世界卓球に「北朝鮮を招待したい」と韓国。その真意は?

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「北朝鮮が来るならリ・プニも招待したい」

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9月22日午前、釜山(プサン)広域市・海雲台(ヘウンデ)区のウェスティン朝鮮釜山ホテルで行われた「2024釜山世界卓球選手権大会組織委員会創立総会及び発足式」。

同日、首席副委員長に選任された韓国馬事会卓球チーム監督兼釜山広報大使のヒョン・ジョンファは、発足式後にメディアに対してこのような希望を明かした。

ヒョン・ジョンファは今から約31年前の1991年、日本の千葉県で行われた世界卓球で北朝鮮のリ・プニらとともに「南北合同チーム」で出場。女子団体戦優勝を成し遂げた当時の主役の一人だ。

ちなみに、彼女たちの実話を基にした作品として、ヒョン・ジョンファ役を女優ハ・ジウォン、リ・プニ役を女優ペ・ドゥナが演じた2012年公開の映画『ハナ 奇跡の46日間』がある。

「政治的なアプローチより…」

 

2024年に釜山で行われる世界卓球は、同年2月16日から25日までの10日間、釜山BEXCOで開催される。世界男女各40チーム、約2000人の選手及び関係者が参加する予定であり、団体戦が行われる。

現在の南北関係上、北朝鮮の参加は不透明だ。特に国際オリンピック委員会(IOC)は、北朝鮮が昨年夏の東京五輪の不参加を一方的に決定したという理由で、今年末まで重い懲戒を下している。

1991年世界卓球当時のヒョン・ジョンファ(左)、リ・プニ(右)

ヒョン・ジョンファは北朝鮮の出場について、「政府側でもドアを叩いてみてほしい。対話のチャンネルが遮断されて容易ではない」としながらも、「私が南北合同チームの象徴であるだけに、文化体育観光部や統一部の国会議員数人が動いてくれれば可能ではないか」と希望を見出した。

続けて、「2018年平昌冬季五輪もそうだったではないか。政治的にアプローチするというより、スポーツであれば可能だ。合同チームが突然組まれることはない。仮に参加するだけだとしても意味があるだろう。そのときはリ・プニも招待したい」と伝えた。

この日、釜山広域市のパク・ヒョンジュン市長とともに共同委員長に選ばれた韓国卓球協会のユ・スンミン会長も、「大会スローガンのように“One Table, One World”になってほしい」という願いを示していた。

「2024釜山世界卓球選手権大会組織委員会創立総会及び発足式」の集合写真

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大以降、国際大会から姿を消した北朝鮮だが、韓国開催の世界卓球に参加することはあるのだろうか。韓国側のアプローチと北朝鮮側の判断を今後も注視したいところだ。