辞任表明する朴氏=8日、ソウル(聯合ニュース)

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【ソウル聯合ニュース】韓国の朴順愛(パク・スネ)社会副首相兼教育部長官が8日、辞任の意向を明らかにした。就任から1カ月余りでの辞任表明となった。

 朴氏はこの日午後開いた臨時の記者会見で辞任する意向を表明した。

 朴氏は「私が教育から受けた恩恵を国民にお返しするという気持ちで走ってきたが、足りない部分が多かった」とし、小学校の入学年齢を現行の満6歳から満5歳に引き下げる学制改革案を巡り論争が起きたのは自身の責任と述べた。

 就任から1カ月余り、就学年齢の引き下げなどを盛り込んだ学制改革案を発表してから10日での辞任表明となった。

 尹政権発足後、閣僚が辞任するのは今回が初めて。

 教育部が発表した学制改革案を巡っては、保護者や教職員らの間で反発の声が広がった。保護者や教育界、政界から朴氏の辞任を求める声が続いていることを受け、支持率が20%台に急落した尹大統領による、事実上の更迭と受け止められる。

 朴氏は尹大統領から社会副首相兼教育部長官候補に指名された際、過去に行った飲酒運転などが取り沙汰され、資質が問題視されたが、国会の人事聴聞会を経ずに就任に至った。

 就任後、尹大統領が宣言していた教育改革を推進したが、先月29日に発表した学制改革案が各界から強い反発を招いた。

 その後、国民が望まないのであれば、政策を取り下げることは可能であり、確定したものではないと発言するなどして、さらなる混乱を招いた。

 朴氏の辞任により尹大統領が就任直後から強調してきた教育改革の推進力は弱まり、学制改革案も事実上廃案となる可能性が高まった。