福田達夫総務会長

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 自民党の福田達夫総務会長(55)が“炎上”している。旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合。以下「統一教会」)を巡る発言で、大ヒンシュクを買ったのが原因だ。

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祖父・赳夫は、安倍元首相・昭恵夫人の結婚の媒酌も務めた【「福田家3代」の貴重写真を見る】

 福田氏は7月29日の記者会見で、統一教会と自民党は“密接な関係”にあるのではと関心が集まっていることに、「正直に言う。何が問題か、僕はよく分からない」と言ってのけた。

 共同通信の記事を元に、東京新聞(電子版)は同日、「旧統一教会と自民党の関係批判に『何が問題か分からない』 福田達夫総務会長が不快感」の記事を配信した。

《野党やメディアの動きを念頭に「(個々の議員との接点を)取り立てて『問題だ』ということが、本当に何か物事を良くするのか。僕は極めて疑問に思っている」と強調。「どんな意図でやっていらっしゃるのだろう」と指摘し、不快感をにじませた》

 この発言に激怒した有権者は多く、Twitterでは抗議の投稿が相次いだ。

福田達夫総務会長

《何が問題か分からないお坊ちゃまは国会議員やっても仕事できないから当選させるべきではない》

《カルト統一教会との関係が何が問題かよくわからないとはとんでもない舌禍だ。この失言だけで福田達夫の総理の芽は消えた》

《福田達夫は三世議員で上級国民代表だから、一般国民がカルトに騙されて破産しようが強制結婚で韓国で奴隷扱いされようが自己責任だから知ったこっちゃないんだよ》

祖父も父も総理大臣

 福田氏の“華麗なる経歴”も炎上に影響を与えたことが、先に紹介したツイートからも垣間見える。

 福田氏の祖父は福田赳夫氏(1905〜1995)、父親は福田康夫氏(86)。共に首相経験者であり、福田氏自身も「将来の首相候補」と目されてきた。

 慶應の幼稚舎から普通部、高校、そして慶大法学部という学歴は、まさに“お坊ちゃま”だろう。大学を卒業するとジョンズ・ホプキンズ大学の大学院に進み、帰国すると三菱商事に入社した。

 2004年に退社すると、父・康夫氏の個人事務所に入り私設秘書となる。内閣総理大臣秘書官を経て、2012年の衆院選で群馬4区から出馬、初当選を果たした。政治担当記者が言う。

「福田さんの祖父・赳夫氏は1974年、統一教会の教祖である文鮮明氏(1920〜2012)を絶賛するスピーチを行うなど、“密接な関係”にあると目されていました。今回、安倍晋三元首相(享年67)が射殺された影響で、再び自民党と統一教会の関係に注目が集まっています。赳夫氏のスピーチもネット上で拡散。日刊ゲンダイDIGITALが7月30日に記事で取り上げ、こちらもかなり読まれたようです」

釈明文書も不評

 こうなると、「祖父が統一教会と密接な関係にあったから、孫としてはとぼける必要があったのだろう」と勘ぐる向きも出てくる。

 試しにTwitterで検索してみると、「福田家と統一教会」という観点から様々な憶測が乱れ飛んでいるのがよく分かる。

 会見での発言が29日の夕方から報道されると、ネット上では一気に炎上、すぐに野党も批判した。この状況に福田氏は慌てたようだ。

 その日の夜に釈明文書を発表。対応だけは早かったとはいえ、文字通りの“拙速”となった。釈明文書も有権者からヒンシュクを買ったのだが、まずは全文をご紹介しよう。

《本日(7月29日)の総務会長記者会見における発言につき、御説明申し上げます。》

《これまでにも被害者を生み出すような、社会的に問題が指摘されている団体との関係が問題であることは、言うまでもありません。それゆえに、自分としては、そのような団体との付き合いはしておりません。》

《党としての組織的関係は無いということについては、幹事長が申し上げている通りですし、個々の議員についても、そのような団体との関係について厳正かつ慎重であるべきと考えています。》

釈明すら意味不明

《わが党が、組織的に、党外の団体から強い影響を受け、それで政治が動くのであれば問題ですが、私の理解では、そのようなことは一切ありません。ただ、党としての問題ではなく、個人として、なにか抜き差しならない関係になっていて、その結果、その方の政治活動に非常に大きい影響を与えているのであれば、それは問題と思います。》

《一部から御質問をいただいているような、そのような団体との付き合いについて「何が問題かわからない」という趣旨の発言ではございません。》

 Twitterでは《釈明すら意味不明》、《国語のテストで「議員は何が言いたいのかその気持ちを推察して書きなさい」って出たら解ける人いる?》──と、更に批判が殺到した。

「ご自身と統一教会が無関係ということだけは書かれていますが、炎上の理由は違います。『何が問題か分からない』と発言した理由を説明しなければならないのに、全く言及していません。おまけに『影響を受けている議員がいれば問題』と、まるで他人事のような書きっぷりです。有権者が望んでいるのは、そういう自民党議員がいるのかいないのか、調査してほしいということでしょう」(同・記者)

番記者との癒着

 ちなみに8月2日、自民党の茂木敏充幹事長(66)は「自民党と統一教会とは全く関係がないことが分かった」とし、調査を行うつもりはないことを明らかにした。これにも世論が反発する可能性があるが、本題に戻ろう。

 実は、福田氏の釈明文書、内容が意味不明なだけでなく、ご本人が独力で書き上げたものではないというのだ。

 自民党の関係者は、「あの釈明文書は、番記者の“推敲”を経て発表されたものです」と声を潜めて言う。

「会見の発言が炎上し、福田さんは『どうしたらいいんだろう』と、かなり慌てていたそうです。福田さんがマスコミ幹部に相談すると、『釈明したほうがいい』と忠告された。そのため自分で下書きを作成し、その後、安倍派を担当しているNHKやフジテレビなど5人程度の番記者が秘かに呼ばれ、福田さんは下書きを見せました。そして記者たちのアドバイスを受けてから発表したそうです」

 こうした発表までの経緯は、複数の問題点を孕んでいるという。

「かつては番記者が、こっそり“スピーチライター”の真似事をしていたこともありました。しかし今では、そうした関係は“政治家と番記者の癒着”と考えられています。おまけに昭和の時代でも、本当に信頼している関係の深い番記者1人に協力を要請することはありましたが、複数の記者に文案を見せるなどということはなかったと思います」(同・関係者)

危機管理の能力は……?

 何より問題なのは、これだけ有権者が明確に怒っていても、福田氏は独力で釈明文を書けなかったという点だ。

「発言のどこが問題だったのか、有権者は何に怒っているのか、それが自分でも分かっていれば、わざわざ下書きを記者に見せる必要はなかったはずです。福田さんが番記者の協力を仰いだことで、いみじくも会見における『何が問題か分からない』という発言は本音だったと裏付けられてしまいました」(同・関係者)

 おまけに、複数の記者が“推敲”してくれたにもかかわらず、ネット上では「意味不明」と一刀両断されてしまった……。

 ここに興味深い新聞記事がある。福田氏の選挙区は群馬4区だが、地元紙の上毛新聞がインタビューを行い、2017年8月に掲載された。

 福田氏が防衛政務官に就任したため、抱負を聞いたという内容だ。記事には以下のような記述がある。

《危機管理を担う防衛政務官は都内での待機が職務の一つ。地元活動はこれまでより制約されるが、「地元有権者の生の声を聞く機会をつくり、(世論と)ずれのないようにしたい」》

 今回の炎上で、福田氏には危機管理の能力がなく、世論と完全にずれてしまっていることが明らかになった。防衛政務官として何を学んだのか、この点でも疑問符を付けざるを得ない。

デイリー新潮編集部