地元向けのデモフライトで海上自衛隊鹿屋航空基地の上空を飛行する米軍の無人偵察機MQ9=2022年11月5日、鹿児島県鹿屋市、加治隼人撮影

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 鹿児島県鹿屋市の海上自衛隊鹿屋航空基地で21日、米空軍の無人偵察機MQ9の運用が始まった。

 東シナ海など周辺海域での監視や偵察を目的に、日米両政府で計画を進めてきた。活動は来年11月まで続き、米軍関係者150〜200人が市内に駐留する。

 米軍や防衛省によると、基地に配備されるMQ9は計8機。機体は全長約11メートル、全幅約20メートルで、夜間や悪天候でも船舶などの動きがわかる高性能センサーを備える。海洋進出を活発化させる中国やロシアなどの動きを念頭に、日米同盟における情報収集能力を強化する狙いがある。活動期間は米軍も「1年限り」と明言している。

 九州防衛局はこの日、取材に「予定通り運用を開始した」と回答したが、離陸した機体数や時間などについては「米軍の運用に関わるため」として明らかにしなかった。

 配備計画は5月に防衛省が市側に正式に伝え、住民説明会を開催。市議会は「情報収集は喫緊の課題」として容認決議を可決し、中西茂市長も受け入れた。一方、米軍関係者は市内のホテルに滞在し、住民の一部にはトラブル発生への心配とともに、「実質的な米軍基地化だ」との疑念もある。

 地元の九条の会おおすみの松下徳二代表(84)は「監視の強化は国際的緊張を高めるのではないか」と不安を口にした。中国の海洋進出や台湾問題のリスクが言われる中、日本政府が打ち出す防衛費増額の動きを見ても、「武力衝突の方向に近づいているようにしか思えない。このまま突き進んでほしくない」と話した。(加治隼人)