お腹を押すと痛い原因は何？病気の可能性は？医師が徹底解説！

2022年10月22日 22時0分

お腹が痛く押すとさらに痛みが強くなる、あるいは、普段は痛まないが押したときに痛みや圧迫感があるなどの状態を指します。

お腹を押すと痛みがでる症状の原因として、胃や腸などの消化器系疾患、腹部大動脈などの心血管系疾患、女性であれば婦人科系疾患などの多くの可能性が考えられます。代表的な病気としては、胃潰瘍、急性胆嚢炎、腹部大動脈瘤、骨盤内炎症性疾患などが挙げられます。

胃潰瘍は、ヘリコバクターピロリ菌感染や痛み止めの飲みすぎなどが原因で発症します。胃酸によって胃壁（胃袋の壁）粘膜が傷つき、痛みや出血を起こします。重症化すると胃壁に穴が開く胃潰瘍穿孔となり、緊急手術が必要になることもあります。

急性胆嚢炎は、胆嚢に炎症が生じる病気です。胆石が原因であることが多く、胆石によって胆のうから流れる胆汁の流れが悪くなることで発症します。上腹部の不快感やにぶい痛みから始まり、右季肋部（肋骨の下あたり）の強い痛みになっていくような症状がみられます。

腹部大動脈瘤は動脈硬化などが原因で、大動脈が部分的に拡張してしまう病気です。無症状のことが多いのですが、破裂の危険がある際には腹痛を自覚します。男性に多く、喫煙や高血圧などが発症の危険因子です。破裂すると命を落とす可能性が高い重篤な病気です。

骨盤内炎症性疾患は、女性の骨盤内にある子宮や卵巣、卵管などの臓器の周囲で炎症が起こる病気の総称です。感染症の部位によって子宮内膜炎、付属器炎、骨盤腹膜炎などと診断されます。原因としては性感染症や細菌性膣症などが挙げられています。下腹部痛とともに発熱や、帯下が増加するなどの症状がみられます。

耐えがたい痛みがある場合

冷や汗がある場合

お腹がパンパンに張っている場合

これらの場合には、すぐに病院受診しましょう。

主な受診科目は、内科、消化器内科、産婦人科です。

問診、診察、血液検査、腹部超音波検査、画像検査（レントゲン、CT）などを実施する可能性があります。

持病があって内服している薬がある際には、医師へ申告しましょう。

いつから症状があるのか、きっかけになる思い当たるエピソードはあるか、他にも気になる症状があるのかなどを医師に伝えましょう。

保険医療機関の診療であれば、保険診療の範囲内での負担となります。