10日、阪神戦で決勝打を放ったDeNA・牧秀悟[写真=萩原孝弘]

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○ DeNA 3 − 0 阪神 ●

<18回戦・横浜>

 終盤までスコアレスの引き締まったゲーム。力投した茺口遥大に勝ちを付ける一打を放ったのは、DeNAの“不動の4番”牧秀悟の一振りだった。

 0−0で迎えた8回裏。今シーズン3戦2敗と苦手にしている阪神先発・伊藤将司に簡単に二死を取られたが、昨日のヒーロー大田泰示が二塁手・山本泰寛のエラーを誘うと、佐野恵太が左前安打でチャンス拡大。4番の牧秀悟が追い込まれてからの3球目、内角高めのストレートを左翼フェンスまで運ぶ適時二塁打で均衡を破ると、続く宮粼敏郎も左前へ適時打を放ち一挙3点を奪い、勝負を決定付けた。

 投げては先発・茺口が8回120球無失点ピッチングを披露し5勝目をゲット。ストッパー・山粼康晃はピンチを招くも、得点を与えず24セーブ目を挙げた。

 大田の右翼フェンスにぶつかりながらのスーパーキャッチ、牧の好守、茺口も得意の牽制で相手のチャンスの芽を摘むなど、ゲームの流れを渡さぬプレーの数々も勝利のポイントとなったゲームだった。

◆ 4番が抱く勝利への強い思い…指揮官も最敬礼

 これでDeNAは阪神をかわして2位に浮上。三浦大輔監督の就任以降では最多となる貯金「2」とした。

 試合後、殊勲打を放った牧は「2球で追い込まれてしまったので、なんとか点を取ろうという気持ちで打席に入りました。反応で打てましたし、いいところに飛んでくれました」と納得の表情で振り返った。

 チームが苦手としている青柳晃洋と伊藤将司を撃破し、「チーム全員で点を取って勝てた。良かったなと思います」と話し、2位浮上についても「上を目指すしかないところで、本当にいい勝ち方が出来ている。継続してやっていきたい」と胸を張った。

 牧は8月6日の中日戦(バンテリンドーム)でも9回表に均衡を破る決勝打を放ち、この日も同じようにチームに貢献する一打で勝利に貢献。“これぞ4番”といった働きを果たしているが、「果たすというよりはもう終盤なんで、本当にやるしかないと思っている。チャンスで回ってきたら、なんとかその日1本でもいいので打てるようにしたい」と、チームの勝利へこだわる強い思いを言葉に滲ませた。

 三浦監督も牧には「いまさら言う必要もないでしょう」と笑顔で振り返り、「勝負強くああいうところで決めてくれる。最後にしっかりと仕事をしてくれました」と最敬礼していた。

 連日の粘り勝ちで単独2位浮上。さらなる上を目指して、4番のバットがチームを乗せていく。

取材・文・写真=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)

【動画】ハマの4番が決めた!DeNA・牧が決勝打を放った瞬間

タイムリーツーベースヒットで均衡破る!!!

DB 2 - 0 T#牧秀悟 選手#baystars pic.twitter.com/utD80FLWLA- 横浜DeNAベイスターズ (@ydb_yokohama) August 10, 2022