スマホで宿題を読み取れば、答えを教えてくれる……子どもたちにとっては夢のような検索アプリ「Googleレンズ」。あまりの便利さに、元小学校教師が“宿題の意味”を問いかける投稿がTwitterで話題になっている。

【映像】Googleレンズを使う様子

「娘から昨夜聞いたびっくりな事実。Googleカメラに宿題をかざすと答えをきちんと導いてくれる」

 話題になっているのは、写真や画像から関連する情報を表示してくれる検索アプリ「Googleレンズ」に関するツイート。カメラをかざすと宿題の答えを導き出してくれると話題になり、投稿には5万4000件の“いいね”が押されている。

 実際に投稿者が試してみると、数式を読み取り、その解答を過程まで含めて順序立てて教えてくれた。この動画は205万回以上再生され、「時間をかけるよりは、解説を見て解答まで導いてもらう方が良いと思う」「絶対子どもには教えない!」などとコメント欄でも賛否の声が上がっている。

 投稿したのは、元小学校教師で現在は愛知教育大学で非常勤講師を務める深見太一さん。きっかけは、新型コロナにかかり別の部屋で宿題をやっていた息子のLINEだった。

「(小学5年生の息子からの『この問題がわからない』というSOSに対して、)僕もその問題がわからなかった。でも、父の威厳としてなんとか教えてあげたかったので、中1の娘を呼んで『これちょっとわかる?』と聞いたら、『私もわからないけど、Googleレンズで調べられるよ』と教えてくれた。そこで問題にかざしてみたら、本当に答えがパンと出てきた。娘は去年からそれを知っていて、こっそり使っていた」

 娘のまさかの告白に驚きつつも、「答えだけでなく解き方も教えてくれるのであれば、勉強の役に立つのではないか」と深見さんは話す。

「例えば家庭的に恵まれない子がいたり、おうちの方のサポ−トがなかったり、塾に行けない子がいたりする中で、ああいう機能があることで救われる子はたくさんいると思う。今までだったら先生1人ではなかなかサポートができなかったところを、『Googleレンズをかざしてみてね』と言って理解できる子はそのまま進んでいけば良い。理解できない子には先生がまた言って……と、二次的な役割としていけるのかなと思う」

 便利なツールの登場で、子どもたちの学び方も変わってくるかもしれない――。深見さんは投稿の最後に、「こんな時代に宿題を出す意味をしっかりと捉え直したい。みなさんはどう考えますかー??」と問いかけている。

「ワークや読書感想文、自由研究のようなものを出していたが、その子にとって必要な宿題は違う。例えば小学5年生でも、九九がちょっと苦手な子もいれば、中学校の範囲をやってる子もいる。こうした中で、一律の宿題を同じ量・同じ範囲で出すのがもう今の時代には合っていないんじゃないのかなと思い、問いかけてみた」

 ニュース番組『ABEMAヒルズ』コメンテーターでBuzzFeed Japan編集長の神庭亮介氏はGoogleレンズの良さをこう語った。

「夏休みの宿題では、ワークと一緒に答えが配られることが結構ある。つまり、答えを見ようと思えば現状でも見られる状態なので、このカメラがあるからといってズルが蔓延することはないと思う。配られるワークの解答は不親切で、途中の説明が端折られていることも多い。Googleレンズを使えば途中式までわかるので、非常に便利だなと思った。学校に限らず、塾の宿題でも割と不親切な解答があるので、それを補う形でうまくGoogleレンズを使えると子どもたちにとっても便利だと思う。親御さんも、自分のキャパを超えているときに『助けて、Googleレンズ!』と言えるのがいい」

 Googleレンズを使えば、スマホですぐに答えがわかってしまう――。そうした中で“宿題”とはどうあるべきだろうか。神庭氏は次のように持論を展開した。

「従来のような計算問題も変わらず必要ではあるが、より重要なのは、こうした便利な道具に溺れず使いこなす力の方。いま教育で求められている『非認知能力』は、ただただ速く処理する力というより、やる気だったり、集中して粘り強くやり抜く力だ。すぐ答えの出ない問いに耐え、『悩み抜く力』こそが大切だと思う。Googleレンズを活用するITスキルを伝えつつも、並行して学校や家庭で子どもの非認知能力を育み、悩み続ける機会を与えていくことが真の学びにつながるのではないか」

(『ABEMAヒルズ』より)