【子育て】優しいママとは違う!? 子どもに“理想的な愛情”をかけられる「カッコいい母」三原則

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思い通りにならない我が子を罵倒しながら、そんな自分が悲しくなる。そういう経験ありませんか。我が子の幸せを誰よりも願い、子どもの将来のためを思い、物事を必死に教え込もうとしますが、子どもはそれを喜ばないし、言う通りに動こうともしません。

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「子どもは母親自身ではありません。母親とは全く別の人間です。その子はその子なりの適性を持って生まれてきていて、その適性に沿って生きるのがその子が幸せになる最も確実な方法です。

親は自分の中にある知識やルールを子どもに教え込むことに一生懸命になりがちですが、実は親にしかできないことは子どもの心を耕すこと。そうすれば母親自身もそんなに大変な思いをしなくてもいいのです」

そう話すのは、 モラハラ対策カウンセラーとしてさまざまな方の相談にあたるJoe(ジョー)さん。相談者の中には家庭や職場でモラハラ被害に遭っている人、どこに行ってもいじめのターゲットになってしまう人、ただ生きているだけでつらいという人が少なくなく、そういう人の大半が実は幼少期の育ちに問題を抱えているといいます。

「幼少期に継続的に経験する過酷な環境は、その人の生涯にさまざまな悪影響を及ぼし、子どもを持った後にも過酷な形で現れます。そこでそういう母親たちの相談に乗る中でこういう人たちに向けた本が必要だなと思いました」

そうして書かれたのが『「「私、子育て向いてないかも」がラクになる本』です。 現在、子育てに追い詰められている方や理想の育児を追いすぎて、ことごとく裏目に出ている方、自らが機能不全家庭で育ったために、子育てのやり方がわからないという方に向けられた書籍です。

強い母、優しい母よりも“カッコいい母親”がいい理由

子どもの育て方に迷いがある場合、そうした状況を改善するポイントはまずは母親がラクになること。これによって子育てもうまく回り始めます。

その一つが、お互いに心地の良い母親像を持つということが挙げられます。Joe(ジョー)さんが提案するのは“カッコいい母親”です。

「“強い母親”だと怖くて萎縮してしまうかもしれませんし、“優しい母親”だと弱すぎて頼れない。“尊敬できる母親”だと壁がありすぎます。“毅然とした母親”だと冷た過ぎるかもしれません。

ところが“カッコいい”母親というのはどうでしょう。強さと優しさのバランスが取れていて、子どもから見て自分もそうなりたいと思うような憧れの人間像に映ります。あなた自身も自分が“カッコいい母親”と捉えるだけで気分も上がるし、誇り高い気持ちになれるはずです」

出典(「私、子育て向いてないかも」がラクになる本)

「カッコいい母親」三原則

子どもの心を耕す「カッコいい母親」になるためにはどうすれば良いのでしょうか。

子どもの前で次の三原則を意識して振る舞えば、誰でも「カッコいい母親」に近づきます。

1:親子の立場を逆転させない

「子どもというのは“自分よりも強い存在”だと思っている親から優しくされてこそ、その優しさを“愛情”だと認識します。だから、母親は優しさだけではなく、時に子どもに嫌われることを恐れない厳しさや強さを示す必要があるのです」

出典(「私、子育て向いてないかも」がラクになる本)

いつも言いなりになる優しいだけの母親は「自分より下のものだ」と認識されて、どんなに愛情を注いでも、その子どもの心を耕すことはできなくなります。

母親の強さが子どもの心を耕すのです。

2:愛情は深さよりも安定感

「最も理想的なのは“深い愛情”よりも“安定した愛情”です。

深くなったり浅くなったり落ち着かない愛情よりも、ほどほどの深さであっても安定した愛情の方が子どもから見ると、自分に対する無条件の愛情のように見えるし、当然そんなふうに安定している母親の方が“カッコいい母親”に映るのです」

出典(「私、子育て向いてないかも」がラクになる本)

子どもにはわからない理由で突然キレたり、何をしたら不機嫌になるかわからない不安や慢性的な緊張感から、その子の心の畑はガチガチに干上がってしまいます。

子育てに最も重要なのは母親が無理をしないことです。

3:子どもにかける期待を下げる

進学や就職など、親は子どもに様々な期待をかけます。

「“良い大学に行けるような子は『生きやすい人格』が自動的に身に付いているはずだ”と思い込んでいませんか。ところが実際には『学力向上』と『人格形成』は全く別の次元の話です。

もし親であるあなたが間違えて我が子の適性に合わないことに期待して、それを強制的にその子に植え付けようとしたら、今度はその間違った期待によって子どもの心の畑が干上がって他のどんな能力も育たなくなってしまうでしょう」

出典(「私、子育て向いてないかも」がラクになる本)

そうなるくらいなら、過度な期待は可能な限り下げてしまって、子どもがやりたいことを応援する「カッコいい母親」として、子どもの心を耕すことに邁進する方がいいといえます。

世間は、子どもにできるだけ手間をかけるのが正しい、できるだけ深く向き合う姿勢が好ましいというその一点だけに注目しがちなところがあり、それによって、多くの忙しいお母さんたちが追い詰められてストレスや自責の念を抱えています。

親子ともども負のサイクルになっているなと思ったら、この「カッコいい母親」像は、その悪循環を断ち切る一つの方法になってくれるでしょう。

■参考書籍
『「「私、子育て向いてないかも」がラクになる本』

■著者:Joe(ジョー)
モラハラ対策カウンセラー。1976年生まれ。典型的なモラルハラスメントの関係にある両親の元に生まれ、幼少期を過ごす。その経験を通して、モラルハラスメントをする人・される人の心理を知り、その後徐々に、周囲の同様の環境にある人たちに、モラハラ対処のアドバイスをするようになる。
著書に『離れたくても離れられないあの人からの「攻撃」がなくなる本』(SBクリエイティブ)、『私を振り回してくるあの人から自分を守る本』(WAVE出版)がある。