とのことだった。

本来なら廃棄されるであろう豆に「香り」を活かす道を見出した鳩村さんからは、コーヒーへの熱い想いと愛がうかがえる。

なお【珈琲と鳩時計の店ロンドベル】では通販も行っており、コーヒー豆のほか鳩グッズやさまざまな鳥のグッズが販売されている。コーヒーと鳩をこよなく愛するお店に興味がある方は、ぜひのぞいてみてはいかがだろうか。

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