自分の代で家が途絶える……婿を取るべき?申し訳なく思うママに届いたアドバイスとは1

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婚姻率の低下や少子化が進み、「家を継ぐこと」が困難な状況の人は少なくないのではないでしょうか。ママスタコミュニティに、こんな投稿がありました。

『自分の代で家が途絶える人、後悔してる? 私は一人娘で「婿を取れ」と言われて育ったけど嫁に出てしまった。子どもはいるけれど、旧姓の名前は私で終わり。血筋で考えれば絶やしてはいないけれど、先祖に申し訳ないなと思ってる。墓も継げないし、墓じまいか永代供養を考えてる。子どもが守ってくれたら助かるけど』


実は筆者も、同じような問題に直面しています。同じ姓の親戚はおらず、筆者と妹はどちらも長男に嫁いでしまいました。このまま誰も継がなければ旧姓は絶えてしまいます。投稿者さんの状況が他人事とは思えません……。

さてママスタコミュニティのママたちはどう考えているのでしょうか。

なんとなく申し訳ない気持ちに……正直悩んでます

「家を継ぐ」という言葉には、姓だけでなく、お墓や家などさまざまなものが含まれます。

『悩んでる……。嫁に行ったけど後から変えられないのかな。お墓を継ぐか悩んでたら津波で流されちゃって、もっと悩んでる……』


『投稿者さんじゃないけど私も最後。親は3姉妹、私の母は出戻りで旧姓に戻って、一人っ子の私が最後だった。その私も嫁に行ったから今は母親のみ。普通の家系で継ぐものなんて何もないし、どれくらいこの名前が続いてるのかもわからないんだけど、「私で最後だったんだ」と思うとなんとなく申し訳なくなるんだよね』


「自分で絶やしてしまった」という後ろめたさが残りますよね。投稿者さんも共感しています。

『そうなの。田舎で不便なのが嫌で、県内で大きな市に新居を構えた。なので実家はもう継がないし、私が死ぬ前にどうにかしなきゃいけない。だけど「家を建てずに実家に住んで、名字は違うけど守っていく方法もあったのに申し訳ないな」とか、最後の代だからこそいろいろと考えてしまうんだよな。

跡継ぎって罪作りだよね。好きなように生きるのに後ろめたさを感じたり足枷になったりするなんてさ。立派な家系ならまだしも普通の家だから、余計にそう感じる』


結婚するまで慣れ親しんだ姓が途絶えるのはやはり寂しいですよね。そして家や墓が守る人がおらず荒れ果てていくのは忍びないものです。そうなると自分がこの世を去る前には実家を取り壊して、永代供養や墓じまいを検討しなければいけませんが、決して気楽にできることではありません。好き好んで「跡継ぎ」として生まれたわけではありませんが、責任を感じて申し訳なくなりますよね……。

ご先祖様はわかってくれる!生きている人のほうが大事

悩む投稿者さんに、「後悔する必要はない」と断言するママたちもいました。

『そんなことでご先祖は怒らないよ。投稿者さんの家族が幸せであれば。遺伝子が受け継がれてるのも素晴らしいことだし。継ぐとか継がないとかが重要なのは、田んぼや畑を耕して年貢や自分たちの食糧をまかなわないといけなかった時代の名残りだよ』


『うちも私が嫁に行ったから途絶える。旦那は田舎の長男だけど、私が姉妹産んだから、2人とも嫁に行ったら途絶える。だけど亡くなったご先祖様より、今生きている人の人生を大切にするべきだと思うから、娘たちには気にするなと伝えたい』


『家も墓もそのとき必要な人が建ててるだけだから、今生きている人が好きなようにしたらいいよ。ご先祖様も「まぁできれば? 家や墓を大事にしてくれたら嬉しいけどー、次代の足枷にはなりたくないなぁー」と思ってるはず』


ご先祖様がそれくらい軽いノリだと、こちらも気が楽ですね(笑)。家を気にするあまり、生きている人たちの生活が息苦しくなってしまうのは、ご先祖様だって喜ばないでしょう。

わが子に迷惑をかけたくない



一方、”ご先祖様”よりも”わが子”のために「家を継ぐこと」にはこだわらないママたちも。家を継ぐと何かと大変とわかっているからこそ、わが子に負担をかけたくないと思ってしまうのかもしれません。

『子どもには子どもの人生があるから。そちらを尊重する』


『死んじゃえば何もわかんないからさー。子どもには将来負担かけたくないから、墓関連は全て無くしてから死にたいとは思ってる』


「子どもには子どもの人生がある」「死んじゃえば何もわからない」……なんとも清々しいお言葉。ご先祖様のため、親のため、子どものため、そして自分のため……何がベストな選択なのか、さまざまな視点から考える必要がありそうです。

「できることをやっておく」という思いを大切にしよう

家が絶えても後悔はなく、お寺とのやり取りをしながら両親の法事などを執り行っているママから投稿者さんに質問がありました。

『私は後悔はしてないよ。うちは両親が亡くなったし、私がお寺と連絡を取って法事はしてる。お墓もそうだけど、お仏壇どうしてる? 永代供養も高そうだよね』


『仏壇は空き家にあるから、寺に頼んで位牌を預かってもらってた。ご本尊様だけ安置して、ペットボトルの水と果物の缶詰を供えてた。田舎だから永代供養は30万円くらいだけど、墓じまい費用が高そう』


投稿者さんも、お寺とのやりとりはちゃんとしているのですね。永代供養や墓じまいの費用は、宗派や地域などで相場が異なるため一概には言えませんが、ある程度まとまった金額が必要にはなりそうです。それでも何らかの形をとっておいたほうが、ご先祖様だけでなく生きている人の心にも安息が訪れるのではないでしょうか。

家が絶えてしまうのは最後になった人だけの責任ではないでしょう。さまざまな事情があってのことですから、「自分ができることをやっておこう」という気持ちと行動があれば、ご先祖様も理解してくれるはずです。

いずれにせよ誰もがいつかはこの世を去るのです。実家・土地・お墓……誰のためにどう残すのか・残さないのか、後悔のないようにしたいですね。

文・千永美 編集・秋澄乃 イラスト・よし田