456_ママ友_よし田

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親子であっても夫婦であっても、日々の会話で相手を傷つけてしまわないように気をつけているママは少なくないでしょう。ましてや他人との会話であれば、なおのこと。思わず出た一言で相手が不快にならないように……と心掛けている人も多いのではないでしょうか。

今回ママスタコミュニティに寄せられた投稿は、会話のなかでよく使われがちな一言についての相談です。

「私は無理」の本意はどこに?

『わが子がしょっちゅう、遠いところにある友達の家に遊びに行きます。向こうのお母さんが運転できないから、「来てくれると助かる」と言われるし、私も送迎は面倒じゃないから普通に送迎していました。その話を別のママにしたら「私は無理だわ。よくやれるね」って言われてしまって……』


投稿者さんはママ友からの「私は無理だわ」を「最初はすごいね! って意味だと捉えていた」と言います。

それが次第に「男の子を育てるなんて私は無理だわ、とか、ほかにもいろいろと言われているうちに、だんだん見下されてるような気分になってきて……」と気持ちに変化が生まれてきたんだとか。同時にそう捉える自分はひねくれているのかな? と不安に感じて、「皆さんはどう受け止めますか?」と質問を投げかけました。

会話のなかでよく聞く「私は無理」の一言。皆さんは普段、どのような意図で使っているでしょうか。

「すごい」「偉い!」の意味で使っています

『私は、自分にはできないことができてすごい! って意味で使ってた』


『私にはできない、という意味で自分を卑下して使っているんじゃない?』


投稿者さんが当初感じていたように、「すごいね。偉いね」の意で使っているのでは? と推測するママたちです。「自分にはできないこと=すごいこと」という意味のようですね。あくまでも相手を尊敬、評価する気持ちで使っています。

けれど、そんな「相手を評価して」使っていると感じる人はごくごく少数派。大半のママ達はこう考えるようで?

「そんなことよくやるね」と呆れられてる?

『「へーよくやるね、そんな面倒なこと」ってニュアンスじゃない?』


『私だったらしない、やらない、やりたくない、軽蔑、気がしれない、ということだと思う』


相手の行動や言動に呆れているときに使う言葉、と定義しているようですね。

自分が使わないまでも、言われたときの心情についてのコメントもありました。

『好意的な言葉ではないよね』


『嫌味ったらしく聞こえるよね』


『「私には無理」って「私は絶対そんなの嫌だ」って聞こえるよね』


いずれも相手に否定された、と感じる人が多いようです。投稿者さんが、次第に「見下されているような気分になってきた」というのも自然な変化と言えそうです。

言われて嫌だった経験をもつママも

実際に「私には無理」と言われて傷ついた経験をもつママたちもいます。

『嫌いな言葉。双子を育ててる間に何度も言われた。選んで双子なわけでもないし、どうしろと? と思ってた』


『うちは子どもが4人いるんだけど「えーっ! 4人ー? 私は無理ー」って言われたときは、何とも言えない気持ちになったわ』


『子どもがアレルギー体質でいろんなものを除去してるときに「私には無理」って言われてモヤモヤした。やりたくてやってんじゃないんだよ! やらなきゃ生きていけないんだよ! って叫びたかった』


発した側は「私には器量がなくて、そんな大変な育児は無理」の意だったのかもしれません。けれど受け止めた側がモヤモヤしたり、叫びたいほど立腹したりしたのであれば、残念ながら本来の意図が伝わっていないことになります。むしろまったく逆の意味になってしまいますよね。

前後の文脈・ニュアンスで判断する?

同じ「私は無理だわ」の一言でも、その前後の文脈や普段の相手の言動によって受け止め方も違うようです。

『その人の普段の言動を見てれば、尊敬の念で言ってるのか、小馬鹿にして言ってるのか判断つくんじゃない?』


日ごろの相手との関係によって、否定的な意味かそうではないか、自然とわかるはずということのようです。

『文脈とニュアンスによる』


『表情とか声のトーンとかにもよると思うけれど』


相手が本当に感心して言ったのか、呆れて言っているのか……。それも会話の流れや相手の表情などで判断できるというわけです。

なかには条件次第で感じ方も変わる、と考える人もいます。

『物事によるかな。たとえば、「男の子(女の子)3人? 私には無理! すごーい」はイラっとするけど、「◯◯大学出てるの? 私には無理! すごーい」だったらイラっとしない』


あくまでも個人の見解ですが、内容によっては受け止め方も違うようです。

受け止め方は千差万別。言葉の使い方は慎重に

『私は「本当にすごいな、尊敬するな」と思って言ってたけど、言わない方が良いのかな。勉強になりました』


『本心から誉めてるのなら、言葉のチョイスが悪いよね。「凄いね。尊敬する」って素直な言い回しをすればいいだけなのに』


「私は無理」という言葉を使わずとも相手に尊敬の念を伝えることはできますよね。

『良いように捉えたもん勝ち。いちいち嫌味だと捉えるのは自分がしんどくなるからさ』


『嫌味だと感じてもスルーして、心の中で「私はあなたと違って活動的なんだよねー」と思えば良いよ』


たしかに相手の言葉にいちいち目くじらを立てていては大変です。自分の都合の良いように解釈して「褒められたのね」くらいの大らかな気持ちでいられれば、気持ちもラクになりそうです。

「無理」とは「1.道理のないこと。理由のたたないこと」「2.強いて行うこと」「3.行いにくいこと。するのが困難なこと」が本来の意味。文字通り受け止めれば、「私には無理=私にはできない」となるでしょう。けれど今回のコメントをみる限り、その受け止め方は千差万別であることが分かります。

相手を褒めるのであれば、「私は無理」とは違った言葉で表現することもできるはず。また使うのであれば「私には無理だけど、すごいわ」などと一言添えるだけでも相手に与える心象は違います。使い方を間違えると相手を傷つけてしまうかもしれない、と知っておくのも大切ですね。

参考:広辞苑「無理」

文・すずらん 編集・千永美 イラスト・よし田