原作者・尾田栄一郎が描き下ろしたAdoのアーティスト写真
 - (C) 尾田栄一郎/2022「ワンピース」製作委員会

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 2020年にリリースした楽曲「うっせぇわ」で社会現象を巻き起こした、アーティストのAdo(19)。映画『ONE PIECE FILM RED』(全国公開中)では歌姫・ウタとして劇中歌や主題歌を担当し、さらに勢いを増す彼女が、ブレイク後の心境やまもなく迎える20代の目標を語った。

 顔出しをせず、素性不明のアーティストとしてメジャーデビューしたAdoは、「うっせぇわ」で日本中に衝撃を与え、2021年の「新語・流行語大賞」では曲名がトップ10入りするという快進撃を見せた。その後も「ギラギラ」「踊」などヒットを連発し、1月にはファーストアルバム「狂言」を発表。4月に初のワンマンライブを成功させ、8月には歌唱キャストとして参加した『ONE PIECE FILM RED』が公開されるなど、2022年も飛躍し続けている。

 「大きな仕事やワンマンライブができて、こんなに嬉しいことはない」とブレイク後の心境を語ったAdo。一方で、人気が出たからこそ感じる不安もあるという。「今の仕事に、果たして自分が見合っているのか。ワンマンライブは自分として立てたなと思うのですが、『みなさんが見ているカッコいいAdoになれているかな? 追いついているかな?』と感じる時もあります。私だけのものだったAdoが、いろんな人のものになって、いろんな人に愛されて、その人の人生にもなりつつある。そんなAdoに、私はなれているのかな? まだ甘いんじゃないのかな? と不安になることもあります」

 歌い手として個人で活動を始めたAdoは、中田ヤスタカ、Mrs. GREEN APPLE、Vaundy、FAKE TYPE.、澤野弘之、折坂悠太、秦基博という名だたるアーティストから楽曲を提供されるまでに成長した。「個人の活動からでしたが、今はたくさんの方に支えられて仕事ができています。私一人がAdoでなく、いろんな人の支えがあってこそAdoが成立しています」と力を込める。

 そんなAdoに刺激を与えたのが、幼少期によく観賞していたというディズニー映画。「私自身ネガティブではあるのですが、そこまでネガティブになっていないのは、ディズニー映画の影響だと思っているんです」と明かす。ディズニープリンセスのお気に入りはシンデレラだそうで、「美しいのにお姉さんたちに虐められたり、継母に召使いのように扱われたり、あんなに苦労しているけど夢を見続けている。彼女の優しいけど強い信念が素敵だなと思います。諦めない力は私も影響されていますし、『いまは辛いけど、いずれ報われる時が来るから頑張ろう』と日常で救われている部分が多いです」と明かした。

 10月に20歳の誕生日を迎えるAdo。アーティストとして、20代になってやりたいことや目標を聞いてみると、「常に最高というものを更新したい」と回答した。「ライブもそうですし、『今が一番いいね』って言われたい。昔がよかったとは言われたくないですし、10代の私に負けない自分でいたいと思います」

 今回携わった『ONE PIECE FILM RED』の主人公・ルフィは海賊王を目指して冒険を続けているが、Adoが目指すものは「カッコいい歌い手」だという。「今のAdoより成長したいし、歌い手としての自分を今よりアップデートしたい。たくさんの人を驚かせたいし、パフォーマンスを見ていただいて刺激や影響を与えたい。そんなカッコいい歌い手になりたいです」(取材・文:編集部・倉本拓弥)