日本でキャンピングカーに乗るならどれがおすすめ?

キャンピングカーは気ままな旅を実現してくれる相棒として、ここ数年需要が右肩上がりに伸びています。昨今は自動車メーカーが車中泊を意識したモデルをリリースすることが多くなっていますが、やはり装備の充実度、快適性はキャンピングカーに敵いません。

ただ実際にキャンピングカーを選ぼうとすると、その多種多様さに驚くことになります。

軽バンや軽トラをベースにした「軽キャン」、ワンボックス車をベースにした「バンコンバージョン(通称バンコン)」、トラックの後部に居住空間となるシェルを載せた「キャブコンバージョン(通称キャブコン)」。

ピックアップトラックベースの「トラキャン」や、小型バスをベースにした「バスコン」、そしてキャンピングトレーラーなどのカテゴリーがあります。

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キャンピングカーを選ぶ時に考慮しなければいけないポイントは、「使った時の快適性」と「普段使いの機動力」なのではないでしょうか。

しかし、このバランスは非常に難しいものです。快適で開放感のある居住空間を求めるとボディサイズが大きくなりますし、普段乗りやすいのはコンパクトなサイズのクルマ。これを自分のライフスタイルに合わせて考えなければなりません。

トラキャンやバスコンは少々ニッチなモデルですし、キャンピングトレーラーはメリットは多いものの牽引という要素によって若干敷居が高くなります。

となると、軽キャン、バンコン、キャブコン、3つのカテゴリーの中から選ぶことになりますが、実は最もバランスが取れているのは、日本が生んだドメスティックなカテゴリー「バンコン」だったりするのです。

「軽キャン」は車中泊熟練者向け

キャンピングカービギナーがまず注目するのが、軽キャンです。

特に、軽バンベースのモデルは日常では軽バンとして使うことができ、車両価格、ランニングコストが安いことから、“とりあえず買ってみよう”と思う人が多いようです。

しかし、軽キャンは実は車中泊熟練者向けだと言えます。

スズキ エブリイ ワゴン

誰でも扱いやすい反面、居住空間が軽サイズなため、長期間の旅にはそれなりにストレスがかかる場合があるためです。特に雨の日は狭い車内にずっといなければならないこともあります。

軽キャンで快適に過ごすには、ルーフテントやサイドオーニングを装着し、それを使いこなすことが必要となります。さらに、軽キャンはシルバーエイジが購入することが多いようですが、エコノミー症候群のことも考慮しなければなりません。

おすすめはタウンエース、NV200バネットベースのバンコン

では、居住空間が広いキャブコンがいいかというと、こちらは駐車場所や普段使いの問題があります。また、高速移動の機動力、自動車保険なども考えなければなりません。価格も700万円以上と高額です。メインテナンスもそれなりにやらなければなりません。

日本の道路事情やインフラを考えると、やはり日本生まれのカテゴリー「バンコン」がいいのではないでしょうか。

日産 NV200バネット

ハイエースやNV350キャラバン、タウンエース、NV200バネットなどをベースにしたキャンピングカーで、車内にベッドになるシートやギャレー、調理器具、収納キャビネットなどがインストールされています。

ハイエースやNV350キャラバンは大きめですが、タウンエース、NV200バネットであれば、女性でもラクラク運転することができます。都市部で駐車する時も大抵のパーキングに入れますし、狭い道でも運転がラクなのがメリットです。

空間の広さがそれなりにありますし、ルーフテントを装備すれば車内を立ったまま移動することが可能。子供が小さい家庭であれば、4名での使用にも十分対応できます。加えてサイドオーニングを付ければ、日差しの強い日や雨の日でも車外で快適に過ごすことができるでしょう。

なによりも車両価格帯が500万円以下であることは、ビギナーに嬉しいポイント。また車中泊装備がインストールされているとはいえ、ベースがワンボックス車なので汎用性が高いのも安心ポイントです。お買い物や日帰りドライブなどにも気軽に乗っていくことができます。

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ちなみにコンパクトサイズのバンコンでオススメなのは、タコス「HANA」、AtoZ「アレン」、フロットモビル「シュピーレン」、トヨタモビリティ神奈川「キャンパーアルトピアーノ」など。

購入する時は、サブバッテリーやソーラー充電システム、エンジン停止中に使えるFFヒーターや冷房、サイドオーニングといったオプションを付けておくと、旅先での快適性がグッとアップすることでしょう。

家族構成や旅のスタイルに合わせてキャンピングカーを選ぼう

バンコンの中には500万以上の高級モデルもあり、車種によってはトレイルームや2段ベッドなどを備えているものもあります。ライフスタイルや家族構成によって選びましょう。

もちろん、家族構成や旅のスタイルによっては、バンコンがベストではないこともあると思います。

例えば、自由な一人旅が多い人には軽キャン、頻繁に車中泊旅に出かける人はキャブコン、さらにコストを抑えて旅先での機動性・快適性を考えるならキャンピングトレーラーというように、自分のライフスタイルに合わせて選ぶのがよいでしょう。