仏パリ近郊クリシーにある化粧品大手「ロレアル」仏本社のロゴ(2010年8月26日撮影)。(c)Eric PIERMONT / AFP

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【AFP=時事】仏化粧品大手ロレアル(L'Oreal)の米国支社が販売した化学薬品を用いた縮毛矯正剤で子宮がんになったとする米国人女性が21日、損害賠償を求めて同社を提訴した。代理人弁護士が明らかにした。

 ジェニー・ミッチェル(Jenny Mitchel)さんは、ロレアルの縮毛矯正剤を20年以上使用して子宮がんになり、子宮の全摘出を余儀なくされたと主張している。

 この数日前には、化学薬品を用いた縮毛矯正剤の使用と子宮がんとの関連性を立証した論文が米国立がん研究所ジャーナル(Journal of the National Cancer Institute)に掲載された。

 同論文は、年に4回以上縮毛矯正剤を使用する女性は、使用しない女性に比べて子宮体がんになるリスクが2倍以上だとしている。

 米国では黒人女性を中心に子宮がんが増加している。

 代理人弁護士のベン・クランプ(Ben Crump)氏は「黒人女性は長年、特に黒人向けに販売されている危険な製品の被害を受けてきた」と主張。

「ミッチェルさんは、企業が利益を追求するために黒人女性を積極的に欺いてきた数多くの悲劇的なケースの一つにすぎない」と述べた。

 ロレアル側は今のところコメントを発表していない。

【翻訳編集】AFPBB News

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