ケルヒャー ジャパンは8月23日、家庭用高圧洗浄機「水冷式サイレント」シリーズの新製品を発表しました。最上位モデルの「K5 プレミアム サイレント」、ミドルレンジの「K4 プレミアム サイレント」、エントリーモデルの「K3 サイレント プラス」の3モデルです。価格は、最上位モデルのK5が87,780円、K4が69,080円、K3が37,180円。発売日はいずれも10月1日を予定しています。

写真右から、K5 プレミアム サイレント、K4 プレミアム サイレント、K3 サイレント プラス

○日本独特のニーズにあわせて開発された「水冷サイレント」シリーズ

家庭用の高圧洗浄機では国内トップシェアを持つケルヒャー、なかでも「水冷式サイレント」シリーズは人気があります。それもそのはず、水冷サイレントシリーズは日本の消費者にあわせて日本のために開発されているのです。

ケルヒャーによると、日本の消費者ニーズは世界各国のなかでも独特。「高圧洗浄機を購入する際に気になる事」という調査に対して、一番多かった回答が「高圧洗浄機はうるさい」というものだったそうです。高圧洗浄機の駆動音をここまで気にするのは日本だけ。

こうした日本の市場ニーズにあわせて、ケルヒャーは2008年にジャパンプロジェクトとして日本向けの製品開発をスタート。翌年2009年から、水冷サイレントシリーズを発売しました。

ケルヒャーが2019年に行ったアンケート調査。「高圧洗浄機を購入する際に気になる事」は、第1位が騒音。3位の「近隣へ水はねで迷惑をかけてしまう」とあわせて、近隣トラブルを気にする内容です

水冷サイレントシリーズは、その名の通り駆動時の静かさが特徴。動作音の小さな水冷式インダクションモーターとともに、モーターの振動を抑えるゴム製ダンパーと吸音材を配置。さらに、内部の音を外に漏らしにくくする本体カバーで内部パーツを覆い、同等のパワーを持つケルヒャーの別製品と比較して、動作音は体感で50%ほど小さいとのこと。

駆動音が静かなインダクションモーターに、モーターの振動を抑えるゴム製ダンパーや吸音材の採用など、さまざまな方法で静音化を図っています

○新モデルは本体の収納スペースが進化して使い勝手アップ

今回の新モデルは、水冷サイレントシリーズとしては9年ぶりのフルモデルチェンジとなりました。全モデル共通の「フロントオープンデザイン」は、本体表面にアクセサリーを収納できるため、アクセサリーを使いたいときにサッと取り出せて収納も簡単。かさばる電源コードや高圧ホースは、本体背面にコンパクトに収納するスペースが設けられています。

ちなみに、K5とK4の2モデルは背面の高圧ホース収納部がリールになっており、ホースをリールに巻き付けて簡単収納。エントリーのK3は、ホースを専用スペースに引っかけて収納する仕様です。電源コードは全モデル共通で本体背面下にある網状のポーチに収納します。

K5とK4の上位2機種は、高圧ホースに従来モデルよりも柔らかくて取り回しやすいプレミアムフレックス高圧ホースを採用しています

新しい3モデルの違いは、パワーや付属品の種類です。最上位のK5 プレミアム サイレントは、最大許容圧力12MPa、最大吐出水量430L/hと、シリーズでもっともパワフル。

最上位のK5 プレミアム サイレント。本体サイズは幅306×奥行き417×高さ584mm、重さは13.7kg。標準装備品は、5in1 マルチパワージェット、テラスクリーナー T7 Plus、プレミアムフレックス高圧ホース(12m)、ホースリール、トリガーガン

注目したいのは、K5のみ付属するアクセサリーの「5in1 マルチパワージェット」です。これは、サイクロン、広角(高圧)、広角(減圧)、直噴、洗剤モード(減圧)という5モードを切り替えられるノズルです。

従来モデルは水流を使い分けるときにノズルを交換する必要がありましたが、5in1 マルチパワージェットは1本で水流の種類を変えられるため、掃除シーンに対応できるでしょう。また、広い面積を効率的に高圧洗浄する「テラスクリーナー」もK5のみ付属します。

サイクロン噴射から洗剤モードまで、5つのモードを1つに集約した「5in1 マルチパワージェット」

ヘッド内に回転する高圧ノズルがあり、広い範囲の高圧洗浄に役立つ「テラスクリーナー」。ヘッド前面から水を噴射し、洗浄後の汚れを洗い流せるリンスモードも搭載

ミドルレンジのK4 プレミアムサイレントは、最大許容圧力11MPa、最大吐出水量400L/hのモデル。注目したい付属品は、K4のみ付属する「デッキクリーナーPS 30 Plus」です。ブラシ下から高圧の水を噴射するほか、側面からも高圧噴射するモードも使い分けられます。玄関の段差などを効率的に洗浄できるアクセサリーです。高圧洗浄後には、水切りに役立つスクレーパーにもなります。

K4 プレミアム サイレントの本体サイズは幅306×奥行き417×高さ584mm、重さは13.6kg。標準装備品は、バリオスプレーランス、サイクロンジェットノズル、デッキクリーナーPS 30 Plus、プレミアムフレックス高圧ホース(10m)、ホースリール、トリガーガン

K4のみ付属するデッキクリーナー

エントリーモデルのK3 サイレント プラスは、最大許容圧力10MPa、最大吐出水量360L/hとなります。3モデルのなかではパワーがやや劣りますが、そのぶん本体が軽量コンパクト。標準装備品は、バリオスプレーランス、サイクロンジェットノズル、高圧ホース(10m)、洗浄剤タンク、トリガーガンです。必要な付属品だけをシンプルに厳選している印象。

K3 サイレント プラスの本体サイズは幅298×奥行き394×高さ542mm、重さは12.7kg。3モデル中もっとも軽量コンパクト

今回の水冷サイレントシリーズでおもにに進化したのは、使い勝手の面です。新モデルは9年ぶりのフルモデルチェンジとなりましたが、本体の機能面ではあまり大きな進化はないように感じました。ある意味、ケルヒャーの高圧洗浄機 水冷サイレントシリーズは、機能としてはすでに完成に近い形なのかもしれません。

ケルヒャーが日本向けに開発した高圧洗浄機といえば、水冷サイレントシリーズのほかにも、コンパクトでスタイリッシュな「K MINI」があります。収納しやすいコンパクトサイズのK MINIか、静かでパワーも妥協しない水冷サイレントシリーズか……。ドイツ発祥のメーカーですが、日本のニーズに合った選択肢があるのはうれしいですね。