この記事をまとめると

■レクサスLSの一部改良が発表された

■サスペンションのチューニングとブレースの形状変更で、乗り心地と操縦安定性を洗練させた

■最新のマルチメディアの搭載で、各種インターフェースの操作性が高まった

一部改良で乗り心地と静粛性を磨きあげたフラッグシップモデル

 1989年に初のレクサスブランドのクルマとして登場したLSは、その圧倒的な静粛性と乗り心地によってラグジュアリーカーとしての地位を確立。以来、レクサスのフラッグシップセダンとして、ブランドの象徴的モデルとなっている。2017年に登場した5代目モデルでは、優れた静粛性と乗り心地に加え、運動性能と先進装備にも重点が置かれたモデルとなっている。

 そんなレクサスLSの一部改良が発表された。

 走りの面では、レクサス独自の乗り味であるLexus Driving Signatureを進化させるべく、サスペンションのチューニングとリヤサスペンションメンバー取付部のブレース形状を変更して、剛性を高めつつ乗り心地も向上させたほか、高い操縦安定性も実現している。

 また、最新のマルチメディアを搭載したこともトピックスのひとつ。ナビや音楽、車両設定などの各種メニューの選択スイッチを運転席側に常時アイコンで表示することで操作性を向上した。さらに、音声認識機能にも新たな機能が追加され、ディスプレイのマイクアイコン操作や音声による起動が可能になった。また、「エージェントプラス」に先読み案内サービスが追加され、目的地を設定しなくてもこれまでの走行履歴から経路を予想して事故、渋滞、天候、残燃料の案内を画面上にお知らせしてくれる。

 そのほか、タッチパッドやCD/DVDプレイヤーの廃止でインストルメントパネルとコンソール周辺の形状とスイッチ類の配置を変更。使用頻度の高いシートヒーターとシートベンチレーション、ステアリングヒーターなどのスイッチをコンソール上に配置するなどの最適化が図られた。スマホホルダーとUSBのType-Cコネクターも増設されて使い勝手も向上している。さらに、Apple CarPlayがUSB接続だけでなく、Wi-Fiによる無線接続でも利用可能となり、アンプやスピーカーの見直しによってハイレゾ音源再生にも対応した。

 そして、スマホアプリの「My LEXUS」でも、乗車前に車内を快適な温度に調節できるリモートエアコンや、ワンタッチで始動やロック解除ができるマイカー始動ロックなど、便利な機能を利用できるようになった。

車両の周囲を確認できる透過機能で安全運転を支援

 新たなオプション装備として、2021年に特別仕様車「HIDEKI MATSUYAMA エディション」に設定された20インチのノイズリダクションアルミホイールとランフラットタイヤのセットが追加されているのも見逃せない。

 安全装備では、パノラミックビューモニターにより、ボディやシートを透かして見たようなシースルービュー、サイドクリアランスビュー、コーナリングビューなどを利用して運転席から目視しにくい車両の周囲の状況をリアルタイムで確認できるようになった。さらに、床下透過表示機能も備えており、車両直下及びタイヤ付近のアンダーフロア映像を表示して駐車やすり抜けを支援する。

 また、高度運転支援技術「レクサス アドバンスドドライブ」搭載モデルについては、その性能を向上させ、周辺車両への配慮として、隣接する車線を走行している車両の死角領域を走行し続けないように減速制御する機能を追加。自車が他車に与える圧迫感を軽減し、安全な走りをするように改良された。また、合流地点を低速走行する際や、前方車両へ接近した場合に、ドライバーへ周囲の車両への注意を促すディスプレイ表示とブザーを出す機能を追加したことで、ドライバーとシステムの円滑なコミュニケーションを実現。より安心してシステムを利用することができるようになっている。

 価格は、ガソリンモデルのLS500が1078万〜1585万円、ハイブリッドモデルのLS500hが1226万〜1735万円。

 シャシーとサスペンションのチューニングでレクサスに相応しい走りを実現し、最新システムの採用で最高峰の安全性と快適性を持つクルマとなったLS。今回の一部改良によりLSは、レクサスのフラッグシップセダンとしてさらに進化を果たした。