今回被害を受けたタカ(たすくさん @Ja5ka 提供)

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家の敷地に侵入した小学生が、飼っているタカやハヤブサ、アヒルに岩を投げつけていた――。群馬に住むツイッターユーザーのそんな訴えが、大きな注目を集めている。

J-CASTニュースは、被害を訴えた投稿者のたすくさん(@Ja5ka)に詳しい経緯を聞いた。

「怒りで手が震えて、マウスの操作が覚束なかった」

小学生の行為をツイッターで告発したたすくさんは、33歳の会社員。副業として、タカをイベントなどで飛ばす「フライトショー」や、工場などに巣を作ったハトやカラスを追い払う仕事などを行っている。その関係もあり、タカやハヤブサ、アヒルのほか、フクロウやワシミミズク、インコなどを飼っているという。

そんなたすくさんが異変に気がついたのは、10月26日15時30分頃だった。妻と共に自宅に戻ると、庭のコンクリートが濡れていて、シャベルや積んでいた石などが散乱していたという。

「タカ、ハヤブサが普通ではない濡れ方をしていて、足から血が出ていて、羽も折れていて...なにか違和感を覚えました」と取材に答えた。ハヤブサとタカは屋内飼いだが、この日は日光浴のためつないで外に出していたという。

当初、空き巣が入ったのでないかと感じたものの、家の中に異常はなかった。そこで監視カメラを確認すると、家を留守にしていた同日13時30分頃に、敷地に侵入した1人の小学生の行動が記録されていたという。

「怒りで手が震えて、マウスの操作が覚束なかったです。奥さんもショックで震えて映像は最後まで見れない状態でした」

監視カメラには何が映っていたのか

監視カメラに映っていた状況について、たすくさんは次のように説明した。

「子供が勝手に庭に侵入、水道の蛇口を開け、ホースを引っ張り出し、鳥達が近づけないギリギリの距離まで近づいてタカ、ハヤブサ、アヒルに向かって高圧で水を噴射し続け、合間にデッキに置いてあったシャベル、ボウルを投げ、横に置いてあった岩を両手でフラフラしながら持ち上げて、投げる。これを6回ほど繰り返し。終わったかと思えばまた水を噴射...と15分ほど続いていました」

ハヤブサが一番の被害を受けており、繋いであったために逃げられず、もがきながら鳴いていたという。

警察に被害届を出して小学校に連絡すると、同日19時30分頃、担任と教頭、教育指導の教員が自宅まで謝罪に来た。児童は小学1年生だったという。

たすくさんが一連の騒動についてその日の夜にツイッターで報告すると、投稿は11月7日21時までに5万9000件以上のリツイートや22万4000件以上のいいねを集めた。関連する他の投稿も大きな注目を集めている。

好奇心でやった、と相手親子は説明

たすくさんの投稿などによれば、騒動が起きた翌27日夜に、小学生と保護者が自宅まで謝りに来た。親は「どうしてこんなことをしたのか、しっかりと教えていたはずなのに...」などと話していたという。

相手は、今回の件で発生した物的損害に関する費用や治療費などは弁償するとしたが、たすくさんの猛禽類を使った仕事に与える影響は分からないため、その分の被害額については弁償できないといった主旨の話をしていたという。

たすくさんは、「こちらからそういった話を持ち出す前に、こんな話をされたので、正直憤りを感じました」と心境を明かした。

また、児童が動物に水を浴びせたり、石などを投げつけたりしたのは、「鳥に水をかけるとどうなるのか」「石をぶつけるとどうなるのか」という好奇心でやったと説明されたと、たすくさんは述べた。

11月9日までの状況について、たすくさんは「相手方とは、請求金額等は後日伝える、というところで止まっています。弁護士さんと連絡を取って今後について相談している」と明かしている。

今回の児童の行動で、とくに被害を受けたハヤブサは、足にケガをし、風切り羽も2、3本折れていた。そのため、10月27日に病院で薬を処方してもらい、11月2日にも千葉にある別の病院で診てもらったという。タカも濡れるなどの被害を受けたが、とくに問題はない様子で、水鳥で外飼いしていたアヒルは大丈夫だとしている。

今回の被害やツイッター上の反響について、たすくさんは、「とにかく鳥達が無事でよかったと、それに尽きます。ツイッターに関しては、あまりの反響に、考えが追い付いていません...」と振り返った。

たすくさんは「相手方が実際どういう方なのか、お子さんがどういう子なのかはまったくわかりません」と説明。感情的にツイートしたことで憶測も広まっていたとして、「今後は憶測でものを言わず、事実だけを伝えたいと思います」としている。

「学校としては事実を含めてお答えできません」

J-CASTニュースが11月9日、今回の一件を起こした児童の通う小学校に取材を申し入れると、教頭が電話に応じた。たすくさんの話によれば、本人の元を訪れ、直接謝罪をしたという人物だ。

教頭は当初、この件について把握しているような口ぶりをしていたものの、記者が改めて詳しい事実関係を尋ねると、

「学校としては事実を含めてお答えできません」

と回答した。

たすくさんは10日、タカなどの様子について「とくに異常もなく、元気です」とし、「小学生が家の前を通らなくなったので、通学路は変えてくれたのかと思っています」と取材に答えた。

相手側とのやり取りについては、各種の書類を集めて、それらがそろい次第、弁護士を交えて話し合いをする予定だという。