本当にあと一歩、あと一打だった(撮影:福田文平)

写真拡大

<AIG女子オープン 最終日◇7日◇ミュアフィールド(スコットランド)◇6680ヤード・パー71>
最後は1打届かなかった。首位と5打差からスタートした渋野日向子は1イーグル・3バーディ・3ボギー・1ダブルボギーの「71」で回りトータル9アンダー。プレーオフ進出を逃したが、単独3位で今季のメジャー最終戦を締めくくった。
悔しさがこみ上げる。先週までは予選落ちを繰り返す日々が続いたが、ここに来て「心から楽しめた」と快ラウンドを連発。負けはしたが、今後につながる一戦となったに違いない。
首位と5打差からスタートし2番でバーディが先行。ところが3番、4番はロングパットから3パットを喫し連続ボギー。嫌な流れになりかけたが、ただでは終われない。続く5番は512ヤードのパー5。ここで渋野が魅せた。
気持ちよくドライバーをかっ飛ばすと、ピンまで残り173ヤード。フォロー風、地面が硬く転がりやすいという条件がそろったとはいえ圧巻のビッグドライブ。そして8番アイアンを振り抜いた2打目はピン右上5メートルに止まり、これを沈めて今大会初イーグルを奪った。「まさかパー5のセカンドを8番で打てるとは思わないじゃないですか、やるしかないと思って」と連続ボギーを帳消しにするだけでなく、気分を上げるためにもここは狙って行った。
「1番は412ヤードで(セカンドを)スプーンで打って、500ヤードなんぼをなんで8番アイアン。おかしいなーとか言いながら(笑)。昨日はボギーで、心残りだった。2オンできるホールでイーグルがなかなか獲れない。一個は獲りたいと思っていた」と会心の一発を振り返る。
「バーディ、ボギー、ボギー、イーグル。騒がしいわ、ほんと」。序盤から渋野らしい激しいプレーで食い下がったが、惜しくも1打に泣いた。悔しい敗戦でも、攻め続けた4日間には納得。この日のイーグルのようなゴルフがあれば、残されたシーズン後半戦でいくらでも取り返せるはずだ。(文・高桑均)
<ゴルフ情報ALBA.Net>