101_義父母(父母)_マメ美 (1)

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前回からの続き。3年ぶりに帰省した義実家で、中学のときのいじめが原因で不登校になった甥っ子が、現在も高校に行っていないと分かった投稿者さん夫婦。「このままではいけない」と心配するあまり、甥っ子の親であるお義兄さんと口論になったそう。不登校である甥っ子を肯定する義兄夫婦、さらにその義兄夫婦の行動を褒めるかのような態度を示す義両親にも違和感を覚えています。

そんな投稿者さんに対し、ママスタコミュニティに集まったママたちから寄せられたのは「何も知らない人が知ったような口ぶりで話すな」という辛辣なコメントの数々でした。「分からない」から心配になる気持ちは分かりますが、「分からないからこそ」寄り添ってあげる気持ちが大切なのかもしれませんね。

何も知らない人が「このままではいけない」なんて言わないで

『義両親に同意。親の方がしんどかったりするし、家庭崩壊して離婚したりすることもある。夫婦で意見を揃えて見守るって完璧だよ。凄いよ』


『不登校になる子どもを見守る親がどんなにつらいか。外の人間は心配という正義感で一般常識に当てはめ、勝手なことを言います。3年間顔を出していない投稿者さんは、その間義兄家族がどれだけ悩み、苦しんだか考えたでしょうか? ご両親は義兄家族をちゃんと見ていた、良いご両親ですね。いじめや不登校の問題は繊細です。責めるのではなく、理解し応援してあげてほしいです』


子どもが不登校になったときの親の負担は相当なものでしょう。はたから見ているだけでは分からない苦しみがあったと想像することができます。にもかかわらず、一方的に正論をかざして責めるのは「心配している」と言いつつも、相手のことを思った行為ではなく、自分の意見を押しつけているだけかもしれません。義兄夫婦は苦しい状況のなかでも足並みを揃えて、子どもを「見守る」という決断を下しました。その姿をずっと見守り続けた義両親だからこそ、義兄夫婦の考えを受け入れているのです。

義両親は「褒めている」のではなく「尊重」しているだけ

『褒めてるというか尊重してるんでしょう。お前に言われなくても分かってる、って義兄は言ってるじゃん。心配するのは分かるけど口出ししないであげてよ』


『投稿者さんや旦那さんが思っているようなことは、義家族たちはとうの昔にぶち当たってたと思うよ。押してもダメだとなって今の境地に立っている。あなたたちに知られる前にたくさんの困難にぶつかって答えが出せなくて、形を変えていったんだと思う。それを労う義両親の態度がおかしいとは思わない』


『義両親は褒めたのではなく「こういう状況だから静かに見守ってる。だからあなたたちは口出さないで」と言ってるんだよ』


義両親が義兄夫婦の考えを「褒めた」と表現した投稿者さん。その「褒めた」というのは「これが正解」という意味の「褒め」ではなく、経緯を見守ってきたからこそ、義兄夫婦が出した結論を尊重し、労いの意味を込めて「褒め」たのでは? とママたちは言います。しっかりお子さんに寄り添って「今はゆっくり休んで今後の道を探せばいい」と腹をくくった義兄夫婦や義両親。なかなかできる決断ではありません。

学校に行けない時期があってもいいじゃない

『逃げ道を作ってあげるのもやり方だと思う。将来苦労するかもしれないけれど、危機感がないのとは違うと思う。誰よりも理解してほしい、わかってほしい親が見守ってくれるなかで将来を考えるのもいいんじゃないかな?』


ママたちは「学校に行けない時期があってもいい」とエールを贈ります。どんな子であって、つまずくことはあるでしょう。そのまま歩き出せる子もいれば、しばらくその場にとどまる子もいるはずです。そんなとき、一番の理解者である親が自分の気持ちをしっかり理解し、サポートしてくれる環境を整えてくれている。それは子どもにとって何よりも心強いことでしょう。いつか再び外の世界に出ていくパワーを溜めながら、今はゆっくり自分の人生について見つめ直す時間であっても良いのではないでしょうか。

『子どもの命が一番大事。何もしない、何もできない外野が何も言わないほうがいい』


義兄夫婦は、何よりも甥っ子さん自身を優先しました。何も知らない投稿者さん夫婦は、口を出さずに陰ながら見守っていてあげて欲しいですね。

『思ってるより人生って長い。今は中卒でも、何年かかってでも高卒大卒になれる、人と同じでなくていい』


子育てをしていると、どうしても「周りと同じ」を意識してしまいがちです。しかし本当に大切なのは、目の前にいる子どもです。「その子」にとって何が最善の方法かを一緒に模索することが、「子育て」なのではないでしょうか。まだまだ甥っ子さんの人生は長いです。どうか焦らず、自分に合った道を見つけてもらいたいですよね。甥っ子さんの未来が輝かしいものになりますように、祈っています。

文・渡辺多絵 編集・すずらん イラスト・マメ美