子どもの“迷子対策”どうしてる?「年齢別・おすすめの対策」をベテラン保育士に聞いた

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家族でのお出かけの際、不安になることの一つが「子どもの迷子」。テーマパークやショッピングモール、大きな公園など広い場所に行くと、「子どもから目を離してしまったら……」と心配ですよね。

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スマートフォンを持たせるには、まだ早い幼児から小学校低学年の子。どんな対策があるのでしょうか? ママたちの声と共に、熟練保育士の方に年齢別の迷子対策を伺いました。ぜひ参考にしてみてくださいね。

ママに聞いた!子どもの「迷子対策」

夏といえばキャンプなどのアウトドアのお出かけが多い季節。そんなとき、大自然や灯りのない場所だと、子どもを見失ってしまうのが怖いですよね。

企業の発信活動を支援する株式会社ハッシン会議の代表、井上千絵さんは、小学1年生(7歳)の娘さんの迷子対策に、こんな方法をとっているそうです。

井上千絵さん「普段のお出かけの際には、テレホンカードと100円玉を持たせています。公衆電話で何かあったときにかけられるようにです。

また、我が家はお友達家族とキャンプによく行くのですが、子どもたちにはできるだけビビッドカラーの服を着せるようにしています。

森の中でアースカラーはなじんでしまい、見つけにくいからです。また夜間には蛍光棒を手首などにつけさせて、子どもの居場所がすぐにわかるようにしています」

ベテラン保育士に聞く「子どもの年齢別・おすすめの迷子対策」

保育士歴30年で、現在は保育園の園長を務める上野里江さんは、迷子にならないための対策として、こんなアドバイスをくれました。

上野里江さん(以下、上野)「色・柄などがハッキリした服や、目印になるような帽子、リュックを身につけさせるとよいでしょう。そして、その日の子どもの姿を写真に撮っておき、何かあったときに、すぐに見つけられるようにしておくのをおすすめします。

公園やキャンプ場は子どもが多く遊んでいるから大丈夫と油断しやすいので、目を離さないことと、事前の約束をしておくのを忘れずに行いましょう。

最近は、GPS機能付きの迷子防止グッズがあるので、持たせることも選択肢の一つです。何かあったときにママも子どもも焦らず、パニックになりにくくなるでしょう」

そして上野さんは、年齢別の迷子対策として次のことを教えてくれました。

1〜2歳

上野「1〜2歳の子どもには『言い聞かせる』というのはむずかしいので、手を離さない・目を離さない・子どもを一人にしない、ということをママ、パパが意識することが大切です。

また、もし迷子になっても、子どもは自分の名前を言えないので、洋服のタグなどに名前を書いておいたり、迷子札のようなものをリュックの中に入れておいたりしましょう」

3〜4歳

上野「3歳以上の子どもは、約束を守ることができるようになってくるので、出かける前に『ママが見えないところには行かないで。離れるとママに会えなくなってしまうから』と一緒に行動することを約束するとよいです。

『ママが見えない!』となると子どももパニックになり、あわてて走り出すなどして、さらに迷子になってしまうので注意です。手を離すときは、声をかけてアイコンタクトを取り合うことが大事です。

また、出かける前に『知らない人にはついていかない』『迷子になったらお店の人に助けを求める』など約束し、繰り返し伝えていくことが大切です」

5〜6歳

上野「5〜6歳になると、自分で判断して行動できるようになるからこそ、きちんと話をして、なぜママやパパから離れてはいけないのかを伝えていくことが大事です。

保育園で子どもたちと公園に行くときは、先生が見えないところへは行かない、ひとりで公園から出ない、ということを約束しています。子どもたちは守って遊んでいますよ」

上野さんは、次のようにアドバイスしてくれました。

上野「子どもは好奇心旺盛なので、動きを止めることはむずかしいときもありますが、人がたくさんいるところへ行く前には、きちんと話をして、親子のコミュニケーションをしっかりととって、楽しいおでかけにしていきましょう」

お出かけを控えている家庭は、ぜひ事前の約束と準備をしておきましょう。

GPS機能付き!最新「迷子対策グッズ」

上野さんも述べていた、GPS機能付きの迷子防止グッズを2つご紹介。それぞれママの声と共にご紹介します。

1.ビーサイズ「BoTトーク」

BoTトークは、AI見守りロボット。手のひらサイズのデバイスを子どもに持たせると、AIが位置情報から子どもの生活パターンを学習し、見守ってくれます。

さらに、子どもが持つBoTトーク端末と保護者のスマートフォン間で、音声メッセージの送受信を簡単操作で行うことができます。

多くのママは、小学校など一人で行動する年齢の子に対して持たせているようです。

ママの声1「うちの地域は集団登校ですが、帰りは特に班もなく、見守りの人もいません。長女が小学校一年生に上がるとき、とにかく下校が心配でした。

GPS機能のみの『GPS BoT』を偶然知って試してみたら、本当に便利で心強いアイテムと感じています。

今回、BoTトークのほうを試しに長女に持たせてみることにしました。すると即事件が発生。弟が下校中、転んで泣いているの発見した長女がBoTトークで私に連絡をくれたのです。GPS機能でどこにいるかもわかるので、すぐに迎えにいくことができました」

ママの声2「『ケータイを持たせるのはまだ早いかな、でも、連絡を取り合えると助かる』と思っていたときに、BoTトークを見つけました。

私の帰りが予定より遅くなったり、待ち合わせ場所に遅れそうなときなどにも、トークで状況を伝え合えるようになり、本当に助かっています」

お出かけ時には、小学生の子どもなどに単独行動をさせるときに、使えるかもしれませんね。

2.Oaxis Japan「my First Fone R1」

腕時計型のキッズ携帯「my First Fone R1」。GPS機能が搭載されているので、子どもの居場所を知ることができます。

また、4G LTE通信サービスを提供している音声/データ通信用SIMと、専用アプリを使うと、保護者が持つスマートフォンとリアルタイムでのビデオ・音声通話が可能になります。

やはり通学時などに多くのママが利用しているようですよ。

ママの声1「小学生の子が、学童から1人で帰ってきたり、習い事や塾に一人で行くようになったため、連絡手段がほしくて購入しました。自分の声をさっと録って送れる音声メッセージが、子どもには使いやすいようです。

ただ子ども側からは、定型文か音声メッセージしか送れないため、会社などで仕事中に届いた音声メッセージをこっそり確認するのは少々大変です」

ママの声2「万が一のときに、子どもから通信手段がなくなるのを防ぐために購入しました。アプリが無難で使い勝手がよく、見守るという最低限の親の安心と、子どもも手軽に親とつながれるという安心感が得られます。

幼稚園の子でも、気軽に電話やテレビ電話がかけられ、メッセージに関してもやり方を教えると、すぐできるようになります。

録音返信のやり方は、少しクセがあるので何度かできるようになるまでしっかり教えてあげる必要がありますが、これを教えておかないと、言いたいことがメッセージで送れません」

腕時計型というのは、置き忘れの心配がないことから、親としても安心感があるようですね。旅行やお出かけ時にも便利に使えそうです。

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お出かけ時や、通学帰宅途中の迷子対策に、ぜひ今回ご紹介した内容をヒントにして対策し、親子そろって安心感を持ってお出かけや生活をしたいですね。

【取材協力】

井上 千絵さん
株式会社ハッシン会議 代表取締役/PRコンサルタント
元テレビ局記者。ベンチャー・スタートアップ企業を中心に広報PR領域の伴走をするハッシン会議を設立。テレビ局のアウトドアメディア「ハピキャン」立ち上げや、WEBメディアMolecule(マレキュール)編集長など、WEBメディアの事業プロデュースも手がける。趣味はファミリーキャンプ、アウトドア全般。

上野 里江さん
保育士歴30年。子どもに関わる大人を元気に笑顔に!をモットーに保育士としての知識と経験にコーチングのスキルを活かしコミュニケーション講座や研修、相談を行っている。都内認可保育園園長も務めている。