アレクサンダル・ミトロビッチはプレミアリーグを戦うチームを救えるか photo/Getty images

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08-09シーズンにはプレミアリーグで7位フィニッシュと好成績を残した過去を持つフラム。しかし13-14シーズンで降格を経験しており、近年は1部と2部を行き来するエレベータークラブとなっている。

そんなフラムは昨季イングランドの実質2部であるチャンピオンシップを制している。46試合で106ゴールと得点力の高さを見せつけ、リーグタイトルを勝ち取った。22-23シーズンの目標は残留だろう。ここ5年は1部にとどまることができておらず、繰り返すことは避けたいはずだ。

キーマンはやはりセルビア代表のFWアレクサンダル・ミトロビッチだろう。27歳のストライカーで、昨季フラムでは44試合で43ゴールを記録しており、2部の新記録を生み出した。そういった背景もあってセルビア代表での地位は回復しており、ワールドカップ・カタール大会に向けたグループステージのポルトガル戦では劇的な逆転弾を決め、母国をW杯に導いた。

このミトロビッチが2部と同様にプレミアリーグでも得点を量産すればフラムが降格争いに巻き込まれることはないだろう。

英『BBC』ではフラムのプレミアでの戦いに注目しており、ミトロビッチをキーマンとして挙げている。同紙では活躍できると主張し、その根拠はマルコ・シウバが作り出した攻撃的なサッカーだという。

得点面だけでいえばフラムはミトロビッチに依存しているが、他のタレントは注目すべき選手が多い。ファビオ・カルヴァーリョは引き抜かれてしまったが、アンドレアス・ペレイラがその穴を埋めており、サイドにはハリー・ウィルソンとマノー・ソロモンがいてローマからジャスティン・クライファートがやってくるなんて話もある。中盤ではポルトガルのスポルティングCPで評価を高めたジョアン・パリャーニャが加わり、より盤石となった。守護神はドイツ代表のベルント・レノであり、ミトロビッチに万全な状態でボールを届けられる選手が揃っている。フラムが降格した18-19、20-21シーズンのように彼が前線で孤立する回数は減るはずだ。

「彼はスポンジのようだった。彼は決して忘れることはない。非常に速く学び、あらゆるアドバイスを受け入れることができる」

英『BBC』にてミトロビッチを称賛するのは彼が育ったセルビアのパルチザンでコーチを務めるヴク・ラショビッチ氏だ。ミトロビッチの学習する能力の高さを評価しており、さらに進化すると確信しているようだ。

その証拠に同紙ではミトロビッチがシウバの下でハリー・ケインのようなリンクプレイヤーにスタイルを変えていると主張している。以前は前線でのターゲットマンだが、より攻撃に厚みを生み出せる存在になったという。

2部では偉大な記録を作り、今季プレミアリーグに再び挑戦するミトロビッチ。開幕戦はリヴァプールが相手だが、真の実力を発揮することはできるのだろうか。