高齢の祖母が運転_出力_004

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前回からの続き。最近の話です。70歳になる祖母が、自宅の敷地内で運転を誤って車のドアガラスを割ってしまいました。前から祖母に「そろそろ運転をやめてほしい」と訴えていた母は、この事故をきっかけに運転をやめさせるつもりです。でも祖母は、お出かけや友人たちと会うことが大好き。しかも車は祖母が自分のお金で買ったもの。祖母とカーシェアリングさせてもらっている母の言うことを、祖母が素直に聞くとは思えません。さらに、私にはもうひとつ心配がありました。感染症拡大の影響で緊急事態宣言が出された頃、祖母も友人たちと会うことができず、通院も制限され、自宅に籠っていました。そのときの様子が脳裏から離れないのです。

感染症が少し収まってきたころ、待ちかねていた祖母はマスク姿で意気揚々とお出かけするようになりました。ここで運転を取り上げて、お出かけの機会を奪ってしまったら、またあんな魂の抜けたような姿になってしまうのでは……もしかして認知症とか……。私は悶々と悩んでしまいました。事故があった後、しばらく祖母は運転を控えていたようです。しかし……



実は、母も夫を亡くしているシングル。生活にそんなに余裕があるわけでもありません。それから私は、なるべくまめに祖母の家に遊びに行くようにしました。これからゆっくり説得できればと思います。

後編へ続く。

脚本・千永美 作画・べるこ 編集・秋澄乃