てんかん発作に襲われた母親を救った男児(画像は『The Mirror 2022年8月28日付「Hero boy, 10, saves mum from drowning after she suffered a seizure in water」(Image: Facebook)』のスクリーンショット)

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今月5日、自宅プールで泳いでいたアメリカ在住の女性がてんかん発作に襲われた。女性は苦しみながらも必死に声をあげると近くにいた10歳の息子が異変に気付き、すぐさまプールに飛び込んで溺れかけていた母親を救った。救助の瞬間は自宅の防犯カメラに映っており、「息子が私の命を救ってくれました」と女性がFacebookに動画を公開すると、「男の子は怖かったに違いない。よく頑張ったよ」など称賛の声が届いている。『Fox News』などが伝えた。

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米オクラホマ州在住のローリー・キーニーさん(Lori Keeney)は今月5日に自宅の裏庭にあるプールで泳いでいたのだが、突然てんかん発作に襲われた。当時の様子を設置していた防犯カメラが捉えており、画面右端で見切れてしまっているがローリーさんが何度も仰向けになったり起き上がったりしている様子が映っている。この時点ですでに発作が起こっていたようで、体が言うことをきかないながらもローリーさんは必死に声をあげて助けを求めた。

ローリーさんの声を聞いてすぐさま行動を起こしたのは、息子のギャビン・キーニー君(Gavin Keeney、10)だった。裏庭にいたギャビン君はすぐに異変に気付いて駆けつけると、はしごを登りプールに飛び込んで母親のもとへ向かった。そしてギャビン君は呼吸ができるようにローリーさんの顔を水面に出すように仰向けに抱えると、ゆっくりとはしごの方へ運んだ。

この間、動画には体が硬直したローリーさんの姿が映っており、発作に苦しんでいたことがうかがえる。ギャビン君はローリーさんを抱えたままはしごを登ろうとしたが、1人で運び出すことは難しかった。愛犬も心配そうにはしごを登ろうとしていたところに、ローリーさんの父親が駆けつけた。

ローリーさんの父親は隣の家に住んでおり、犬が激しく吠える声を聞いて駆けつけたという。ローリーさんの父親は急いでプールに入ると、必死にもがくローリーさんを抱きかかえて安心させた。また恐ろしい瞬間に立ち会ってしまったギャビン君も呼び寄せて、3人で抱き合ったところで動画は終わっている。

ギャビン君は当時の状況について「激しい水しぶきと叫び声のようなものが聞こえたのと同時に、溺れているような音も耳にしました。それで音の方を見ると発作に襲われているお母さんがいたので、プールに飛び込んではしごの方へ連れて行きました」と振り返った。

素早い判断でローリーさんを救ったギャビン君だったが、実は今回が初めてのことではなかった。ローリーさんは1年半ほど前に広範囲の頚椎固定術を受けており、「私が食べ物を上手く飲み込むことができず喉に詰まらせてしまった時、ギャビンはハイムリック法(窒息した患者の背後から腹部に手を回し、両腕の拳を上方に圧迫するように突き上げて異物を取り除く応急処置のこと)を試してくれました。しかし『僕には力が足りないよ』とギャビンは911(アメリカの緊急電話番号)に通報してくれました」とローリーさんは明かしている。

「可哀そうなことにギャビンは私の健康問題について色々と対処しなくてはなりませんが、ギャビンは上手くやってくれています」とローリーさんは話しており、ギャビン君は健康問題を起こしやすい母親との生活に慣れ始めていたのだった。

ローリーさんは自身のFacebookアカウントに「自分が発作を起こしている様子をネット上にシェアするのはためらいました。今まで発作を起こしている状態の自分のことも、ギャビンがこのような行動を取ってくれたのも見たことがありませんでした。でも見てください。息子が私の命を救ったのです。これを書いている今も信じられません」と綴り、動画をシェアした。

この動画を見た人からは「なんて素晴らしい男の子なの。涙が出るよ」「とても勇敢な男の子だ」「男の子はお母さんのヒーローだね」「男の子は本当に怖かったに違いない。よく頑張ったよ」などギャビン君に称賛の声が続々と届いている。

画像は『The Mirror 2022年8月28日付「Hero boy, 10, saves mum from drowning after she suffered a seizure in water」(Image: Facebook)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)