村上が特例2022適用で連続試合出場記録ストップ、22歳の若さながらファンは救済適用の訴え

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 22歳にして「神様」とあがめられるスラッガーがいる。ヤクルトの村上宗隆だ。7月31日の阪神戦から8月2日の中日戦にかけて、プロ野球新記録となる5打席連続本塁打をマークするなど、MVP間違いなしという活躍でヤクルトの首位独走をけん引している。

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 その「村神様」が、思わぬ足踏みを強いられた。6日の巨人戦、神宮球場で発表されたスタメンメンバーに村上の名前はなかった。スタメン落ちどころか、試合前には特例2022の適用選手として出場選手登録を抹消されることが分かった。

 スタンドはざわついた。さらにヤクルト球団の広報発表が一切無く、村上がどのような理由で出場選手登録を外れたかのアナウンスは試合終了まで一切なかった。ネット上には「新型コロナ感染か?」「なぜアナウンスしない?」「どこまでもファンを無視した球団の姿勢に疑問」といった声が飛び交う中、試合終了後、高津臣吾監督から「倦怠感があり、特例で抹消しました。PCR検査の結果は陰性だったので、明日以降は様子を見てになります」と説明があった。

 コロナ禍において導入された感染拡大防止特例2022(通称・特例2022)は、新型コロナ陽性の場合や、コロナの疑いがある際に適用される。近親者が陽性判定を受け、濃厚接触の疑いがある際などもだ。適用された場合、感染の疑いが一切なくなれば、規定の10日間を経なくても1軍に再登録できる。

 検査結果が陰性だったこともあり、実際に村上は翌7日の巨人戦に4番・三塁で名前を連ねた。打席では3打数無安打に終わり、試合も同一カード3連敗を喫したが、神様は不死鳥のように復活。多くのファンが胸をなで下ろした。

 ところが、この空白の1日が思わぬ形でフォーカスされることとなった。2020年の開幕戦から続いてた村上の4番連続試合出場記録が途切れたのだ。20歳から不動の4番として、ここまで全360試合に出場し続けてきたことだけでも驚きなのだが、4番での連続試合出場記録はすでに球団記録を更新していた。歴代最長の金本知憲(阪神)の880試合には及ばないが、村上の上には他に469試合のラミレス(巨人)、415試合の松井秀喜(巨人)、362試合の石井浩郎(近鉄)、361試合の掛布雅之(阪神)と計5人しかいなかったのだ。石井と掛布の記録は抜く目前だった。

 なおこの特例2022にはさらに特別事項があり、新型コロナウイルスのワクチン接種による副反応での体調不良でも適用できるのだが、その場合には連続試合出場記録は途切れない。そんな特別事項の存在から、ヤクルトファンからは「1日ぐらい見逃して」「10日以内の復帰ならば記録は継続させてもいいのでは?」といった声が飛び交った。

 まだ22歳ながら、連続試合出場記録が途切れただけでここまで騒がれるというのも、村上ならでは。繰り返すがまだ若い。ここからまた新たな連続試合出場記録を積み重ねていくチャンスは、他の誰よりもある。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]