finalが数量限定で販売する、『ウルトラセブン』55周年記念の完全ワイヤレスイヤホン「ZE3000『ウルトラ警備隊モデル』」。7月17日の発売を記念して、神奈川・川崎のfinal本社で特別イベントが開催され、ウルトラ警備隊のハヤカワ・サトミ隊員(鵜川薫さん)とウルトラセブンがそろって登場した。

ZE3000「ウルトラ警備隊モデル」(中央)を手にしたハヤカワ・サトミ隊員役の鵜川薫さん(左)。ウルトラセブン(右)もM78星雲 光の国からやってきた

ZE3000「ウルトラ警備隊モデル」の実機

ウルトラ警備隊のフル装備をまとって現れた、ハヤカワ・サトミ隊員

このイベントは事前に申し込んで当選した計100人が参加でき、13時回と15時回に分けて開催された。ここでは13時回の模様をお伝えする。会場となったfinal本社には、開場時間(イベント開始30分前)の時点で既に多くの熱心なファンが訪れていた。

ZE3000「ウルトラ警備隊モデル」の展示コーナー

『ウルトラセブン』の劇中シーンを集めた展示も

神奈川・川崎のfinal本社前

ZE3000「ウルトラ警備隊モデル」の実機を初披露

ZE3000「ウルトラ警備隊モデル」は既報の通り、全世界3,000台限定のコラボモデル。自社ブランドfinalの完全ワイヤレスイヤホン「ZE3000」(2021年発売、実売約15,800円)がベースモデルで、ウルトラ警備隊をモチーフにしたオリジナルデザインが目を惹く。

イヤホン本体はウルトラ警備隊のヘルメット、付属の充電ケースは同隊のユニフォームがモチーフになっている。シボ塗装を施した通常版のZE3000と異なり、コラボ機のイヤホンはツヤツヤのグロス仕上げ、ケースはマット仕上げを採用。カラーリングやパッケージなどで『ウルトラセブン』の世界観をしっかり表現している。

ZE3000「ウルトラ警備隊モデル」のイヤホン本体は、同隊のヘルメットがモチーフになっており、ツヤツヤのグロス仕上げ

リアルタイム世代ではないものの、NHK BS4Kで2020年に放送された4Kリマスター版『ウルトラセブン』を楽しんだ筆者(30代)から見ても、その再現度の高さはかなりのものと感じた。マニア心をくすぐるものがあり、往年のファンの所有欲も満たされそうだ。

イヤホン本体の耳に当たる側をよく見ると、finalと「(C)円谷プロ」の刻印が。final広報の森氏は「(円谷プロの刻印があるのは)アツいですよね。ココは萌えポイントかなと。昔遊んでいたウルトラシリーズの玩具のロゴがうちの製品に入ったので興奮しました」と嬉しそうに話していた

充電ケースはウルトラ警備隊のユニフォームがモチーフ。マットな表面仕上げになっている

充電ケースの裏側にも「(C)円谷プロ」の刻印が入っている

パッケージもウルトラ警備隊ユニフォームをモチーフにした特別なデザインで仕上げた

ZE3000は、超低歪を追求したドライバーユニット「f-Core for Wireless」を搭載し、「f-LINKダンピング機構」によって低域の適切な音作りとIPX4相当の生活防水の両立を目指している。音楽の細かな部分をクリアに再現し、わずかな残響音も聴きとれるような設計で、音場の広さも感じられるように仕上げたのが特徴だ。弊誌の編集部員による実機レビューは別記事を参照してほしい。

ベースモデルのZE3000

通常版のZE3000は、シボ塗装による特殊加工が施されている

ZE3000「ウルトラ警備隊モデル」では、こうしたベースモデルの特徴をそのままに、『ウルトラセブン』の世界観を感じさせる凝ったデザインを施し、後述のハヤカワ・サトミ隊員によるオリジナル音声ガイダンスを搭載しながら、ベースモデルと同じ価格(直販15,800円)に据え置いた。

デザインや音声ガイダンス以外の主な機能は通常版と共通。連続再生時間は最大7時間で、充電ケース込みで最大35時間。Bluetooth 5.2準拠で、コーデックはSBC、AAC、aptX、aptX Adaptiveをサポート。タッチ操作機能や、オートペアリング機能、片耳モードも備える。SS/S/M/L/LLの5サイズのイヤーピースや、充電用のUSB Type-Cケーブルなどが付属する。

3,000台の数量限定モデルということで、予約は好調に入ってきているとのこと。気になるのがサポート面だが、初期不良や製品修理時の交換といったサポート対応のための在庫も若干数用意しているそうだ。ただし片方をなくした場合、片耳のみの購入はできないということなので、紛失には気をつけたい。

ZE3000「ウルトラ警備隊モデル」の主な仕様

円谷プロ藤田氏、finalの“デザイン力”に驚く

finalの広報担当、森圭太郎氏

finalはポータブルオーディオ好きにはよく知られている、日本のオーディオメーカー。「D8000 Pro Edition」(直販44万6,120円)という高価なハイエンドヘッドホンから、手ごろな有線イヤホン「E3000」(直販5,580円)まで幅広くラインナップしている。音質の良さだけでなく、モノとしての質感の良さにも定評があり、幅広い層から支持を集めているブランドだ。

ハイエンドヘッドホン「D8000 Pro Edition」(左)、手ごろな有線イヤホン「E3000」(右)

神奈川・川崎に本社を構えるfinalの社員40数名のうち、半数を研究者が占めている。現実世界の音とイヤホン/ヘッドホンの音は区別されがちだが、その区別を取り払って「音空間の境目をなくす」ことを最終的な目標に掲げ、九州大学にある研究施設などで音に関する研究を日々重ねている“ガチのオーディオメーカー”なのだ。

九州大学にある研究施設で行われている、音に関する実験の様子

finalが目標に掲げるのは、「音空間の境目をなくす」こと

final本社4階にある直営店「final STORE」。自社ブランドfinalをはじめ、同社が取り扱うさまざまなオーディオブランドのイヤホンなども取りそろえている

こう説明すると、真面目でお堅くとっつきにくいブランドのように聞こえるかもしれないが、それだけに留まらずさまざまなコラボ製品を展開してきたところにもfinalの魅力がある。その最たるものが2020年に発売した、エヴァンゲリオンコラボの「EVA2020 × final完全ワイヤレスイヤホン」や、アンビリカルケーブル風のデザインを採用した有線の「EVA2020 × final 3Dオーディオイヤホン」。かなりこだわった作りで、数多のエヴァファンをうならせたことも記憶に新しい。

そんなfinalが、新たに円谷プロダクションとの共同開発プロジェクトとして、ウルトラマンシリーズの完全ワイヤレスイヤホンを順次商品化していくことを発表。その第1弾製品が、7月17日に発売開始となったZE3000『ウルトラ警備隊モデル』だ。

円谷プロダクションとの共同開発プロジェクトが始動

この日、final本社5階で開催された特別イベントには、円谷プロダクション 営業本部 シニアプロジェクトマネージャーの藤田浩氏が駆けつけ、今回のコラボに至った経緯を紹介した。

円谷プロダクション 営業本部 シニアプロジェクトマネージャーの藤田浩氏

藤田氏は、ウルトラマンシリーズでワイヤレスイヤホンやヘッドホンといったオーディオ機器を製品化したいと考え、自らfinalに商品化の相談を持ち込んだと語る。「キャラクター製品ではあるが、ユーザーに長く使ってもらえるようなものを作りたい」という思いがあり、自身もCDやレコードを聴くのが好きで“いい音”にこだわりを持っているとのことで、コラボメーカーとしてfinalに白羽の矢が立ったという。

森氏と藤田氏によれば、具体的な相談があったのは2020年5月末頃とのこと。当時はコロナ禍に突入したばかりで、新型コロナウイルス感染症への対応にあたる医療従事者に感謝を表すため、航空自衛隊のブルーインパルスが東京都心の上空を飛行するというイベントが行われたが、ちょうどその折に会社で相談の電話をしていたのだという。ベースモデルとなったZE3000の開発発表は翌年の2021年秋なので、ウルトラシリーズコラボの話はZE3000の開発と並行して進んでいたことになる。

相談が進むうち、コラボ製品の発売時期が2022年に決定。第1弾製品については、『シン・ウルトラマン』の劇場公開年でもあるため「初代ウルトラマンでやりましょう」という話もあったものの、『ウルトラセブン』がちょうど放送開始55周年を迎えるということもあり、「今回はウルトラセブンをモチーフにして出そう」ということで話がまとまったのだという。

藤田氏が「驚いた」と話していたのが、ZE3000 ウルトラ警備隊モデルの本体やケース、製品パッケージの“デザイン力”。このデザインはすべてfinalで起こしたものだ。製品版のデザインにたどり着くまでには、ウルトラセブンのカラーである赤を基調にしたものや、ウルトラ警備隊の専用車両「ポインター」や戦闘機「ウルトラホーク」のようなメカを基調にしたものなど、さまざまな候補があがった。その中から、ウルトラ警備隊のヘルメットや隊員服をモチーフにしたものが最終的に選ばれた。

キャラクターの商品化においては、決まったデザインが先にあり、それをコラボ製品を作るメーカーに渡して製造してもらう……という流れになることが少なくない。だが、円谷プロダクションでは基本的な型や色などを指定しつつ、製造してもらうメーカーの個性を出すために、まずはデザインを任せ、それを円谷プロが監修するというかたちをとっている。「我々(円谷プロ)も楽しみ、ユーザーも一緒に楽しむ」(藤田氏)のが狙いなのだそうだ。

「finalのデザイナーさんは本当に忠実なデザインをされて、その中でこのデザインにたどり着いた。非常に手の込んだ商品で、finalも円谷プロもディスカッションを重ねていいものを作ろうと。平成ウルトラセブン(オリジナルビデオ版)のハヤカワ・サトミ隊員(鵜川薫さん)にお出ましいただいて、オリジナル音声ガイダンスも入れた。ウルトラセブンの世界観の中で楽しんでいただけるような作りになっている。ぜひ皆さん手に取っていただいて、日々使っていただきたい」(藤田氏)。

ハヤカワ・サトミ隊員(鵜川薫さん)によるオリジナル音声ガイダンスを搭載

実はfinalユーザー!? のサトミ隊員「感情込めて満足いく仕上がり」

ウルトラ警備隊のハヤカワ・サトミ隊員を演じた鵜川薫さんが特別イベントに登場。着用している制服のデザインは、劇中で実際に使われていたものと同じだという

イベントの後半では、“平成ウルトラセブン”(1998年発売のオリジナルビデオ作品)でハヤカワ・サトミ隊員を演じた鵜川薫さんが登場。実はfinal製品のユーザーでもあるという鵜川さんは、今回のコラボモデルで音声ガイダンスを担当しており、収録時のエピソードやコラボ機への思い入れを熱く語った。

音声ガイダンスの収録時にこだわった部分について、司会者にたずねられた鵜川さんは「完全ワイヤレスイヤホンを使っている人は分かると思うけれど、『接続されました。』とか普通に言っても全然面白くないので。やっぱりウルトラ警備隊モデルということなので、それらしい雰囲気でやらなきゃいけないなと思った」と振り返る。

サトミ隊員の左手首には、ウルトラ警備隊でおなじみの“ビデオシーバー”が光っていた

サトミ隊員を演じたときも「基本的に役作りはしなかった」という鵜川さん。音声ガイダンスの録音時は「隊長から言われたときの気持ちとか、出動命令されたときの気持ちを思い出しながら1人でブースに入って。そのときに敬礼したりして気持ちを盛り上げて、感情を込めてやったので結構満足のいく仕上がりになった」と話し、「(実機では)まだ聞いてないので、今夜聞くの! この喜びを一緒に分かち合いましょう」と会場を訪れたファンに購入をすすめていた。

ピアノ演奏もたしなむという音楽好きな鵜川さんだが、実はエヴァンゲリオンコラボのfinalイヤホンを既に使っているそう。「それまでの有線イヤホンからfinalのイヤホンに変えてクラシックを聞いたときに、今まで聞こえなかった奏者の息づかいが聞こえた。何回も聞いてる曲なのに、それが聞こえたときに『これすごいな』って。ずっとそれを使ってたから、今回のお話をいただいたときにもうこちらからお願いします! ぐらいの勢いで『ぜひお願いします』って言いましたね。嬉しくて。」と笑顔を見せて興奮ぎみにコメント。さらにウルトラセブンが登場すると、親しみを込めて腕を絡める様子も披露した。

M78星雲 光の国からはるばる神奈川・川崎のfinal本社までやってきたウルトラセブン

「商品のクオリティがものすごい高いんですよ。自分が使ってたから分かる。だから心からオススメできるのが気持ちいいんですよね。こんなものができましたよ、って皆さんにお披露目するときにどうぞ! って心から言えてすごく嬉しいですね。昔から色あせないウルトラ警備隊の服のデザインが本当に余すことなく表現されていて、クオリティもいいわけだから、(劇中でも実際に使われていた)この制服と同じように、これから20年以上ずっと皆さんに愛用していただけるものと思っております」(鵜川さん)

このあと、サトミ隊員とウルトラセブン、来場者を交えたスリーショット撮影会が行われ、来場者たちは感染対策を施しながら、憧れのウルトラセブンらとのつかの間の交流を楽しんでいた。

サトミ隊員とウルトラセブン、来場者によるスリーショット撮影会の様子

今回のコラボ機を事前予約した人や、イベント当日に会場で製品を購入した人限定でプレゼントされた、「ハヤカワ・サトミ隊員のサイン入り限定ポストカード」(写真には写っていないが、実際に配布されたカードにはサインが入っている)