世界遺産「野崎島」へもアクセス可能。【長崎・小値賀島】でゆったりとした島時間を楽しむ旅

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小値賀島(おぢかじま)は、長崎県の五島列島エリアに浮かぶ離島のひとつ。周囲は約50キロと、かなり小さい島ですが、豊かな自然景観や海産物などのグルメといった魅力が満載です。また、世界遺産に登録されている「野崎島」にも船でアクセスが可能。今回は、そんな小値賀島の魅力を紹介します。

ゆったりとした島時間が流れる小値賀島を自転車で巡ろう


小さい島と紹介しましたが、どれくらい小さいかというと、レンタル自転車で1日あれば一周できるほど。ゆったりとした島時間を感じられます。



小さいとはいえ見所も多く、楽しみ方もさまざま。まず、紹介したいのは海に関する見所です。島の北側にある「五両だき」は、美しい白い砂浜とそびえ立つ崖、そして透明度の高い海を一緒に楽しむことができる場所で、海外の大自然を彷彿させる景色が広がっています。



▲五両だきの近くには「柿の浜海水浴場」もあるので、セットでの訪問がオススメ



他にも、島を散策していると見かけるこちらの標識にも注目。動物に注意を促す道路標識は日本中にありますが、愛嬌のある牛のイラストが目を引くこの「牛に注意」標識は、小値賀島オリジナルのもの。



▲実際に、道路の近くには多くの牛の姿が見られます

基本的に仕切られた牧場の中でのんびりしている牛たちですが、時には道路を横切るタイミングに遭遇することもあるので、標識に従って牛に注意しながら進んでくださいね。このイラストがプリントされたTシャツやステッカーなどのグッズもフェリーターミナルなどで購入できるので、気になった方はお土産に購入してみてくださいね。

美味しい魚の宝庫で食べる「じげもんグルメ」とは?


美しい海が広がる五島列島エリア。海水の透明度が高いこともあり、堤防周辺を歩いていると魚の群れを見ることも珍しくありません。そんな土地柄、ご地グルメとして取り上げられることが多いのは、新鮮な海産物です。小値賀島も例外ではなく魚を中心とした海鮮グルメが人気ですが、島内の飲食店ではその食材を活かした「じげもんグルメ」なるメニューが提供されています。



▲「じげもんグルメ」のひとつ、エビや鯛などの種類豊富な海産物を使った絶品丼

「じげもん」というのは長崎の方言で「地元のもの」を意味していて、「小値賀島の食材を使ったグルメ」を食べられるのです。旅の思い出と一緒においしい思い出も持ち帰ってほしい、という想いから作られたメニューで2022年4月からスタートしています。

じげもんグルメは海鮮丼や刺身定食などの海産物を使った定番メニューが主ではありますが、どれも新鮮な「じげもん」が使われているので、訪問の際には確実に食べたい逸品ばかり。中には、みりん干しやポテトサラダといった少し変わり種のメニューもあるので、ぜひチェックしてみてください。



他にも、島には長崎のグルメとして有名な「ちゃんぽん」を提供するお店もあり、離島とはいえ長崎の味覚を楽しむことも可能です。ただ、小さな島なので、全体的に飲食店の数は少なめ。予約でいっぱいのことも多いので、行きたいお店を見つけた場合には予約をするようにしておきましょう。

小値賀島を拠点にした船旅も可能


五島列島エリアにある島の数は、なんと大小合わせて150を超えています。博多や長崎といった九州本土の都市から直接アクセスできる島もあるものの、島からさらに船に乗ってしか行けないような島がいくつも存在しています。

小値賀島の北側に位置する「寺島」や「納島」は、まさにそんな「島からしか行けない島」です。どちらも住人は50人にも満たない、本当に小さな離島といった風情ですが、無人島とはまた少し違った「島の暮らし」の一部に触れる機会となるので、チャンスがあれば日帰りで訪れてみることをおすすめします。



▲寺島の集落はまだまだ現役です



他にも、小値賀島周辺にある島の中で旅先としての人気が高いのが、島の東側に浮かぶ「野崎島」です。野崎島は世界遺産「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」を構成するひとつの島で、かつては野首(のくび)と舟森(ふなもり)という2つの集落がありました。現在でもその集落跡は残っており、島を訪問する人たちのお目当の場所となっています。それに加えて、自然の魅力も見逃せません。



▲「北崎展望所」からの眺望

というのも、野崎島の東部は火山活動によって形成された土地。現在においても、その名残を見られるのが、北崎展望所周辺です。湾のようになった断崖絶壁はかつての火口跡だそうで、「野崎火山火口跡」とも呼ばれます。赤い大地が広がり、海の青とコントラストを成す様子からは、火山の持つ大自然の迫力を感じることができます。



また、野崎島に住んでいる人はすでにいませんが、鹿が静かに生息しています。島内のキリスト教関連遺産や、自然景観を探して散策していると、島中のいたるところで鹿の姿を見かけることでしょう。野生の鹿ということもあり、人間に対してはかなり警戒心が強く、近づくと怖がらせることになってしまうので遠目から見守るようにしてくださいね。

地元の絶品グルメに自然景観、島からのさらなる船旅などなど。小さい島でありながら様々な魅力を持つ小値賀島。



ゆったりとした時間を過ごせるだけでなく、フォトジェニックで見応えがあるスポットも満載の小値賀島ならではの島旅をぜひ楽しんでみてくださいね。<text&photo:岡本大樹>