世界的な不況が訪れている中、ビッグ・テックを代表するGoogleとMetaのCEOが従業員の生産性に不満を抱いていることが明らかになりました。両CEOは新規採用枠を減らし、従業員のパフォーマンスを向上させる戦略を練っていると報じられています。

Google CEO to employees: Productivity and focus must improve

https://www.cnbc.com/2022/07/31/google-ceo-to-employees-productivity-and-focus-must-improve.html

Meta's Mark Zuckerberg: Company's pandemic-era forecast was too rosy | Reuters

https://www.reuters.com/technology/metas-mark-zuckerberg-companys-pandemic-era-forecast-was-too-rosy-2022-07-29/

'Too many employees, but few work': Pichai, Zuckerberg sound the alarm | Business Standard News

https://www.business-standard.com/article/international/too-many-employees-but-few-work-pichai-zuckerberg-sound-the-alarm-122080801425_1.html

2022年7月31日にCNBCが報じたところによると、Googleのサンダー・ピチャイCEOは「現在の人員数を考えると、企業としての生産性は必要なレベルに達していない」と述べ、厳しい経済状況に警鐘を鳴らしたとのこと。

2021年から2022年にかけて従業員数を21%増加させたGoogleですが、収益の伸びは鈍化しています。ピチャイCEOはこのような状況を受け、よりハングリー精神を持って労働するよう従業員に要請。労働効率の改善を図るためのアイデアを集う「Simplicity Sprint」という新しい取り組みも開始し、生産性を引き上げる方針を明らかにしました。Googleは「現状、人員削減の予定はない」としているものの、2023年までに雇用を削減し、投資先を見直す意向を示しています。



世界最大のソーシャルメディア企業であるMetaも同様の戦略を練っています。ロイターによると、Metaのマーク・ザッカーバーグCEOは投資家向けの電話会議で「人員の増加を着実に減らす計画」を立てていると明らかにしたとのこと。

Metaは2022年第2四半期に史上初の収益の減少を記録しており、第3四半期にはさらに減少すると予測しています。Metaは新型コロナウイルス感染症のパンデミックが始まった2019年末から2022年にかけて従業員数を3万人近く増加させていますが、社内では従業員のパフォーマンスが問題になっているといいます。

2022年6月30日には、Metaは2022年のエンジニア採用枠を約3000人〜4000人削減する方針を明らかにしており、加えて優先度の低いプロジェクトの凍結または人員削減を行い、積極的な目標を達成できないスタッフを排除するためにパフォーマンス管理を徹底すると述べたとのこと。最高製品責任者のクリス・コックス氏は「我々は深刻な時期にある。従業員に容赦なく優先順位をつけ、より洗練され、より実行力のあるチームを運営する必要がある」とまとめ、社内フォーラムに掲載したとのこと。



これら報道に対し、ソーシャルサイトでは「従業員は怠けたいわけではなく、社内規制によって満足に仕事をこなせていないだけである。エンジニアなのに予定のほとんどが会議で埋まっている従業員は珍しくない」などの声が上がっています。