パドレス戦で勝利投手となったメッツのジェイコブ・デグロム【写真:Getty Images】

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デグロムは6回を2失点にまとめて勝利投手に

■メッツ 7ー3 パドレス(ワイルドカード・日本時間9日・ニューヨーク)

 メッツ対パドレスのワイルドカード(WC)シリーズ第2戦が8日(日本時間9日)、メッツの本拠地シティ・フィールドで行われ、ダルビッシュの好投に阻まれて1戦目を落としたメッツが7-3で快勝。1勝1敗として逆王手をかけた。

 メッツの先発は2度のサイ・ヤング賞を手にするジェイコブ・デグロム。初回の立ち上がりから100マイル(約160.9キロ)の快速球を主体に相手打線を攻めたが、本調子ではなく、3回には8番グリシャムに2試合連続となるソロ本塁打を浴び、5回は1死二塁から1番プロファーに右翼線二塁打を許し、2度同点に追い付かれた。しかし、中盤からは配球を変えて粘投。負ければ敗戦が決まる戦いで右腕は勝機をもたらした。

 デグロムは序盤まで最速101.8マイル(約163.8キロ)の直球を主体に組み立てた。1回から3回までに投じた全52球中37球(約71%)が直球だった。

 しかし、4回からは配球を一転。降板する6回までの47球で直球は15球(約32%)に激減。スライダーとチェンジアップを織り交ぜた変化球主体の投球に切り替えた。

5回2死一、三塁でマチャドをスライダー攻めで三振斬り

 秀逸だったのは5回2死一、三塁のピンチで対峙した主砲マチャドとの勝負。4球連続のスライダーで空振りの三振に仕留めた。その場面での考えを問われたデグロムはこうふり返った。

「(前の2打席で)彼のスイング軌道を読んだということかな。外に逃げる球を追いかけさせれば、そのイニングを(三振で)終えられることができるだろうと思ったから」

 1、2打席ともに160キロを超える直球で空振り三振に仕留めた相手から、デグロムは真逆の配球で3打席連続三振を奪って見せた。

 メッツのショーウォルター監督は7回から守護神ディアスを投入。その裏の攻撃で打線がつながり一挙4得点。8回もディアスを続投させ、2死一塁で3番手につなぐ執念の采配を振った。

 明日9日(同10日)の第3戦に勝利したほうがドジャースの待つ地区シリーズへと駒を進めることになる。(木崎英夫 / Hideo Kizaki)