晴れて正式な陸上自衛隊の自衛官になれた宙(町田啓太)の第2部は辛すぎるスタートだった。先輩たちの手荒い歓迎。誘導任務の失敗。ハラハラさせられたが、最後はしんみりした『テッパチ!』第7話。


※以下第7話ネタバレあり

馬場(佐野勇斗)とともに普通科隊員として南関東駐屯地に配属された宙。そんな2人を待っていたのは、同じ班となった先輩隊員たちだった。班長の大木先輩(久保田悠来)にギャンブル好きの金子先輩(桐山漣)、爽やか系イケメンの風間先輩(工藤阿須加)、年下の先輩、野村(結木滉星)。部屋に入った宙と馬場に「ウェルカム!」と水鉄砲でおもてなし。

これまで水もしたたるシャワーシーンで喜ばせてもらったが、今回は私服姿の“濡れ場”シーン。う〜ん、たまらんと思いつつも、どうも嫌な雰囲気。朝起きてみれば、宙の顔にはいたずら書き。ひたいには「バーカ」と油性マジックで書かれ、まゆげが繋がり、ほくろと片方だけの鼻毛。思わず笑ってしまったが、こんなことをされてむかつかないわけはない。

ご飯の大盛りを無理やり食べさせられ、おなかいっぱいになって部屋に戻れば、先輩たちの用意したさらなるご飯。さらには、先輩のマッサージまで。まるで、昔の体育会系部活のような光景。馬場が「先輩ガチャ失敗ってことだよね」と言っていたけれど…。でも、以前の宙だったら、きっとキレていただろう。候補生時代の第一班の仲間がいたからこそ、我慢できたといっていいかもしれない。せっかく開いてもらった歓迎会もジャンケンに負けた宙が1人払い。ジャンケンに負けたときの目と口を目いっぱいに開いた宙がかわいそうで仕方がない。



ちなみに筋トレをしているときの宙の筋肉がすごくセクシー。先輩たちにマッスルアピールを強制させられたときの上腕二頭筋のラインの美しさがたまらない。これは町田の努力のたまものだろう。でも、宙としてはたまったもんじゃない。

そんな中、大雨による災害派遣要請を受け、宙たちは現場へ出動。だが、避難住民たちの声にこたえ、宙が目を離した間に、芝山(水沢林太郎)がトラックから転落し、足を骨折してしまう。芝山がスケートボードのオリンピック候補生だと知ったときの宙が見ていられない。誰かを助けたい、役に立ちたいと動いた結果、オリンピック候補生にケガを負わせてしまったという事実が襲い掛かる。芝山に謝罪にいっても冷たい言葉をあびせられただけ。

トボトボと帰ってきた宙の前に姿を現したのが八女教官(北村一輝)だった。


危ない目にあっている人たちの大事なものを、ただそれを守りたかったと気落ちする宙に八女は「お前は間違ってない。でもな、もしお前がそれを取りにいっている間に、ほかの場所で誰かが死んでいたとしたら、どうする?」と語りかけ、「何よりも大事なのは、命だろう」と。この言葉に涙で瞳を潤ませつつ、小さくうなずく宙。「俺たちは、それを守るためにいるんだ。それが俺たちの使命だ」という八女教官に、宙は新たな思いを胸に前をむくのだった。

“最後までついていくっす!”と宙の心の声を代弁したい。SNSでも「チュウくんに八女さんが居てくれてよかった」「モヤモヤした部分もあったけど、八女さんの言葉に救われた。肯定してくれて、励ましてくれて、良い上司だな〜と改めて思った」「先生というより、父親的存在になってるのね」「八女さんかっこいいようああああ」という声が続出。

ちなみにラストで先輩たちの真意が明らかに。実は、どんな事態でも適応できる能力を身に着けさせるため、先輩たちは宙たちに“手厚く”接していたのだ。それが大木班のやり方だと。先輩たちの本音を知った宙と馬場は「よろしくお願いします」とあらためて頭を下げた。「宙くんと馬場くんを見守る先輩方の笑顔になんだかウルッときた」「先輩ガチャは当たりなのかも」とSNSでも声が届いている。

ただ、この席に野村先輩がいなかったことが、ちょっと不安。野村さんもほかの先輩たちと共通認識持っている?と思いつつ、次回は宙と馬場のバディの危機。第8話も見逃せない。


文:今 泉

第8話あらすじ                   

国生宙(町田啓太)と馬場良成(佐野勇斗)は、班長の大木隆之(久保田悠来)らと訪れた居酒屋で『南関東駐屯地祭り』の話を聞く。これは、自衛隊が地域住民と触れ合うためのイベントで、公開演習や打ち上げ花火、盆踊りなどが行われ、出店もあるという。風間速人(工藤阿須加)や金子慎也(桐山漣)によれば、若い女性と親しくなるチャンスもあるらしい。それを聞いた宙たちが盛り上がっていると、野村晴樹(結木滉星)が駆け込んできて、今年の駐屯地祭りが中止になったことを皆に告げる。

本来ならばお祭りだったはずの休日に宙と馬場は、せめて祭りの雰囲気だけでも味わおうと、たこ焼き器でたこ焼きを作る。そこには、馬場になついている自候生時代の仲間・西健太(藤岡真威人)も参加していた。

                    

そんな折、金子の元妻・理恵(三倉茉奈)が、7歳になる娘の花音(宮地美然)を連れて駐屯地へやってくる。近くまで来たから寄ってみたのだという。娘との再会を喜ぶ金子。離婚したとはいえ、仲睦まじいその様子に、宙たちは「復縁もあるのでは?」と期待する。

一方、副連隊長の神宮寺一成(緋田康人)は、35歳でいまだ士長の金子について、次の昇任試験の結果次第では指導が必要ではないか、と桜間冬美1尉(白石麻衣)に伝える。それはつまり、リストラを意味していて、金子は冬美からラストチャンスの通告を受ける。自衛隊の厳しい実態を知った宙と馬場は……。


『テッパチ!』

毎週水曜  よる10時から放送

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