『ロッキー』レジェンド声優が登壇! 羽佐間道夫と松金よね子

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 映画『ロッキー』シリーズの吹替声優としても知られる羽佐間道夫と松金よね子が18日、新宿ピカデリーで行われた映画『ロッキーVSドラゴ:ROCKY IV』(8月19日公開)の前夜祭イベントに出席、ロッキー役(羽佐間)とエイドリアン役(松金)のレジェンドがそろう貴重な機会となった。

 『ロッキーVSドラゴ』は、1986年に日本公開された『ロッキー4/炎の友情』を、監督・脚本・主演のシルヴェスター・スタローンが、42分の未公開映像を追加して再構築したボクシング映画。親友を失ったロッキー・バルボアと仇敵ドラゴの対決を、戦いまでの道のりに焦点を絞って描き出す。

 上映会場は、この日を待ちわびた大勢のファンでほぼ満席。1983年の1作目テレビ放送から、およそ39年にわたりロッキーと付き合ってきた羽佐間は「最初にキャスティングされた時は戸惑いました。だって、向こうの腕は僕の胴体と同じなんですから」と苦笑しながら「でも、『クリード』シリーズまで8本、やり遂げております」と振り返る。

 さらに「エイドリアンが(シリーズ中で)他界したあとは、ずっと彼女の墓の前で過ごしております。本当に長い付き合いですけど、こんなに愛した女はいないというエイドリアンであります。ね?」と付け加えた羽佐間に対して「ね、と言われてもね。こんなに愛したって、わたしのことを愛したわけではないですからね」とあきれた様子の松金に、「いえいえ、あなたのことも愛しておりますよ」とほがらかに返す羽佐間。気心知れたふたりならではの軽妙なトークに会場は大いに沸いた。

 松金は「わたしも、よく『ロッキー』を観ていましたと言われます。業界のディレクターさんや監督さんも、松金さんといえばエイドリアンですと、皆さんそうおっしゃっていただいているんです」と語ると、「本当にたくさんの舞台をやらせていただいたんですけど、わたしにとって一番有名なのはエイドリアンだという。皆さんに親しんでいただけるのはうれしいような、でも自分の(顔出しで出演した)仕事ではないので、ちょっと寂しいような気もありますが」と正直な思いを告白する。

 しかしながら、現在に至るまで、多くの人から声をかけられる機会に恵まれ、エイドリアン役を担当したことに「誇りを持っている」という松金。観客を見渡しながら「今日は来ていただいて大変に感無量でございます」と付け加えていた。(取材・文:壬生智裕)

映画『ロッキーVSドラゴ:ROCKY IV』は8月19日より全国公開