2022年上半期(1月〜6月)、プレジデントオンラインで反響の大きかった記事ベスト5をお届けします。マネー部門の第1位は――。(初公開日:2022年5月3日)
GW真っ只中だが、お金持ちは休暇をどう過ごしているのか。ファイナンシャルプランナーの藤川太さんは「GWに旅行にでかけるお金持ちはあまりいません。それは旅行の目的が一般の人とはまったく異なるからです」という――。
写真=iStock.com/Ziga Plahutar
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Ziga Plahutar

■お金持ちは“逆張り”の生活をおくっている

今年のゴールデンウィーク(GW)は、昨年と比較して、多くの人が出かけているのではないでしょうか。海外はいまだ待機期間が必要なケースも多いですから、国内の観光地が人気のようです。コロナ禍で出かけられなかったストレスを少しでも解消できれば――。そんな気持ちで、ちょっと豪華な旅行を楽しんでいる人もいるかもしれません。

では、資産1億円を持つようなお金持ちはどんなGWを過ごしているでしょうか。私が知っているお金持ちの人たちは、GWにはあまり旅行に行きません。GWのようなレジャーのハイシーズンは、ホテルの宿泊費も高くなりますし、観光地は人であふれます。「かえって疲れるから、そんな時期に出かけたくない」と考えるのです。

もちろん、医師や会計士などの専門職の人は、長期で休暇がとれる時期は限られており、平日に出かけるのが難しいので、やむをえずGWに出かける人もいます。そうした事情がある場合は別ですが、基本的には他の人が旅行に出かけない時期にゆっくりと出かけています。旅行に限らず、お金持ちは一般の人とは逆張りの暮らしをしているのです。

■旅行先は「好きな国」や「行きたい場所」で選ばない

旅行の目的もだいぶ違います。一般の人は海外へ出かけるだけでテンションがあがりますから、行くこと自体が大きな目的になります。「好きな国」や「行きたい場所」を旅行の目的地にしがちです。

お金持ちは旅慣れていることもありますが、明確な目的をもって旅行先を決める人が目立ちます。たとえば、ゴルフが好きな人であればメジャー選手権の観戦に行く、テニス好きなら四大大会を回る、音楽が好きならウィーンフィル、ベルリンフィルのコンサートを聴きに行く――などなどです。

■お金持ちの旅行は「特別な体験」が目的

こうした体験は、その時期に、その場所にいなければできません。まず、目的があり、それに合わせて休暇を取ることが多いのです。一般の人の場合は、日ごろのストレスを解消するために、「とにかく旅行に行きたい」と考える人も多いでしょうが、お金持ちは「特別な体験」をするために旅行するのです。

そうした目的がなければ、「海外に行くのは時間がかかるし、疲れるから行きたくない」と考えるお金持ちも多くいます。こういう人たちは、移動の苦労を上回る何かがなければ、行動を起こさないのです。

写真=iStock.com/Vasil Dimitrov
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Vasil Dimitrov

■入手しにくいチケットは自ら現地で調達することも

一方で特別な体験をするためには、手間も惜しみません。お金持ちが好むスポーツの大会やコンサートは世界中から観客が集まってきますから、チケットをとるのも簡単ではありません。日本では手配できないので、「現地のプレイガイドに自分で並んでチケットを買った」との話もよく聞きます。

また、チケット代が高額になることも多いですから、宿泊場所はエアビーアンドビーを利用して自分で手配するなど、メリハリをつけています。

自ら手配することは、別のメリットもあります。たとえば、世界遺産などに出かけるとき、日本で手配してもらうと、見学できる場所は限られます。日本の旅行代理店は入れない場所でも、現地のエージェントなら入れるというケースもあります。それを知っているお金持ちは、自分で直接手配します。

■お金持ちは家族と旅行にはいかない

お金持ちは一人で出かけることが多いのも特徴です。目的がはっきりしていますから、本人はゴルフが好きでも、家族は興味がないなど好みが違うこともあるでしょうし、人数が多いとチケットが取りにくいことも関係しているでしょう。

テニスにしてもコンサートにしても、1人分のチケットは比較的簡単に取得できますが、ペアで隣同士の席を取ろうとすると、途端に難しくなります。ましてや家族分を並んだ席で取得するなど、ほとんど不可能です。自分の目的を達成するためには、割り切って1人で出かけることを選んでいるのでしょう。

「子どもたちも含めて家族で旅行した」という話よりも、子どもを海外留学させたという話の方が多いのもお金持ちの特徴です。音楽留学の場合は、現地でレッスンを受ける必要があるため、母親が現地で一緒に暮らしながら世話をするケースもあります。ただ、そうでなければ子どもを留学させたら、親は親で自分の時間を楽しんでいる印象です。

以上はお金持ちの話なので、私たちが参考にしようと思っても難しいケースが多い。真似をするなら、もっと身近なお金持ちがいいでしょう。

■身近なお金持ちの3つのタイプ

お金持ちには、代々の地主など生まれたときからお金持ちの運命を背負った人もいます。その人たちの生活習慣は、私たちには参考になりません。そこで、私は自分の力で1億円以上の資産を築いたお金持ちを\疚鷁肇織ぅ廖↓投資家タイプ、9蘯入タイプに分類しています。簡単にそれぞれのタイプを紹介すると、次のようになります。

節約家タイプは、自然とお金が貯まる仕組みをつくり1億円を達成しています。特徴は、住居費や通信費などの固定費を徹底的に見直していることです。電気やガスなどはいまだに夫が契約者になっているケースも多く、固定費を削減するには夫の協力が欠かせません。そのため節約家タイプは夫婦仲がよく協力し合いながら、貯蓄額を増やしています。最近は夫婦共働きが一般的ですが、夫か妻か、どちらか一方の収入の範囲内で生活費を賄い、もう一方の収入分は全額貯蓄に回しているパワーカップルも少なくありません。

■投資家タイプは消費に興味なし

投資家タイプはあまり消費に興味を示しません。お金を使うくらいなら、1円でも多くを投資に回したいと思っています。金額にかかわらず、1円、10円であっても無駄遣いはしたくないのです。ただ、お金を使う時でも投資だと思えることには思い切って使うこともあります。

高収入タイプには、いくつかのパターンがあります。積極的に自己投資して転職しながらキャリアアップしていく人もそのひとつです。最近は、契約社員や派遣社員として働く人が増えて、正社員として働くことをあきらめてしまう人が少なくありませんが、積極的に挑戦を続ける人もいます。

働いて貯めたお金を自己投資してスキルアップし、契約社員から正社員を目指す、中小企業から大企業へ、あるいは国内企業から外資系企業へ転職して、より高収入が得られる職場を目指しています。あるいは副業でチャレンジしながら、起業を目指す人もいます。事業家として成功すればケタ違いのお金持ちになる人もいます。

このうち、投資家タイプや9蘯入タイプは、可処分所得も多いため、旅行にも惜しみなくお金を使う人もいます。こういうタイプの人たちには、海外に銀行口座を開く、不動産を買いに行くという旅行も少なくありません。

■「家族の思い出づくり」を理由に旅行する人にお金持ちはいない

しかし、\疚鷁肇織ぅ廚楼磴い泙后そもそも旅行に出かけない人も多いですし、出かけるにしても、会社の保養所を利用したり、住所地の市区町村の施設を利用したりして、出費を抑えながら、楽しんでいる人が多いです。公共の施設が取れなかったから、高額なホテルを利用するようなことはありません。

一般の人に旅行の目的を聞くと、「思い出づくり」を挙げる人が少なくありません。家族で出かけて、思い出をつくる――。素晴らしいことだと思います。

しかし、お金がしっかり貯まっている人で「思い出づくり」を挙げる人はあまりいません。お金が貯まらない人は「思い出づくり」を理由にお金を使う口実にしている人もいるかもしれません。

では、お金が貯まる人は連休中に出かけることなく、何をしているのでしょうか。たとえば、東京に住むお金持ちなら、近くでおいしいものが食べられるレストランはたくさんあります。映画や演劇、コンサートを楽しむことができます。

大きな公園でジョギングや散歩、バーベキューなどをするのもいい。都内はいつもより空いているので、ゆったりと楽しむことができるはず。自分の好きなことを近場で存分に楽しんでいるでしょう。

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藤川 太(ふじかわ・ふとし)
ファイナンシャルプランナー
生活デザイン代表取締役社長。2001年に家計の見直し相談センターを設立以来、3万世帯を超える家計診断を行ってきた。『やっぱりサラリーマンは2度破産する』など著書多数。
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(ファイナンシャルプランナー 藤川 太)