北海道の農園内で野生のエゾユキウサギがブルーベリーを食べても「ありがたい」その理由とは

北海道・川上郡美瑛町にあるブルーベリーやハスカップを育てている農園「びえいハスカップファーム」のTwitterアカウント(@haskapfarm)が投稿した動画が話題だ。なんと、エゾユキウサギが農園のブルーベリーをむしゃむしゃと食べている。
うさぎがブルーベリーを食べる姿を見られるのは珍しいですが実はうちの農園にとっては大変ありがたい事なのです。うさぎが食べている下の方にある果実は雨等の跳ね返りで汚れるので収穫しません。しかし放置すると腐って病害虫の影響やスズメバチが沢山きてしまうので本来なら全て収穫したいのです。 https://t.co/boMySwiG6W
— びえいハスカップファーム (@haskapfarm) 2022年8月1日
ブルーベリーを食べられてしまっていて大丈夫なのか…と思いきや「うちの農園にとってはありがたいこと」なのだそう。このツイートにはTwitterユーザーから「お互いに助け合ってる感じがしてほっこりしました」「これこそが共存」「いいお話です」など、またたく間に3万以上のイイネがついた。
きっかけは「害獣対策」
可愛いエゾユキウサギと農園の関係性を、びえいハスカップファームさんに聞いてみた。
びえいハスカップファームでは冷凍及び生果実での販売用ハスカップとブルーベリーの畑はすべて害獣対策(キタキツネのエキノコックス等)の為フェンスで囲って害獣は基本的に畑に入れません。ですがエゾユキウサギはなぜか畑に入ってます。。。#美瑛町 #ハスカップ
— びえいハスカップファーム (@haskapfarm) 2022年7月4日
エゾユキウサギが農園に入ってくるようになったのはいつ頃でしょうか。
10年ほど前に、害獣フェンスや害獣ネットを張ってから現れるようになりました。
ウサギにとって、基本的な害獣と言われるキツネ、タヌキ、アライグマから身を守れる場所は、木がたくさんあって隠れやすい農園内なんだと思います。
今はブルーベリーの収穫でとても忙しいです。そういえば動画のうさぎは多分この子です。去年の今時期撮影しました。子うさぎはとても警戒心が強いので建物の中から撮影しています。うちにいるうさぎは大体把握しているから体の大きさなどから多分この子ですね。生まれてから今で二年目ですね。 https://t.co/uEVy6vVtnL
— びえいハスカップファーム (@haskapfarm) 2022年8月9日
うさぎに遭遇するのが最も多い時期はいつですか。
遭遇しやすいのは、雪解けから春にかけてです。ウサギが白い状態から茶色くなる変化がいつも見られます。春先は恋の季節なので数も多いですね。
最大で同時に、6匹ほど確認したときもあります。動物園かと思いました。
雪も解け温かい日が続いているので気持ちよさそうに寝ています。冬毛もだんだん変化しています。足が長いね。#エゾユキウサギ #換毛期 https://t.co/PRpxQrSUKr
— びえいハスカップファーム (@haskapfarm) 2022年4月17日

ウサギは警戒心が強いので、近づくことは難しいとのこと。しかし何回も遭遇できるのは、ウサギにとって農園が憩いの場となっているからなのだろう。
ハスカップの木々が緑色になってきています。エゾユキさんもすっかり色が変わっていますね。今回は珍しく5メートル位まで近づくことができました。普段は30メートル離れてても逃げます。こっち見てるね。#エゾユキウサギ#ハスカップ https://t.co/mROkZuVa5D
— びえいハスカップファーム (@haskapfarm) 2022年5月12日
自然の循環サイクル
実がなっていない季節には、樹木を食べるというエゾユキウサギ。これは、多少の剪定にもなるという。びえいハスカップファームさんはウサギを農園内で見かけると、元々ウサギが大好きなこともあり、幸せな気持ちになるという。win-winの関係というより、ウサギが存在するだけでもありがたいのだそうだ。
農園のブルーベリーの樹木が彼らの食料になり彼らの排泄物が肥料になります。自然の循環に感謝です。少しですが剪定にもなってますので助かります。#エゾユキウサギ #ブルーベリー #野生 https://t.co/yw6VdLyGzs
— びえいハスカップファーム (@haskapfarm) 2022年4月2日
共存関係のうさぎに対して、どのような気持ちでいますか。
果実を食べるのは「掃除をしてくれてありがとう」。
下の方の細かい樹木を食べてるときは「剪定を手伝ってくれてありがとう」。
糞がたくさん転がっているのを見たときは「畑が肥えるからありがとう」。
と、全部単純にありがたかったですね。
農園内の異変を教えてくれる
また、害獣対策のネットが劣化するとごくまれに、穴が開いてしまうことがある。そんな時も、ウサギが教えてくれるという。
ネットの、開いた穴からキツネが侵入してくる時があります。そんな時、一時的に農園からウサギがいなくなるんです。
それでフェンスやネットを点検すると、穴が開いていて、キツネの糞が見つかります。
穴を塞ぐと、またウサギが姿を見せます。センサー的な役割をしてくれて、かなり助かっていますね。
ハスカップとブルーベリーを定植している畑は、全部で3ヘクタール位あり、基本的には2人で管理しているという。害獣ネットの管理もかなり大変なはずだが、ウサギの存在の大きさが感じ取れる。
左がブルーベリーで右がハスカップの木です。今時期はハスカップの花が満開です。たんぽぽの黄色も一番多い時期です。うさぎも元気ですね。#エゾユキウサギ #ハスカップ#ブルーベリー #たんぽぽ https://t.co/dBYjDLUwu5
— びえいハスカップファーム (@haskapfarm) 2022年5月20日
農園で一番大変な作業はなんでしょうか。
ハスカップの収穫はパートさんがいるので、ある程度は大丈夫ですが、ブルーベリーはすべて2人のみで行っています…とにかく収穫は、大変な作業です。
ウサギには手伝ってもらってますが、猫の手も借りたいです。
ブルーベリーの収穫間近です。ハスカップと同じく美瑛選果で生果実を販売予定です。今週末くらいには出荷出来そう。#ブルーベリー#美瑛選果 https://t.co/KNrjCTzBNy
— びえいハスカップファーム (@haskapfarm) 2022年7月19日

びえいハスカップファーム(@haskapfarm)では、農園で生産されたハスカップとブルーベリーの加工・販売をしている。エゾユキウサギも夢中になるブルーベリーが気になった方は、びえいハスカップファームのオンラインショップをチェックしてみてはいかがだろうか。
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