【私のお茶セット】俳優・文筆家・映像作家の小川紗良さん&画家の塩谷歩波さん

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お茶をはじめてみようと思う。毎日使うものだから、道具は気軽で、でも飽きないものがいい。茶器に茶葉、合わせるお菓子まで、お茶好きが教えてくれた“MY定番”。

俳優・文筆家・映像作家の小川紗良さん(右)と画家の塩谷歩波さん(左)は、お茶を飲みながら、お茶について語り合うのが大好きな茶飲み友だち。出会いは、塩谷さんの著書『銭湯図解』がドラマ化された折、小川さんが塩谷さんをモデルにした主人公を演じたこと。以来、お互いの家を行き来する「お茶フレ」になったそう。塩谷さんが小川さんを連れてきたかったという、西荻窪の日本茶スタンド〈Satén japanese tea〉にておしゃべり。

左・塩谷さん「打ち解けてリラックスするためにお茶がある」、右・小川さん「私はたぶんお茶という「場」が好きなんだと思う」。<Satén japanese tea>ではシングルオリジン(単一農園)の茶葉を使っている。塩谷さん「実は私、この店で働きたいくらい、好きなんです。お茶も、店の雰囲気も」

【PROFILE】画家 塩谷歩波 えんや・ほなみ/1990年生まれ。建築図法を取り入れた銭湯のイラスト「銭湯図解」をSNSで発表し好評を得る。同名の著書も発売中。サウナーでもある。

俳優・文筆家・映像作家 小川紗良さん おがわ・さら/1996年東京都生まれ。昨年、映画『海辺の金魚』が公開され、同名の小説も上梓。主演映画『ファンタスマゴリー』が10月1日より公開予定。

塩谷歩波(以下、塩谷):『会うといっつもお茶の話になるよね。』

小川紗良(以下、小川):『まずは最新のお茶情報の交換から(笑)。』

塩谷:『このお茶がおいしかった、こんな器があった、そんな話。』

小川:『やっぱりお茶は奥が深い。中国や台湾や、世界中にさまざまあるのはもちろんだけど、日本だけでも地域ごとに多種多様あるから。』

塩谷:『だから私、旅に行くとその土地にしかないお茶を買うのが好き。家に帰ってそれを飲むと、そのときの旅を思い出すことができるし。』

小川:『私もそう。茶器も買っちゃう。前に鹿児島で買った黒い湯呑みは、桜島の火山灰を釉ゆう薬やくに使ったもので、それで飲む鹿児島のお茶は味わいが全然違うと感激したもん。』

塩谷:『お茶って、お茶がとれたその土地で作った器でいただくのが理想だと思う。できればお水も。そこに凝り出すと、底知れぬ沼が(笑)。私はすでに踏み入ってしまったけれど。やっぱりこのご時世になったからというのは大きかった、私は。家にいることが多くなり、お茶に目覚めて。』

小川:『私はもともと、脚本や小説を執筆するときはいつも喫茶店だったのね。昔から家で宿題ができないタイプだから(笑)。大学生のときも、授業を抜け出して学校の近所の喫茶店で書いていたし。だから、私にとって喫茶店は「作業場」で、お茶はそのおとも。コーヒーも好きだけど、書き始めると長時間になるので、お茶を頼むことが多くなって。自然とお茶の種類を覚え、このお店はこのお茶がおいしい、と知るようになった。そして、お茶を自分でも淹れるようになったのは、歩波さんと同じで、コロナの影響。外へ行けないのなら、自分の家を喫茶店にしてしまおうと。そこからどんどん。』

塩谷:『後戻りできなくなり(笑)。』

小川:『でも、だからこそ、たまに外で飲むと、人に淹れてもらったお茶ってなんでこんなにおいしいんだろうって、すごく思う。」

塩谷:「お茶の基本は、「おもてなし」なんですよね。例えば、茶室。お客さんに合わせ、茶葉も変えるし、器や掛け軸も変える。以前、知り合いの茶人さんのお茶会に呼ばれたとき、私のためにと、銭湯のイメージでもてなしてくれて。うれしかった。だから、紗良さんがうちに来れば、紗良さんのイメージでお茶をそろえ、お花を飾る。」

小川:『私は、歩波さんが好きそうなお菓子を選んで持って行く。』

塩谷:『そして、茶飲み話を延々と。』

小川:『私はたぶん、お茶という「場」が好きなんだと思うなあ。』

塩谷:『でもそれも含めて「お茶」。打ち解けてリラックスするための行為。銭湯と似てるかもね(笑)。』

ENYA' S FAVORITE

塩谷さん愛用のやかんは〈東屋〉の「銅之薬缶」。急須は茶葉によって変えるが、中国茶のときは母が買ってくれた鉄急須をよく使う。茶こぼし用の箱は西荻窪の〈サウスアベニュー〉で購入。お茶は〈リトルワンダーズ〉のハーブティー、〈ティーポンド〉の紅茶〈サウスアベニュー〉の中国茶を愛飲。水は天然アルカリ温泉水「財寶温泉」を使用。

OGAWA' S FAVORITE

ゆかりのある鹿児島県阿久根市の観光大使を務める小川さんは鹿児島産の陶磁器やお茶を愛用。湯呑みは鹿児島の陶磁器ブランド「ONE KILN」、阿久根市の鳥、イソヒヨドリが描かれた豆皿は陶磁器作家・城雅典氏の作品。ティーポットは古道具屋で500円で購入。鹿児島の人気茶店〈すすむ屋茶店〉のほうじ茶と煎茶を愛飲。〈ルピシア〉のフレーバーティーも好き。

〈Satén japanese tea〉住所:東京都杉並区松庵3丁目25-9 ロアジール松庵│地図TEL:03-6754-8866営業時間:10:00〜19:00定休日:無https://saten.jp/

photo : Takahiro Idenoshita text : Izumi Karashima hair & make : Mutsumi Yazawa (Sweets / Sara Ogawa)