【猛暑】知らないとキケン!熱中症につながる「意外な脱水のサイン」を医師に聞いた

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汗をたくさんかき、熱中症が気になる季節。特に子どもには水分補給をしっかりさせなくては、とママやパパは考えていることでしょう。

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でも、子どもも大人も気づかないうちに脱水状態になってしまうこともあるようです。

脱水とは体液が失われ、必要な水分と電解質(ナトリウムやカリウム等)が不足している状態のこと。その脱水によって生じる体の不調の一つが「熱中症」です。

そんな脱水症状が現れたときや予防のために飲むといいといわれているのが「経口補水液」。脱水時の症状をすみやかに改善させる飲み物で、脱水症の治療にも使われています。自宅でも砂糖と食塩を水に溶かすと作ることができますが、市販の「OS-1」などでも手軽に手に入れられます。

この経口補水液、飲んだときに「おいしい」「甘い」と感じると、体が脱水傾向にある証拠だという噂が! 果たして、本当なのでしょうか?

そこで今回は、経口補水液の素朴な疑問のほか、脱水のリスクについて「かくれ脱水」委員会に所属する、済生会横浜市東部病院 小児肝臓消化器科の十河(そごう)剛先生にお話を伺いました。十河先生は、子どもの経口補水液の正しい摂取法の普及に努めています。

経口補水液を「おいしい」「甘い」と感じたら要注意!?

OS-1のような経口補水液がおいしい・甘いと感じるときというのは、身体はどのような状態にあるのでしょうか。十河先生に伺いました。

十河剛先生(以下、十河)「経口補水液は一般的なスポーツドリンクの2.5倍の塩分(ナトリウム)が含まれている一方で、糖分はスポーツドリンクの約半分しか含まれていません。ですので、脱水のない健康なときに飲むとしょっぱく感じます。

暑い日やスポーツなどで体を動かして汗をたくさんかくと、汗から水分と一緒に塩分(ナトリウム)が失われていきます。とくに暑さにまだ慣れていない時期や激しい運動で短時間にたくさんの汗をかくときには、汗の中の塩分(ナトリウム)濃度が高くなり、汗から失われる塩分(ナトリウム)も多くなります。

すると、水分だけではなく、体の中の塩分(ナトリウム)も不足している状態になり、体が塩分(ナトリウム)を欲しがるようになります。このような状態では、一般に経口補水液がしょっぱいというよりも、おいしいと感じると言われています」

「おいしい」と感じても、一概に脱水状態だと判断することはできず、注意点もあるそうです。

十河「ただし、味覚には個人差があり、体に塩分(ナトリウム)が足りていなくても、経口補水液をしょっぱいと感じる人もいますので、大量に汗をかくようなときには経口補水液で水分と塩分(ナトリウム)を補給することが脱水予防につながります。

また、いざというときに嫌がらずに飲めるように、小さな頃から経口補水液の味に慣らしておくことも大切です」

他にもある!こうなったら要注意な「脱水のサイン」

「経口補水液がおいしい」と感じる以外にも、脱水のサインはあるそうです。子どもも大人もできるだけ早めに気付いて対処するためにも、サインを知っておきましょう。

1.おしっこの量が減って色が濃くなる

十河「体から水分が失われる、もしくは口から飲む水分が不足しているときに最初に閉める水分の出口の蛇口がおしっこです。おしっこを減らして、体の中の水分量が不足しないように調整しているのです。

そのため、おしっこの量が減り、色が濃くなっているなと感じたら、脱水の前兆だと考えてください」

2.口の中が乾く

十河「水分が足りなくなると、口の中の唾液が減って舌や口の中が乾いて、ネバネバしてきます。これは脱水のサインと言えます」

3.元気がなくなる

十河「さらに脱水が進行すると、元気がなくなってき、もっと進行すると、けいれんや呼びかけに反応がないなどの意識障害が起こります」

1→2→3の順で脱水が進行していくそうです。まずはおしっこの量や状態に気付いたら脱水の前兆だと思い、水や塩分を、経口補水液なども活用しながら適量摂取しましょう。

酷暑が予想されるこの夏は、子どもが脱水や熱中症の症状を起こしたときに慌てないように、ドラッグストア等で経口補水液を買って常備するようにしましょう。

「OS-1」に代表される経口補水液がいくつか発売されています。脱水をスムーズに緩和できる経口補水液は塩分が強めなので、味に慣れない子どもはちょっと「しょっぱい!」と感じるかもしれませんが、デザートのように飲んでくれるゼリータイプやアップル味もありますので、子どもに飲ませてみて飲みやすいものを見つけるのも良さそうです。

【取材協力】十河 剛(そごう・つよし)先生

済生会横浜市東部病院 小児肝臓消化器科 部長 医学博士/日本肝臓学会認定肝臓専門医・指導医/NPO法人日本躰道協会 理事/日本スポーツ協会公認スポーツドクター
1970年東京生まれ。防衛医科大学校医学科卒。日本小児科学会認定小児科専門医・指導医。日本肝臓学会認定肝臓専門医・指導医。日本消化器内視鏡学会認定消化器内視鏡専門医・指導医。