わずか15分で危険レベルに…子供やペットを残した「キー閉じ込み」昨年8月は99件発生! ガラス割る事態も

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日なたはもちろん日陰でも危険!

 JAF(日本自動車連盟)は2022年8月4日、車内熱中症の事故予防啓発の一環として、2021年8月に出動した「子供やペットが車内に残されたままのキー閉じ込み」の件数を公表しました。

油断禁物! 車内での熱中症に気をつけたい!

 2021年8月1日から31日までの1か月間で、JAFが出動したキー閉じ込みの救援のうち、車内に子どもが取り残されたままだったケースは63件、ペットで同様のケースは36件と、1か月で約100件発生しています。

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 さらにこのうち、生命に危険を及ぼす影響が高いと判断して通常の開錠作業ではなくドアガラスを割るなどしたケースは9件あったといいます。

 なかには、「子供に鍵を持たせていたら、ロックボタンを押してしまった」「ペット(犬)が前足でドアのロックボタンを踏んでしまった」といった事例もあったそうです。

 JAFの検証によると、気温35度の炎天下に駐車した車内の熱中症指数(WBGT)は、窓を閉め切った状態でエンジンを停止した後、わずか15分で31を超え人体にとって危険なレベルに達しています。

 また、日陰に駐車したとしてもその車内温度の差はわずか約7度であることから、JAFは駐車場所にかかわらず外気温が高温のときは注意が必要としています。

 帝京大学医学部付属病院高度救命救急センター長で、日本救急医学会の熱中症に関する委員会の委員長も歴任した三宅康史教授は、次のようにコメントしています。

「子どもは体が小さく、環境に特に影響されやすいのです。同じ暑い環境でも、体が小さい方が熱の影響を受けて、先に体温が上がってしまうため、特に注意が必要です。

 さらに、子どもは暑さの影響を受けやすいにもかかわらず、自分で不調を訴えたり、水分を補給したり、環境を変えたりすることが難しいので、保護者が気を付ける必要があります。

 寝ているから、短時間だからといって、子どもやペットを車に置き去りにするのは大変危険です。直射日光が当たる場合はもちろん、日かげでも車内温度は上昇します。特に乳幼児は自分で行動することができません。保護者は責任を持って、車に置き去りにしないようにしましょう」