一般的に、生理がある女性のおよそ10%が発症すると言われている「子宮内膜症」。将来のためにも、早期発見と治療が重要に。

そこで本記事では、子宮内膜症の症状とはどのようなものなのか、治療法についてなどを、MET BEAUTY CLINICの福山千代子医師に伺いました。

子宮内膜症とは?

子宮内膜症とは、通常、子宮内膜は経血と共に体外に排出されるものの、この“内膜”が子宮以外の場所にできてしまう病気のこと。

「発症する年齢は20代〜40代と幅広く、原因は不明な点もまだありますが、子宮内膜が卵管を通って腹腔内に逆流することで、内膜症が発生するという逆流説などが考えられています。また月経の回数が増えると、子宮内膜症の発生頻度が増加することがわかっています」「初経が早い、妊娠回数が少ない、月経周期が短い方や晩産化、少子化が進んでいる現代女性の間では増えていると考えられています」

子宮内膜症を疑うべきサイン

福山医師によると、以下の症状がみられる場合は子宮内膜症の可能性があるとのこと。


月経痛が年々ひどくなってきている
性交痛がある
排便時に肛門の奥の方に痛みがある
月経以外のときも下腹痛がある
月経痛の際の鎮痛剤が効きにくくなってきた
妊娠を希望しているが2年以上妊娠しない
「内膜症性嚢胞が大きくなれば破裂して急激な痛みにみまわれ、緊急手術になることも。また、内膜症による癒着がひどくなれば卵管が詰まってしまい、不妊の原因になることもあります」

病気の進行を防ぐためにも、早期発見が重要。上記のような症状が現れている人は、痛みや違和感を放置せず産婦人科を受診しましょう。

子宮内膜症の治療法

では、子宮内膜症と判明した場合、どのような治療が受けられるのでしょうか。

「病気の進み具合や妊娠希望の有無などによって、治療法は異なってきます。たとえば、大きなチョコレート嚢胞や不妊症の原因になっている場合は、手術が優先されますし、妊娠を希望されている場合にはホルモン剤が使えないので、漢方や鎮痛剤のみを処方することもあります」

妊娠をすぐに希望していなく、手術の緊急性もない場合は、LEP製剤や黄体ホルモン製剤を使用し、月経痛を緩和したり、内膜症の病勢を抑えることが可能なのだそう。

子宮内膜症と上手に付き合うために

福山医師によると、ライフスタイルに合わせた治療をすることで、痛みを緩和し快適な生活を送るのも可能なのだとか。以下の例のように、その時々で治療法は変えられるそう。

治療法の例


25歳で直径5センチの卵巣内膜症性嚢胞が見つかり、そのときは妊娠希望がなく、5年間LEP製剤を服用しながら月経痛を緩和。
経過観察をしながら30歳になったときに妊娠希望があり、内膜症性嚢胞が小さくなっていればそのまま妊活をする。5センチ以上ある場合は、手術をしてその後に妊活を開始する。
産後、授乳が終われば再発予防にLEP製剤の服用を再開。

「妊娠時や授乳時期を除いても、初経を迎えて閉経まで40年近く、ほぼ毎月付き合っていくことになります」と福山医師。

「今回は内膜症のことを詳しくお話しましたが、病気でなくても月経痛やPMS、月経不順など月経にまつわる悩みは多種多様です」「婦人科は内科などに比べ、受診をためらいがちな診療科だとは思いますが、信頼できるかかりつけ医を持つことで、ちょっとした不安でも相談できます。また、ご自身のライフスタイルに合わせた治療を選択することで、より快適な生活をするお手伝いができると思います」

現在のことだけでなく、将来を見据えて自分のカラダと向き合い、気になる症状があれば、迷わずクリニックを受診しましょう。

今回お話を伺ったのは…

MET BEAUTY CLINIC 院長 福山 千代子医師/日本産婦人科学会専門医

生理トラブルや更年期障害など、あらゆる世代の女性の悩み解決に努めるドクターとして、雑誌やウェブなど様々なメディアで活躍中。メノポーズ向け世代の治療を得意とする。