コーヒーの店が売る「絶対に美味しくない」激安豆が意外な使いみちで売れている
名古屋のコーヒーと鳩雑貨のお店【珈琲と鳩時計の店ロンドベル】を営む鳩村ひろし(@Wahoo_Wahoo_164)さんがお店のコーヒー豆の選別作業中に出た「飲めないコーヒー豆」についてTwitterに投稿し、話題になっている。
コロンビア🇨🇴 タンザニア🇹🇿 本日のハンドピック完了☕️いかにも美味しくなさそうでしょ? だって飲めないやつですから (・◇・)#デラ・マ・ズーイブレンド https://t.co/gbC4W3dZM6
— ロンドベル🔥薫りMAX!自家焙煎コーヒー豆/名古屋 (@Wahoo_Wahoo_164) 2022年11月10日
「デラ・マ・ズーイブレンド」とは鳩村ひろしさんによると「虫食いや発酵した”欠点豆”をハンドピック(手作業)で取り除いて集めたもの」ということだ。
「飲用ではない」「ゼッタイに美味しくない」とのお墨付き(?)である。
投稿を見たユーザーからは「これ数粒と塩パックにして喫茶店の塩で売って欲しいかも」「そういえばデラマズーイ買うのを忘れてました…」というコメントがあったことから「飲めないコーヒー豆」にも一定のニーズがあることがわかる。
「飲めないコーヒー豆」を販売している理由や命名した経緯について、鳩村さんに詳しい話を聞いた。
「すごくまずい豆」という意味の名前
商品名はどなたが考案されたのでしょうか?
私です。名前の「デラ」は名古屋弁(「すごく・とても」の意)からつけました。
欠点豆でも、飲むことは可能なのでしょうか?
飲めないことはないですが、決してお勧めできるものではありません。
販売する際のパッケージには「飲用不可」としっかり明記しています。
「欠点豆」の使い方として「芳香剤」は業界では一般的な使い方でしょうか?
少なくとも「一般的」ではないのだろうなとは思います。
当店は、コーヒー以外の要素(鳩時計や雑貨販売)もあるので、コーヒー以外の目的のお客様も多数いらっしゃいます。
その中で「コーヒーの味が苦手で一切飲めないんだけど、香りだけはむしろ好き」という声が多かったため、豆をテーブルにでも置いて、香りだけ楽しめばいいのではないか、と思い、はじめました。私単独の思いつきです。
購入されたお客さんの「芳香剤」としての感想を教えてください。
「香りは市販の激安豆よりはよほど良い」とのことでした。
確かに飲めないクズ豆ではありますが、それでも当店の通常の商品と同じく、焼き置きは一切せず「ご注文ごとに生豆を焙煎し、煎りたてをお渡し」方式ですので「香りだけは最高の状態」です。
芳香剤以外の、おすすめの使い方はありますか?
実際のお客様からお聞きした例では
「抽出したコーヒーを絵の具として使用し、イラストを描く」
「豆を布袋に詰めて香りの出るお手玉に」
「紙パックに詰めて浴槽へ…コーヒー風呂に」
「畑に撒いて虫除けに」などがありました。
鳩村さんによると「コーヒー風呂に関しては、お肌との相性もあり肌荒れしてしまうことがあるため、万人にお勧めできるものではありません」とのことだった。
本来なら廃棄されるであろう豆に「香り」を活かす道を見出した鳩村さんからは、コーヒーへの熱い想いと愛がうかがえる。
なお【珈琲と鳩時計の店ロンドベル】では通販も行っており、コーヒー豆のほか鳩グッズやさまざまな鳥のグッズが販売されている。コーヒーと鳩をこよなく愛するお店に興味がある方は、ぜひのぞいてみてはいかがだろうか。
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