エディンバラ大聖堂に向かうエリザベス女王の遺体(写真:ロイター/アフロ)

 韓国の尹錫悦大統領は、9月18〜24日まで、英国、米国、カナダを初訪問する。英国の故エリザベス女王の国葬に参列してから、ニューヨークで開かれる国連総会で基調演説をおこなう予定だ。歴訪には金建希夫人も同行する。9月12日、韓国大統領府が明らかにした。

「エリザベス女王の国葬は9月19日、ロンドン中心部のウェストミンスター寺院で営まれます。

 女王の国葬には、アメリカのバイデン大統領、ドイツのシュタインマイヤー大統領、イタリアのマッタレッラ大統領、ブラジルのボルソナロ大統領、さらに天皇皇后両陛下らが参列する予定です。

 英国のトラス新首相はもちろん、各国の首脳と接触を図ることができ、『弔問外交』には絶好の機会でしょう。

 一方、安倍元首相の国葬は、女王の国葬の8日後の27日、日本武道館で開かれます。20〜26日に国連総会が開かれることもあり、安倍元首相の国葬にG7の首脳級で来日するのはカナダのトルドー首相のみです。安倍元首相と親密だったトランプ前大統領も参列しない方向です。

 岸田文雄首相は、安倍元首相の国葬を実施する理由のひとつに、『弔問外交』で各国との結びつきを強めるという大義名分を掲げてきました。しかし、エリザベス女王の国葬と比較すると、どうしても見劣りしてしまいます。

 ちなみに、ウェストミンスター寺院は、11世紀以来、イギリス国王の戴冠式ならびに埋葬式がおこなわれてきた伝統ある聖堂ですから、日本武道館と比べれば、テレビ映えも段違いと言わざるを得ません」(政治部記者)

 こうした状況を受け、ネット上では、安倍元首相の国葬について、開催意義を疑問視する声が多くあがっている。

《エリザベス女王が崩御され、そちらの国葬の方に世界中の要人が参加する事に成って、唯一の大義名分であった弔問外交も有名無実化してしまった》

《「弔問外交」したいなら安倍の国葬やめて、みんなでエリザベス女王の国葬に参列したほうが国家元首級が集まるんじゃない?》

《現役首脳の参列が少ない安倍氏国葬が見劣りするのは必至、内閣自民党葬にしとけばよかったのに》

 9月13日、岸田首相は、国連総会に出席する意向を明らかにした。安倍元首相の国葬開催理由に掲げた「弔問外交」の意味合いはますます薄れ、首相の面目も丸つぶれとなりそうだ。