バルセロナに加入したレヴァンドフスキ photo/Getty Images

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昨夏のバルセロナは、まさに青天の霹靂だった。クラブの財政難によるリオネル・メッシの退団はサッカー界を揺るがす大きなニュースとなった。

そこから1年が経過し、今夏はバルセロナが巨額の移籍金を払って大型補強を繰り返している。クラブは放映権などの一部を売却することで資金を作っており、それを補強資金へと回している。フランク・ケシエやアンドレアス・クリステンセンはフリーで獲得したものの、ハフィーニャとロベルト・レヴァンドフスキにはそれぞれ100億円近くを費やして獲得しているのだ。

昨今のバルセロナの全盛期といえばジョゼップ・グアルディオラ監督やルイス・エンリケ監督の下、カンテラ出身者がクラブのアイデンティティを体現したスタイルで世界一に輝いた2008年から2014年ごろまでだろう。メッシやアンドレス・イニエスタ、カルラス・プジョルらを擁してポゼッションスタイルを追求した美しいサッカーは、世界中のさまざまなクラブが憧れを示して挑戦した。

しかしその後のバルセロナは大金を費やして他クラブから強力な選手を次々に獲得。2017-18シーズン以降は、高額な移籍金を払ってウスマン・デンベレやフィリペ・コウチーニョ、アントワーヌ・グリーズマンらを補強するもグアルディオラ時代のような栄光は迎えられていない。

今夏も積極的に移籍金を払ってレヴァンドフスキら主力級の選手を補強しているバルセロナ。これが吉と出るか凶と出るかはシーズンが始まってからのお楽しみだ。バルセロナに加入した選手はまずバルサのアイデンティティを尊重してフィットする必要がある。今夏加入した選手たちがどこまで活躍できるかはそこにかかっているだろう。高額な移籍金を費やすも失敗してしまった過去の歴史を繰り返すことなく、それを生かしてさらなる繁栄へとつなげていけるか。今季のシャビバルサに注目が集まる。