2006年上半期(1月から6月)の14歳以上20歳未満の少年非行と犯罪被害の情勢は、検挙人員が10年前に比べると大幅に減少した一方で、児童虐待事件が増加傾向にあるなど、少年の非行防止・保護の両面で予断を許さない状況にあることが、警察庁が先ごろ発表した「少年非行等の概要」で明らかになった。

 同概要によれば、06年上半期の刑法犯少年の検挙人員は、前年同期に比べ14.7%減の5万96人となり、10年前の7万723人に比べると約3割の大幅減となった。また、成人を含めた刑法犯総検挙人員に占める少年の割合は27.7%で、上半期の記録の残る1979年以降最低となった。

 6月に奈良県で起きた男子高校生による放火殺人事件など、上半期の少年による凶悪犯の検挙人員は、03年の1104人をピークに1000人以下で推移。罪種別では、殺人事件29人(前年同期比9.4%減)、強盗510人(同13.6%減)、放火46人(同4.2%減)、強姦45人(同30.8%減)といずれも減少した。

 また、2月に滋賀県の幼稚園の女児2人が登園付き添い中の中国籍の女性に刃物で殺害された事件や、5月に秋田県で起きた小学生男児殺人事件など、少年が被害者となった刑法犯の認知件数も、02年をピークに減少傾向にある。06年上半期は13万8369件で、前年同期比5.5%減であった。このうち凶悪犯被害は690件(同14.0%減)、粗暴犯被害は8,030件(同7.2%減)、窃盗犯被害は11万6344件(同5.3%減)といずれも減少したが、依然として高水準で推移している。

 さらに、児童に対する、心理的・身体的・性的などの虐待事件における過去6年間の上半期の推移をみると、検挙件数、検挙人員、被害児童数のいずれも増加傾向にあることが分かった。06年上半期の検挙件数は120件(前年同期比14.3%増)、検挙人員は131人(同12.9%増)、被害児童数は128人(同18.5%増)と、いずれも前年に比べて増加。また、死亡児童数も28人(同27.3%増)と増加した。【了】■関連リンク
警察庁(少年非行等の概要)