UNIVERSITY of CREATIVITY(UoC)の近藤ヒデノリ(Hide)と平井美紗(Misa)がお届けするinterfmの番組「UoC Mandala Radio」。クリエイターに“ワクワクする社会創造の「種」を聞く”というテーマで、毎回さまざまな領域で社会創造をおこなっているゲストを招き、未来に向けた創造やアクションについて語らいます。

9月14日(水)の放送では、共生革命家のソーヤー海さんがゲストに登場。パーマカルチャーの解説や、活動を通じて伝えたいことについて語ってくれました。

(左から)Hide、ソーヤー海さん(モニター画面内)、Misa


ソーヤー海さんは、東京アーバンパーマカルチャーの創始者で、地球環境や社会を持続可能なものにするため、多方面で活動。世界の最新情報やスキルを学び、パーマカルチャー、非暴力コミュニケーション、禅などの体験型ワークショップをおこない、ソーヤーさん自身が自然と遊びながら暮らすことを実践して広めています。

◆ジャングル暮らしで“共生”を学ぶ

Hide:今日はリモート出演ということなんですが、海さん、今どちらでしょうか?

ソーヤー:Wi-Fiのある千葉県の実家です。普段住んでいる「パーマカルチャーと平和道場」はWi-Fiもないし、電波もほとんど繋がらないところです。なので、パソコンに向かってラジオに出演するって不思議な感じです。

Hide:自然のなかだもんね。(千葉県の)いすみ市の道場は2,000坪ぐらいあるんでしたっけ?

ソーヤー:2,700坪の敷地に築150年ぐらいの茅葺(かやぶき)屋根の古民家とか自分で作った小屋とかが建っています。遊んで暮らしている感じですね(笑)。

Hide:いいよね(笑)。肩書が共生革命家で、自然のなかで暮らしているということですが、どんなことをやっているのか、簡単に説明してもらえますか?

ソーヤー:僕は東京生まれでいろいろな都会で育ったんですけど、コスタリカのジャングルで暮らしていたこともあって。今、サステナビリティとかSDGsとか、概念で誰かに“させられている感”があるじゃないですか? 「国連がこれをやっている」とか「会社の方針がこうなりました」みたいな、本当はいいことなのに押し付けられている感じというか。ジャングルにいたときに共生とか色んなもの、ことに繋がっている感じが、概念とかじゃなくて体に入ってきたというか、体感的なものだったんです。

Hide:うんうん。

ソーヤー:当時、僕は猿と一緒に暮らしていたくらいですから。

Misa:猿と(笑)!?

Hide:海君は、カリフォルニアの大学に通ってからのジャングル住まいですもんね。

ソーヤー:(そんな経験があるから)今の社会にちょっと絶望しちゃったんですよね。「これを続けてもいいことあるのかな?」って感じで、“地球と出会い直そう”と思いました。当時、大学で教えていたんですけど、その仕事を辞めてジャングルに飛び込んだんです(笑)。

(自然のなかでの暮らしを)体験してみて気づいたのは、地球で生きるっていうことは、ただ恵みをいただいて循環させればいいってことです。すべての動植物はそれを当たり前にやっているけど、人間だけは違うノリになっちゃったんですよね(笑)。

Hide:自分勝手に儲けに走っているみたいな?

ソーヤー:そうそう。そこから共生の世界観と豊かな循環の暮らしを、自分ができる限り広めていきたくなって。僕は東京生まれだし、自分を日本人だと思っているから、3.11の東日本大震災直後の原発事故の後、「何かいいタネを蒔きたい」という思いで共生の社会を作ろうと思ったんです。言ってみれば革命ですね。

1パーセントをシフトしようとか、エコバッグを買おうっていうノリじゃなくて、「政治も経済も社会も共生に根差したものを作りたい」っていうパッションがあるんです。あとは、「肩書が革命家って面白くない?」って思って周りに言っていたら、みんなもそのように言ってくれるから「いけちゃうんだ?」って(笑)。

Hide:海君には必ずユーモアが入るのがいいんだよね(笑)。

ソーヤー:ユーモアがなかったらやっていけないです(笑)。

◆パーマカルチャーとは何か?

Hide:パーマカルチャーを知らない方も多いと思うので、ざっくり海君から紹介してもらってもいいですか?

ソーヤー:一番短く説明すると「生かし合う関係性」です。コスタリカのジャングルに住んでいたときもそうだったんですけど、全部が生かし合っているんですよね。たとえば僕が 便をするとそれが土になって、バナナの木がそこから栄養を吸い上げて、そしてバナナができて、そのバナナを僕が食べるという循環が起きています。

そこにはゴミがないんですよね。すべてが循環している。やっぱり、地球はそういう循環があるからこそ、すごく豊かな星なんですよね。人間なんか、お金を発明したのは最近ですからね。昔は豊かな星で、(貨幣は不要で)タダで暮らせたはずですよね(笑)。

パーマカルチャーは、そういう循環を取り入れた暮らしのデザインなんです。どうすれば循環をうまく取り入れて、すべての要素や自分も生かして暮らしていけるか。パーマカルチャーはオーストラリアで1970年ぐらいに始まった運動で、今では世界中で広がっています。形があるわけじゃないので、どこででもできるんですよね。

Misa:うんうん。

ソーヤー:循環が起きて豊かになって、余裕が増えるっていうのがポイントです。循環していると働く必要がなくなります。なぜなら、原生林は誰も管理しているわけじゃないですからね。勝手に豊かになっていく星のシステムのなかで自分たちは生きているんですけど、それを理解しないと壊しちゃうんですよね。

壊すと大変で、お金や化石燃料が必要になってきたりと、常に外から何かを取り入れないと成り立たなくなるっていうのが現代社会。循環を理解して、循環のなかで生きれば、めちゃくちゃ楽になります。出費も減りますしね。うまく循環させると、手を抜けるところが見えてきて、まるでゲームなんです。いかに手を抜いて、余裕を増やしていくか。(ゲームをして)ハンモックで過ごす時間を増やしていくみたいな感じでしょうか(笑)。

Misa:(笑)。

◆愛は社会創造の原動力になる

Misa:海さんにとって、ワクワクする社会創造のタネって何ですか?

ソーヤー:「地球に恋すること」ですね。

Hide:なるほど(笑)。

ソーヤー:「Sense of wonder」。ロジックや左脳を超えて、「夕日を見てなんて美しいんだ!」みたいな。

誰かに恋をしたときって、その人のことしか考えられないですよね。スケジュールも魔法のように変えられるようになる。

Misa:(笑)。

ソーヤー:僕はモットーとして「Moved by love」、愛に動かされるっていう表現をよく使うんですけど、心のなかの愛を自分の原動力にしています。それで物事に取り組むとすごくパワーがみなぎってきますし、酷いことは起きないですし、何よりも自分に忠実でいられるんです。自分のためにもなるし、周りの人のためにもなるから、(ワクワクする社会創造のタネは)それですかね。

Hide:素晴らしいです。

次回9月21日(水)は、UoC主宰でクリエイティブディレクターの市耒健太郎さんがゲストに登場します。お楽しみに!

番組でお届けしたトークは音声サービス「AuDee」 https://audee.jp/voice/show/49781と「Spotify」 https://open.spotify.com/show/6biaO40gUuf4gbI2QhdTsL?si=C2-xOifkQz230V6X514UlAでも配信中。ぜひチェックしてみてください!

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聴取期限 2022年9月22日(木)AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:UoC Mandala Radio
放送日時:毎週水曜23:00-23:30
パーソナリティ:近藤ヒデノリ(Hide)、平井美紗(Misa)
番組Webサイト:hhttps://www.interfm.co.jp/mandala