『ハウス・オブ・カード』を解雇されたケヴィン・スペイシー、約40億円の支払いを命じられる

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度重なる性的暴行疑惑により、2017年にNetflixの政治サスペンスドラマ『ハウス・オブ・カード 野望の階段』から解雇されたケヴィン・スペイシーが、同シリーズの製作会社に対し、3100万ドル(約41億円)の賠償金を支払うよう命じられたことが明らかとなった。米Varityが報じている。(為替レートは8月8日現在)。

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“無邪気なふざけ合い”と否定するも…

2017年に俳優のアンソニー・ラップ(『スター・トレック:ディスカバリー』)が、彼が14歳だった当時にケヴィンから性的暴行を受けたと訴え、その2日後に『ハウス・オブ・カード』シーズン5の撮影が中断。最終的にケヴィンは番組から解雇され、ファイナルシーズンは主役なしで続行することが決定した。製作会社のMRCは、シーズン6が当初予定していた13話から8話へエピソード数がカットされ、その変更に伴い生じた逸失利益をケヴィンが支払う義務があると主張。また、その後に行なわれた内部調査により、番組の製作スタッフ5名が、ケヴィンからセクハラ行為を受けていたことが明らかになった。

その後、2020年10月にロサンゼルス高等裁判所の調停官が約2950万ドルの損害賠償および150万ドルの費用・手数料を支払うよう裁定。しかし、2022年初旬にケヴィンの弁護士は、彼の行為は“性的な示唆”と“無邪気なふざけ合い”にすぎず、MRCの反ハラスメントポリシーには違反しないと訴え、3100万ドルの仲裁裁定を破棄しようとした。

ケヴィン側の主張を認めず

しかし調停官は、MRCが具体的な数字に基づいた分かりやすい損害賠償請求を行ったこと、また、MRCの損害額の計算が適切に算出され、MRCの実際のコストと契約上の収入にほぼ完全に依拠していると指摘。その事実を基に裁判所はケヴィン側の主張を認めず、このたび、2020年に裁定された3100万ドルの賠償金・費用を確定し、支払いを命じたと報じられている。

ケヴィンは、4件の性的暴行と、1件の同意なしに行なわれた性行為で起訴されている。一連の告発にもかかわらず、新作映画『Peter Five Eight(原題)』に主演すると報じられた。

今後の行方を見守りたい。(海外ドラマNAVI)