UNIVERSITY of CREATIVITY(UoC)共同編集長の近藤ヒデノリ(Hide)と平井美紗(Misa)がお届けするinterfmの番組「UoC Mandala Radio」。クリエイターに“ワクワクする社会創造の「種」を聞く”というテーマで、毎回さまざまな領域で社会創造をおこなっているゲストを招き、未来に向けた創造やアクションについて語らいます。

8月31日(水)の放送では、サステナブルな暮らしをガイドするWebメディア「ELEMINIST(エレミニスト)」の創設者・深本南(ふかもと・みなみ)さんがゲストに登場。「ELEMINIST」の今後の展望について語っていただきました。

(左から)Misa、深本南さん(タブレット画面)、Hide


深本さんは、環境NGO団体で活動後、ファッション業界へ進み、2020年に編集長兼プロデューサーとして「ELEMINIST」を創設。世界中から最先端の情報を届けるとともに、地球に優しくてデザイン性の高いグッズの販売をおこない、日本の伝統工芸や食の素晴らしさを伝える取り組みも行なっています。

◆憧れの存在は長谷部健

Hide:「ELEMINIST」を立ち上げることになった経緯を教えていただけますか?

深本:元々、私は10歳のときに環境活動家を目指していたんです。(当時)10歳の私ができたことって、街でゴミ拾いをするぐらいでした。そのあとに、リオデジャネイロでセヴァン・カリス=スズキさんが国連でスピーチをしている姿を見て、「どうすれば環境問題について発信することができるのだろうか」という思いを漠然と持ったまま、環境活動家を目指していきたい!という夢だけは思い描いていました。

大学生になって「口では言っているけど、全然行動していないな」って気付いたときに、ボランティア活動に初めて参加したんです。その活動が非常に面白かったんですよ。

Misa:へえー!

深本:「A SEED JAPAN (アシードジャパン)」というNGO団体で、フジロックフェスティバルやサマーソニックといった、音楽フェスのなかでの環境対策ボランティアをやっている団体です。そこでの活動に感動してしまって、理事に姉妹団体という形でやらせてほしいとお願いをして、20歳のときにNGOを立ち上げました。

そこから2、3年ぐらいずっとやっていたんですけど、今よりも環境問題とかゴミ問題とかってマイノリティな存在で、なかなか伝わらない時代だったんですね。学生だったので模索しながらいろんな人と会って話をしていたのですが、そのなかでゴミ問題に関するNPO法人green birdを立ち上げた長谷部健さんと知り合いました。

Hide:長谷部さんは、現在渋谷区長ですね。

深本:そうです。「ソトコト(SDGsマガジン)」の連載で「なんだこの人は!?」と衝撃を受けました(笑)。すぐに電話をしてアポイントを取って、次の日には東京のオフィスに会いに行っていたんですよ。

Hide:すごい行動力。

深本:当時、green birdは表参道などでゴミ拾いをしていたんですけど、大手食品メーカーやファッションブランドといったスポンサーがついていたんです。いろんな大手の方と一緒に社会課題を解決する団体であり、(長谷部さんは)博報堂出身ということもあって、クリエイティビティに長けているんですよね。

彼らの一連の活動を目の当たりにしたときに、自分には環境活動家と呼べるほどのスキルがまったくないと感じて、衝撃を受けました。私にとっては、すごく大きなターニングポイントでしたね。

Hide:それは何歳ぐらいでしたか?

深本:まだ21歳ぐらいでした。NGOを立ち上げて、すぐぐらいのタイミングです。私はエンターテインメントを通して、どうすれば楽しく環境活動について訴えていけるかをメインテーマにしていたんですけども、当時は海外みたいにアーティストパワーがメジャーではない時代だったんですね。

音楽の次にインフルエンス力がある産業はどこかと考えた結果、ファッションが浮かんできました。

Hide:そういう理由でファッション業界に行かれたんですね。ファッションが好きというよりも、影響力で考えたと。

深本:そうなんですよ。長谷部健さんという、私のなかのロールモデルがやっと見つかったこともあり、ファッション業界に入ったあと、クリエイティブの力を使って物事を発信していくことになります。

その後、2015年にSDGsという言葉が国連サミットで採択されて、世の中がサステナビリティでビジネスができる時代がやって来たところで「今の自分に何ができるか」を考えました。

ファッション業界のなかでもIT系というか、Eコマースを専業にやってきていたものですから、アトラクティブに環境問題のことを、みんなに楽しく広めていくプラットフォームを作りたいなと思い、「ELEMINIST」の事業構想を考えました。それからすぐに今の会社(株式会社トラストリッジ)と出会って、新規事業として立ち上げさせてもらいました。

◆フィールドワークに注力していきたい

Hide:僕も「ELEMINIST」で歯磨きとか携帯カバーとか、いろいろ買っているんですよ。

深本:嬉しい! 土に還る素材なんですよね。

Hide:そうですね。セレクトショップとして、「ここで買えば安心」という思いがあります。女性目線でラグジュアリーな部分ってすごく大きいですよね。

深本:「ELEMINIST」を立ち上げて3年目ぐらいになるんですけども、今年からは編集長という枠からは外させていただいて、ファウンダーという形で名前は残しつつ、理想としては一年の半分ぐらいは全国をまわりながら、「本質的な生き方は何か」を見つけていきたいです。現在、「ELEMINIST」としてできていないことは、フィールドワークかなと思っているんですね。

Hide:なるほど。

深本:実際に体験してみる企画をどんどん進めていきたいです。個人の活動としても進めていこうと思っています。

Hide:取材という形ではなく?

深本:取材ってなるとお互いに構えてしまうので(笑)。まずは挨拶をしに行って、人としての繋がりやご縁を得てから、いつかそのステップに進めればいいなと思っています。

◆“怒り”を“楽しさ”に変換していきたい

Misa:それでは最後に、番組恒例の質問をさせてください。深本さんにとってワクワクする社会創造のタネは何ですか?

深本:“怒り”ですかね。私の原動力は10歳のときから現在まで怒りと悲しみでしかなかったんですよね。地球環境をはじめ、いろんな知識を得れば得るほど怒りがこみ上げてくるんです。でも、それを最後にどう楽しく置き換えていくかって考えるんですよ。関西人の気質なんですかね(笑)。

Hide:(笑)。

深本:まずは怒りが最初にくるのですが、真面目にいつも「笑える方法」を考えていて、泣いても笑ってもこれが最後のチャンスという場面であれば、だったら笑って過ごしたいなと思うんです。社会創造もそうですし、自分自身が何かプロダクトやサービスを作るときの原動力が常に怒りだったりするので、私の場合はそれが答えかなと思います。



「ELEMINIST」も参加する、新時代を創るクリエイションを基幹とした祭典「NEW ENERGY TOKYO 2022(ニューエナジー東京)」が、9月8日(木)から9月11日(日)まで開催予定。一般入場できるのは10日(土)と11日(日)の2日間。詳細は公式ホームページをご覧ください。
https://www.new-energy.ooo/ https://www.new-energy.ooo/

次回9月7日(水)は、株式会社ハピキラFACTORY代表取締役の正能茉優さんがゲストに登場します。お楽しみに!

番組でお届けしたトークは音声サービス「AuDee」 https://audee.jp/voice/show/49127と「Spotify」 https://open.spotify.com/show/6biaO40gUuf4gbI2QhdTsL?si=C2-xOifkQz230V6X514UlAでも配信中。ぜひチェックしてみてください!

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聴取期限 2022年9月8日(木)AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:UoC Mandala Radio
放送日時:毎週水曜23:00-23:30
パーソナリティ:近藤ヒデノリ(Hide)、平井美紗(Misa)
番組Webサイト:hhttps://www.interfm.co.jp/mandala