フジテレビ「silent」の公式サイトより

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 川口春奈(27)主演「silent」(フジテレビ・木曜・22時)の勢いが止まらない。10月27日放送の第4話は、見逃し配信の総再生数(放送後1週間のTVer・FOD・GYAO!の合計)が688万回と、フジテレビ全番組における歴代最高記録を塗り替え、その人気を証明した。もっとも、視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯:以下同)は5・2%と、あまりパッとしない。これは一体どういうことか。

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 実は、「silent」が見逃し配信の総再生数の記録を更新したのは、これで3度目だ。これまでの記録を振り返ってみよう。

フジテレビ「silent」の公式サイトより

▼初回(10月6日放送):531万回(TVer443万回)、世帯視聴率6・4%

▼第2話(10月13日放送):567万回(TVer489万回)、世帯視聴率6・9%

▼第4話(10月27日放送):688万回(TVer582万回)、世帯視聴率5・2%

 総再生数のうち8割強はTVerだ。10月20日放送の第3話は記録更新とはならなかったものの、視聴率は7・1%。翌週の第4話で見逃し配信の歴代最高を更新した。

 11月3日に第5話が放送されると、Twitterでは初回から5週連続となる国内トレンドの1位となり、世界トレンドでも4度目の1位を獲得した。第5話の再生数も相当な数になるはずだ。ただし、視聴率は7・9%と持ち直したものの未だ1桁なのはなぜなのか。民放プロデューサーに聞いた。

Z世代に向けた工夫

「10月最終週(24〜30日)の民放連ドラの視聴率を見ると、トップは『相棒』(テレビ朝日)の14・2%、2位が木曜ドラマ『ザ・トラベルナース』(同前)の11・1%、3位が日曜劇場『アトムの童』(TBS)の9・1%、4位が月9『PICU 小児集中治療室』(フジ)の9・2%、そして5位が『科捜研の女』(テレ朝)の8・9%と、テレ朝の“新BIG3”の強さがよく分かります。もっとも、新BIG3は高齢視聴者層が多いことでも知られています。そこに食い込んでいるのが、伝統の日曜劇場と月9で、こちらも長年ドラマを見続けてきたファンが多い。これらと比べると『silent』の視聴率は明らかに低いものの、Z世代を中心とした若者層に支持されています」

 視聴者層が若いから、配信の再生数が多いということか。

「結論を言ってしまえばそういうことになります。しかし、『silent』は古き良き時代のドラマを継承しつつ、確実に若者に見てもらうべく色々と工夫が凝らされているのです」

 どういうことか。

「まず、『silent』はお茶の間の大画面テレビではなく、スマホでの視聴に適した作りになっています。ヒロインの川口はじめ、目黒蓮(25)、鈴鹿央士(22)のアップ、もしくは2ショットが多いため、小さな画面でも見やすくなっています。また自然光で撮影されたシーンが多く、照明も太陽光に近い色なので、切ない場面でも温かみを感じさせる。若者たちは自分の部屋で独りでひっそりと見て、誰にも邪魔されず涙を流せるのです」

 若者の視聴法といえば、3倍速、4倍速で再生するというが、

TVerこそが新メディア

「見逃し配信でもっとも再生数の多いTVerの場合、再生速度は最高でも1・75倍です。『silent』はこのスピードでも台詞が聞き取りやすくなっている。例えば、11月3日放送の第5話で話題となった、川口が3年間交際していた鈴鹿との別れを決意する電話のシーンは、『渡鬼』(TBS)の橋田壽賀子さんもビックリの長台詞と長回しでした。このシーンを1・75倍で再生しても、BGMが小さな音で流されているので、2人の台詞はしっかり聞き取れます。長回しではあるものの、たたみ込むように喋るのではなく、間をしっかりと取って、ゆっくりと話しているからです。それがまた、感情を抑えているかのような効果を生んでいます」

 番組の公式Instagramによると、電話のシーンはセットの2箇所に撮影クルーを分け、実際に2人が通話した状態で撮影したという。

「会話も間も良くなりますからね。川口と目黒が待ち合わせに利用するカフェも、繁華街の“映える”店でも、食べログ的な有名店でもなく、さりげなく身近な店をロケ地に選んでいる。だから他に目が行くこともなく、2ショットに集中できます」

 もっともこのお店も今は、2人が座った席を予約したいという電話が、毎日100件以上殺到しているとか……。

「かつてのような、お金をかけたスタジオセットで趣向を凝らして撮る時代は終わったと言っていいかもしれません。『silent』は、すべてが手の平サイズのピッタリに作ってある。TVerは無料で配信されますが、基本的にCMを飛ばして再生することはできません。そんな中で、これだけの再生数を誇るドラマができたことに、CMスポンサーも注目しているでしょう。ひょっとすると、地上はもちろん、サブスクやYouTubeよりも広告効果のあるメディアにもなり得ます。今後はスマホ利用者向けに作られるドラマが増えるかもしれません」

デイリー新潮編集部